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縁結びの神様が乙女な恋を応援したいと仰るので、神様の助手は乙女の為に恋愛成就に奮闘する  作者: 文月みい


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3/3

神様の助手の助手



「とても、ふざけた手紙だったわ。魔物が出るなんて聞いてない。遭遇したら死ぬしかないじゃない。ここは、一体どんな世界なの…。」


 神様の手紙で分かったことは、魔物が出ることと、魔法のない世界ということ。

 そして、主人公たちの好感度がMAXスタートということ。


「それよりも、肝心の名前が分からないのだけど、一体誰を助けたらいいのよ。」


 部屋の中で、途方に暮れる。

 

 神様が大雑把過ぎて、助手としては苦労する。


「そういえば、もう一人助手が居るって書いてあったな。あちらから接触してくると書かれていたけど、どんな人だろう。」


 まだ、接触がないと言うことは、家族や使用人とは違う人なのかもしれない。

 どこに行けば、助手の助手に会えるのか悩んだ末、まずは入学式への参加を優先することにした。


 縁を結ぶ二人は、学生だと思うので、学校へ行けば会える可能性が高い。

 助手も必要だけど、彼や彼女に会って現状を確認しないと、お助けキャラとして何が必要か分からない。

 それに、私に出来ることがあるなら、頑張ってハッピーエンドを迎えたい。


「好き同士なのに、結ばれないなんて悲しすぎる。」


 神様は、簡単な二人だと言っていたので、一番難易度が低い二人なのだろう。

 恋愛初心者の私でも、流石に両想いの二人をバッドエンドにする失敗はしないと思う。


「さっきまで、責任の重さに押し潰されそうだったけど、最初は楽勝かも。少し安心した。はぁ、良かった、良かった。」


 神様からの手紙を丁寧に封筒の中へ戻すと、扉をノックする音が聞こえた。


「お嬢様、そろそろ出発しないと入学式に遅れてしまいます。」


(メイの声だ。)


 手紙を読むために、部屋を出てもらったが、そろそろ時間が迫ってきて、急いで声を掛けに来たようだ。


「わかったわ。今行きます。」


 私は、新品の上着に袖を通して、そのまま部屋を後にした。





♢♢♢♢♢♢♢♢♢♢




(乙女ゲームだから馬車なの?)


 玄関を出ると、そこには立派な馬車が用意されていて、戸惑う私を乗せて学校へと動き出す。


 初めての馬車は不安だったけど、思ったよりも快適で、お尻も全然痛くならなかった。




「お嬢様、王立学園へ到着しました。」


 馬車の扉が開いて、従者が手を差し出す。その手に掴まり、ゆっくりと馬車から降りれば、そこに広がるのは桜並木。

 遠くの方に、校舎らしき建物が見えるが、そこまでの道には、風が吹く度に、桜の花びらが舞い、とても幻想的で綺麗だった。


「校舎まで遠くない?どれだけ広いのこの学校……。」


「王国一の学園なので、広さも国一番ですよ。」


 メイが得意そうに説明してくれる。


「そうなんだ。それより、メイに確認したいことがあるのだけど、私は新入生でいいのかな?」


 今更ながらの質問に、メイも驚いて表情が引きつる。


「お嬢様、どうされたのですか?もしかして、緊張してます?大丈夫ですか?勿論、お嬢様は、今年から学園に入学するので、新入生になりますよ。」


「そうだよね。そうじゃないかと思ってたの。念のための確認よ。」


 笑って誤魔化しつつ、人が多く集まる場所を目指す。

 すると、「新入生は、こちらです。」という、呼び声が聞こえてきた。


「メイ、新入生はあっちに集合みたいだから、私も行ってくるね。」


 メイに一旦、別れを告げて、新入生の集合場所へと急ぐ。


(この中に、縁を結ぶはずの男女が居るんだよね。手紙の二人もいるかな。)


 キョロキョロと周囲を見渡し確認するが、手紙の二人が誰かも、助手の助手が誰なのかも分からなかった。


「こんなに、分からないことばかりで、お助けキャラとして、やっていけるのかしら。」


 ふと、弱音を吐くと、私の言葉に明らかに反応した人が一人。


「今…きみ…、何て言った?」


 目の前の男の人と、バッチリと目が合った。


「あっ…えっと…」


 正体がバレてはいけないと言われたので、何て返事をしようか困っていると、彼の口から待ち望んでいた言葉が聞こえた。


「君が、神様の助手さん?僕も助手なんだ。君と会うように言われて探してたんだ。」


 安心したように、ほっとした顔で笑顔になる助手の助手さん。


「あっ、私も…、探してました。」


 まさかの男性の助手に、緊張で心臓がドキドキとうるさい。


「神様から、君の手伝いをするように言われていて、詳細説明も任されているんだ。それで、取り敢えず、今は入学式に参加して、終わったら話したい。時間いいかな?」


「それで、大丈夫です。」


 優しそうな笑顔に、恥ずかしくて直視できず、視線を逸らして何とか返事をする。


「良かった。それじゃあ、新入生同士よろしくね。みんな移動してるから、僕達も行こう。」


 私は頷いて、そのまま彼の後ろを着いていく。


 私は気づいてしまった。


 私は、とんでもない人見知りで、人と話すのが苦手で、特に異性とは会話したことも殆ど無いような人だった。


 

(これは、お助けキャラの前に、人見知りの私自身を助けて欲しい。)


 神様の助手の助手さんとの会話に、間に入る誰かが欲しいと神様に願ってみたが、案の定、反応は無かった。





ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


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