前へ目次 次へ 73/85 亜空間の雨 雨に閉ざされた午後 静寂の音だけが響く ひとりきりの部屋 亜空間の囚われ人は 囚われない夢をみる たとえば 雨雲に覆われた 湿った白い森の中 透明の人影が 遭遇したのは 赤い花 散らない椿が 紅色鮮やかに 雨粒を弾いて 宙に佇んでいた 花から落ちた雨粒は 一つ一つが玻璃の玉 囚われ人の脳内で 木霊のように 響き合う 不思議な夢が 終わるのは 雨が静かに 止んだあと 亜空間から 再びここへ 放免されて 戻ったあと ~~~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~~~~