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二人きりの甘い旅路とスキンシップ

交易都市を出発し、木漏れ日が美しく差し込む街道を、ギルバート率いる冒険者パーティーは順調に旅を進めていた。目指すは、広大な湖のほとりに栄える水と歴史の美都『ルテティア』である。


「がはは! 今日も絶好の旅日和だな! この調子なら、夕方にはルテティアの手前にある宿場町に届きそうだぞ!」

「本当ね。お天気もいいし、風がとても気持ちいいわ」


先頭を歩く重戦士のギルバートが、豪快に笑いながら太い腕を伸ばす。隣を歩くスカウトのミーナも、涼やかな風に髪をなびかせながら微笑んでいた。

その後ろを並んで歩くのは、ヒーラーとしてパーティの要を担う水野葵と、剣士のルカである。


「葵、足元に気をつけてね。このあたりは木の根が少し出ているから」

「あ……うん、ありがとう、ルカ」


葵がふいに歩幅を緩めると、隣を歩くルカが涼やかな瞳を向け、優しく声をかけてくれた。

葵は照れくさそうに頬を染めながら、小さく首を縦に振る。

前日の清流で、足を滑らせた自分を抱き留めようとしてくれた際、ルカの大きな手が自分の右胸をガバッと包み込んでしまった――あの衝撃的なハプニングの記憶が脳裏に蘇り、葵の胸の奥は未だにドキンと甘く跳ね上がってしまうのだ。


(拓海以外の人に……あんな風に胸を触られちゃうなんて……っ。ううん、ルカは私を助けようとしてくれただけなんだから……っ)


身を挺して葵を守り、ハプニングの後は耳の裏まで真っ赤にして真摯に謝ってくれたルカ。彼のどこまでも誠実で優しい人柄を知っているからこそ、彼の男らしい温もりに心が解けてしまいそうになった。


やがて街道が豊かな森林地帯へと差し掛かった頃、ギルバートが足を止め、周囲の木々を見渡した。


「よし、このあたりの森で少し休憩にしよう! ミーナ、俺と一緒に奥の小川で昼飯の獲物を狙いに行くぞ。ルカ、葵、お前たちはこの近くで回復薬の材料になる『月光草』を少し摘んできてくれないか?」

「わかりました、ギルバートさん。葵の護衛は任せてください」

「ええ、気をつけてね二人とも!」


ギルバートとミーナが頼もしく森の奥へと消えていき、木漏れ日が揺れる静かな木陰に、葵とルカの二人だけが残された。

風が木々を揺らし、カサカサと心地よい葉擦れの音が響き渡る。苔と清水の匂いが、木陰の冷気に混じって葵の鼻腔をくすぐった。木漏れ日の光が、葵の魔法衣の裾を透かし、白い光の粒が揺れた。静寂の中で二人きりになると、どこか甘く甘美な緊張感が空気を満たしていった。


「それじゃあ葵、月光草を探そうか。木陰の湿った岩場によく生えているんだ」

「うん! 私、あっちの大きな樹の根元を見てみるね」


葵は冒険者ドレス調のミニドレス魔力衣の裾を揺らしながら、可憐な足取りで木陰へと向かった。ルカは大きな木製の採集かごを腕に抱え、葵の少し後ろをぴったりとついて歩く。

葵が少し奥まった岩場に足を踏み入れると、苔むした岩の隙間に、淡い青白い光を放つ可憐な薬草『月光草』が群生しているのが目に入った。苔むした岩の隙間から、月光草の淡い光が視界を淡く照らしていた。


「あ、あった! ルカ、見て! こんなにたくさん咲いてるよ!」

「本当だね。すごいよ葵、一目で見つけるなんて」


弾んだ声で振り返る葵を、ルカは目を細めて愛おしそうに見つめる。

葵は嬉しそうに微笑むと、しゃがみ込んで月光草の根元に手を伸ばした。だが、少し高い岩の段差の上に生えている株を摘もうと、爪先立ちで手を伸ばしたその瞬間――。


「きゃっ……!?」


湿った苔に足元をすくわれ、葵の華奢な身体が不意にぐらりとバランスを崩した。視界の端で木漏れ日がふわりと揺らぎ、耳の奥で自分の脈が跳ねる音がした。


「葵……ッ!」


即座に背後から伸ばされた逞しい両腕。ルカが咄嗟にステップを踏み込み、倒れそうになった葵の華奢な腰を、後ろからそっと、それでいて力強く抱き留めてくれた。

ガシッと優しく包み込まれる腰元。葵の背中が、ルカの分厚くたくましい胸板へとすっぽりと密着する。腰を掴む圧は柔らかく、けれど確かに強く、魔法衣の薄い布地を通して、ルカの熱い体温が腰の輪郭へじわりと染み込んだ。指が離れる名残に、葵は自分の脈が腰の奥で小さく震えるのを感じた。


「あ……っ……ルカ……っ」


ドキン、と胸の奥で心臓が跳ね上がった。

薄手の魔法衣越しにダイレクトに伝わってくる、ルカの熱く強い体温。耳元へと吹きかかる彼の荒い吐息と、葵を心配する温かい温もりに、葵の全身が心地よい痺れに包まれる。


「大丈夫かい、葵? 怪我はない?」

「う……うん……っ! ごめんなさい、また足元を滑らせちゃって……っ」


顔を真っ赤に染め上げ、背中の温もりに身を委ねながら答える葵。ルカは葵がしっかりと体勢を整えたのを確認すると、サッと優しく手を離して一歩下がってくれた。


「葵が無事でよかった。……高いところの株は、僕が摘むよ。危ないからね」

「あ……ありがとう、ルカ……」


ルカは爽やかに微笑むと、背の高い岩の上の月光草を長い腕で軽々と摘み取り、葵の腕に抱えられた木製かごへと優しく収めてくれた。

どこまでも自分を大切に気遣ってくれるルカの紳士的な振る舞い。その優しさに触れるたび、葵の胸の奥には甘い甘いときめきが静かに積もっていった。


◇


たっぷりと薬草を摘み終えた二人は、近くを流れる清らかな小川のほとりにある大きな木製ベンチ状の倒木へと腰を下ろした。小川の流れが、二人の沈黙に混じって、かすかに鳴っていた。


「はい、葵。冷たいお水だよ」

「あ……ありがとう、ルカ」


ルカが木製の水筒の口を開け、葵へと手渡してくれる。冷たい清水が、火照った葵の喉を心地よく潤していった。

飲み終えた水筒を受け取ると、ルカは自分の魔法衣の袖を少し捲り上げ、清流の水を手で救って葵の手元へと差し出した。


「手が泥で汚れてしまったろう? 洗うといいよ」

「ふふ、ルカって本当に気が利くよね」


葵は微笑みながら、ルカの手のひらから零れ落ちる清水に両手を浸し、泥をパシャパシャと洗い流した。清水が爪の隙間を抜けるたび、火照った手のひらに冷たい心地よさが残り、その冷たさすら、ルカの指先が触れた熱を思い出させてしまう。

その際、葵の華奢な指先にルカの滑らかな指先がそっと触れ合う。ほんの少し指先が触れ合っただけなのに、まるで電気でも走ったかのように甘い痺れが葵の指先から背筋へと駆け抜けた。


「葵」

「え……?」


ふいに名前を呼ばれ、葵が顔を上げると、そこにはすぐ至近距離で葵を温かく見つめるルカの瞳があった。


「僕たちの旅は、葵がいてくれるからこんなに温かくて楽しいんだ。……いつもパーティーのために頑張ってくれて、本当にありがとう」

「ルカ……っ」


まっすぐでどこまでも優しい彼の言葉。月光草の群生よりも輝いて見える彼の爽やかな笑顔に、葵の胸が強く締め付けられる。


(ルカ……っ。こんなに優しくされたら……私……っ)


離れ離れになってしまった最愛の恋人・拓海。彼といつか絶対に再会するんだという強い愛。だが同時に、この2年間、絶望の淵にいた自分を励まし、命がけで守り続けてくれたルカの存在が、今の葵にとって代えがたい『心の拠り所』となっていることも紛れもない事実だった。


「ほーい! 二人とも、獲物がたくさん獲れたぞー!」


森の奥からギルバートの豪快な声が響き、二人は顔を見合わせてくすりと微笑み合った。


「さあ、戻ろうか葵」

「うん……っ!」


ルカは葵の重い採集かごを「僕が持つよ」と自然に抱え、葵の歩調に合わせて歩みを進めた。仲間たちの待つ場所へと戻るその背中を見つめながら、葵の胸の奥には甘く切ない愛おしさがいつまでも温かく燻り続けていた。


◇


夕暮れ時、予定通り湖畔の街道沿いにある素朴な宿場町へと到着した一行は、木造の温もりあふれる大きな宿屋へと滞在を決めた。

ギルバートたちが階下の食堂で冷たい麦酒を傾ける中、葵は二階の鍵のかかる個室へと案内され、カチャンと頑丈な鍵を閉めた。


「ふぅ……っ! 今日もたくさん歩いたなぁ……」


鍵を閉め切った部屋の中で、葵はホッと大きな息を吐き出した。

安全な個室に入ると同時に、 葵が心の中で意識を集中させると、身に纏っていた冒険者ドレス調の魔法衣が、スーッと淡い光の粒となって空気中へと霧散していった。

洗練された白磁の素肌が、窓から差し込む美しい夕映えと月光のグラデーションに濡れ、妖しく可憐に浮かび上がる。

葵は伸びやかな太ももを露わにしながら、部屋の中央に置かれた頑丈な木製ベッドへとゆっくりと身を横たえた。


さらりとした木肌の感触が、火照った白磁の背中に心地よい。

何の服も身に纏っていない解放感の中で、葵は両腕を頭の上に伸ばし、可憐な身体をくねらせて深呼吸した。


「はぁ……っ……ん……」


木製のベッドが小さく軋み、月光が葵の胸の弧をなぞる。部屋の隅で、月光が木目を撫でていた。森で摘んだ薬草の匂いが、まだ指先に残っているようだった。

月光は、何の布にも守られていない葵の身体を、遠慮なく描き出していた。窓枠から滑り込んだ銀の光が、肩から鎖骨、胸の谷間、細い腰、膝の内側へと降り注ぎ、白磁の輪郭を薄く濡らして浮かび上がらせる。月光の中の美しい肢体は、これほどまでに艶かしいのかと葵自身にもわからせるほど、静かに官能的だった。


だが、目を閉じると、今日一日の出来事が鮮烈な情景となって脳裏に蘇ってくる。

薬草摘みの際、滑りかけた自分を後ろからそっと抱き留めてくれたルカの逞しい両腕。魔法衣越しに腰へと伝わってきた、彼の熱く強い体温。清流で手を洗った時に触れ合った指先の甘い感触と、まっすぐに見つめられた優しい瞳。

そして――前日の清流で、不意の転倒によってルカの大きな右手が自分の豊満な右胸をガバッと包み込んだ、あの甘く劇的なハプニングの余韻。


「んっ……ふあ……っ……拓海……っ」


拓海以外の男性に胸を触られた衝撃と、今日一日見せられたルカの紳士的で深い情愛。


(拓海を愛しているのに……っ! なんでルカに優しくされるだけで、こんなに胸が熱くなっちゃうの……っ!?)


という罪悪感と、身体の奥底から波打つ熱く湿った情動が、葵の全身を強烈に駆け巡る。

熱い。身体の奥底がキュンキュンと甘く疼き、毛細血管が熱を帯びて白磁の素肌が桜色に染まっていく。月光が、その桜色を映して胸の膨らみ、腹のくびれ、腰の弧、膝の内側まで、一層濃く浮かび上がらせていた。

服を着ていない素肌の身体は、些細な部屋の空気が触れるだけでも敏感に反応してしまう。豊満な胸の先端、柔らかな果実の頂が、熱を帯びて愛らしく可憐に主張を始めた。


「ぁあ……っ……熱いよぉ……っ……拓海ぃ……っ!」


身体の奥底から溢れ出た情愛の火照りが、白磁の太ももの内側を温かく濡らし伝っていく。

葵は上気した瞳にポロポロと愛おしい涙を浮かべながら、震える指先を熱を帯びた可憐な自らの身体へと伸ばしていった。

その瞬間、月光が白磁の太ももの内側を渡り、肌へ向かう指先を淡く照らした。身体がわずかに震え、腹の底が熱に沈み、胸の弧が小さく揺れる。月光の中の愛しい肢体は、熱い指先を待っているかのように、静かに開いていく。

ふぅ……と甘い吐息が静かな部屋に響き、濡れた指先が熱を帯びた肌に触れた瞬間、脳裏へと激しい甘い電流が駆け抜ける。


「ひぁあっ……っ!? 拓海……っ! 逢いたいよぉ……っ! 拓海の手で……私をいっぱい抱きしめてぇ……ッ!」


最愛の拓海への変わらぬ逢いたさと、ルカから与えられた温もりの余韻がぐちゃぐちゃに混ざり合い、葵は夢中で熱を帯びた肌を小刻みに撫で続け、指先を動かした。

まずは、溢れた熱を指の腹で確かめるようにすくい、熱を帯びた肌を円を描くように撫でる。熱い感触が、指の腹から葵の腹の底へとじわじわと伝わっていく。指の腹で円を描くたびに、身体の奥がびくりと脈を打ち返す。熱い感触が指の腹から葵の腹の底へ伝い、腹の底が熱を溜めていく。葵は腰をわずかに浮かせ、木製のベッドに密着した背でその熱を受け止めた。


「んっ……んぅ……っ……」


可憐な悲鳴が喉の奥で潰れ、胸の果実が小さく揺れた。葵は震える指先で肌を優しくなぞり、奥の熱へ指を添える。すると、指の腹に触れた瞬間、身体の奥がびくりと反応し、脈打つ熱が葵の指先へ押し返してきた。

月光に濡れた身体は、胸の膨らみが脈に合わせ、腹のくびれが熱に沈み、腰の弧がわずかに浮き、膝の内側が桜色に滲み、白磁の素肌が月明かりに浮かぶ。指が肌を撫でるたび、身体が小さく揺れ、木製のベッドが小さく軋む。


「あ……っ……ルカ……っ」


口を突いて出た名は、すぐに拓海へと塗り替えられる。罪悪感が胸の奥で刺し、その分だけ身体はより熱く、より敏感に開いていく。葵は自分の指を止められず、熱を帯びた肌へ円を描き、滑らせ、優しくなぞり、また円を描いた。

ふぅ……ふぅ……と情愛に溢れる甘い吐息が響き渡り、白磁の太ももが美しく震える。柔らかな胸の果実をもう片方の手で優しく抱きかかえながら、葵は可憐な悲鳴を噛み殺して腰を跳ねさせた。指先が肌を滑らせるたび、木製のベッドが小さく震え、葵の爪先が伸び縮んだ。

木製のベッドが、そのたびに小さく軋む。月光が視界の端で揺らぎ、森の葉擦れの音まで遠くで鳴っているようだった。指が肌を擦るたび、熱い摩擦が脈を呼び、脈が熱を濃くしていく。視界が白く滲み、月光も木製のベッドも遠のいていく。


「あぁっ……んんッ……!! 拓海ぃ……ッ!!」


最愛の人の名を狂おしく絶叫しながら、葵は全身を激しく痺れさせ、涙と情愛の火照りにまみれながら甘く激しい胸の高鳴りの果てへと昇りつめていった。


絶頂のあと、葵はしばらく膝を止められず、月光に濡れた白磁の胸が、名残の熱で小さく揺れ続けた。月光に濡れた身体は、まだ熱の余波で小さく脈打っていた。胸の弧は低くくぼみ、腹のくびれは熱に沈み、膝の内側は汗と涙で光っている。拓海の名を呼んだ自分の声が、まだ喉の奥に残っている。木製のベッドに沈んだ背中に、月光の冷たさが戻ってきて、火照った肌をゆっくりと冷ましていく。


第11話をお読みいただきありがとうございました!

今回は、湖畔の美都ルテティアを目指す旅路での薬草採取、ルカのどこまでも紳士的で甘いサポート、そして宿屋の個室で迎える全裸就寝と胸を焦がす情熱的な一人夜をお届けいたしました。

拓海への変わらぬ愛と、ルカへの芽生えつつある情愛の間で揺れ動く葵の可憐な心を丁寧に紡いでまいります!

引き続き、ブックマークや評価、感想などで応援していただくと執筆の大きな励みになります!

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