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この星の質量  作者: ルビリンス


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96/107

向こう側のモメント

挿絵(By みてみん)


ゆっくりと成長し

ゆっくりと移動する

雲の塊を目で追えば


体内で刻まれる時間も

ズレてゆく


大気中の微粒子が

光を反射して

青く見える空


そこにあるのに、ない

青い空を上昇し続ける

ここにあるのに、ない

空想の世界で


成層圏を抜けて

カーマンラインを越え

真っ暗な宇宙空間へ

光届かぬ

彼方へ


気づけば


眺めているのは

ベランダの白いシャツ

そよ風に揺れている


どうやら

向こう側のモメントから

無事に帰還したようだ


闇の奥にあった

仄明るいあれは

何だったのだろう

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