音響 どマニア
映研のサークル部室に、いつものようにOBが乱入してきた
なんでも、サウンド・エンジニアとかいう仕事をしているらしい
クラシック音楽で30人くらいが演奏しているのを聴いて
どのバイオリンが演奏ミスをしたとか
どのチェロが楽譜通りに演奏しなかったとか
打楽器を担当している人のリズムが何分の何拍子ズレたとか
とにかく、そんな細かい所まで普通の人は聴きとらないだろう
ってな音まで聴き取れるらしい
というか、それくらいじゃないと駄目なそうだ。
今回、近くで映画ロケをする音声だか音響効果だかの仕事を受け
ワザワザ、この俺様が普段、仕事もして暮らしている横浜から
来てやって、御前等みたいなのを相手にしてやるからな、有りがたく想え
って感じの、上から目線な感じで
自分の当たり前な日常を語りに、やってきた。
まずは、何を語るのかなーと思えば
飯田橋だかにある音響スタジオだかの話
偉大な世界的ロックバンドをプロデュースした
プロデューサー様が設計した音楽スタジオの音響効果とか
コンソールだかの使い方とか
同じロックバンドのレコーディング・エンジニアをしていた人が
開発協力した機材の使い方とか
いかに自分が、それらの設備の使い方が上手で
ナントカとかいう映画の音響効果は完璧で
それに比べて下手くそな人間が同じ設備を使って
失敗している例をあげつらねての悪口
素人な人の耳でも理解できるくらいに
ザラザラしたノイズ・キャンセルすら失敗している
同じ仕事をしていて、奴には仕事へのプライドが無い
これくらいのレベルの仕事をしないと
自分のプライドが許せない とか
あんな、いいかげんな仕事をするなんて
恥だとか、恥ずかしいとか思わないのかな とか
といった
まあ、嫌だ。なんて恥ずかしい。
あんなのを自分のやった仕事として残すなんて
私だったらプライドってものが許せないザンス
てな感じで同業者の悪口を語り
映研で大学祭で上映した自主製作映画で
音響効果、音楽を全部やった
絶対音感と絶対リズム感だかがある人に
こういう基本を守らないと駄目だの
やっぱ、こういう几帳面な音響エフェクトが
最近の流行で耳に馴染んでいる人が多いだのと
音響効果とか劇伴に、あまり興味が無い自分とかには
何を言っているのか理解できない事ばかりを語っている
んで、帰り際、誰でも使えそうで無料ダウンロードできる
音響効果エフェクトのフリーソフト
音響フリー素材を公開しているWEBサイト
として自分が仕事の合間にボランティアというか
趣味で製作したフリーソフトや音響素材を公開している
WEBサイトの宣伝をして帰っていった。
その日の飲み会は
そのOBの俺様な態度が嫌いな数人の人が
そのWEBサイトをスマホでチェックしての
悪口大会につきあわされる飲み会となった。




