表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死ぬ前に君の笑顔が見たい  作者: 大木戸いずみ
14/74

14.朝とブレナン

私は家に帰るなり、使用人にウマを渡して、部屋へと直行する。

 ブレナンが「おい!」と私に声を掛けたが、無視する。私は駆け足で部屋に飛び込んだ。

 勢いよく扉を閉めて、その場に崩れる。


「やっっば!! 何あのイケメン! この家族以外の美形に慣れてなさすぎる!」


 私は今日見たセオドアとレイのことを思い出していた。

 セオドアは正直エミリーと幸せになって下さいって思っているけど、レイが私の心臓に悪い。

 私もオッドアイが良かったな。……まぁ、放火されたって共通点があるからいっか!


 レイはどれだけの名声や地位、栄光を手にしても決して喜ぶ姿を見せなかった。一度も彼の笑った姿を見たことがない。沢山の者たちが彼の笑顔を見ようと試みたが、セオドアの前ですら一度も笑顔を見せなった。

 小説内ではあまり彼の話は描かれていなかったが、レイは私が想像できないくらい壮絶な人生を歩んでいる。

 ……せめて死ぬ前に彼の笑顔だけでも見たいなぁ。きっと笑った顔は直視できないくらいに眩しいんだろうな。

 サングラスが必要だね。


「笑わせてみるか」


 私はその場で勢いよく立ち上がる。

 笑わぬなら、笑わせてみよう、レイ・アシュビー!!

 そうと決まれば、作戦を練らないとね。とりあえず、彼に会うところから始めないと……。

 私は机に向かって、紙にレイ・アシュビーを笑顔にする計画を書き始めた。



 コンコンッと扉を叩く音が聞こえる。その音で目が覚める。


「お嬢様、ナタリーです」

「なぁあに~?」


 まだ寝起きで頭が回転しておらずあくびをしながら答える。両手を上に挙げて、グッと背筋を伸ばす。


「それが、ブレナンお坊ちゃまがお話があると」


 少し言い辛そうなナタリーの声。

 ……ブレナン? 彼が一体私に何の用があるのよ。今まで彼が私と話そうとすることなんて一度もなかった。

 どういう風の吹き回し?


「分かったぁ~。すぐ行くって言っておいて~」


 私はそのままベッドにもう一度寝ころぶ。朝はゆっくりしたい。ふかふかの枕は最高だ。


「あの、それが、今ここにいらしゃっられて」


 ……は? この扉の向こうにブレナンがいるの!?

 一気に眠気が吹き飛ぶ。私は凄まじいスピードでベッドから飛び出し、扉を開ける。

 あ、パジャマのままなの忘れていた。……まぁ、いいよね、兄弟なんだし。


「お前、そのまま出てくるなよ」


 ブレナンは眉間に皺を寄せて、呆れた表情で私を見る。ナタリーも「お嬢様、その格好のままは」と声を発する。

 しょうがないじゃない。ブレナンが部屋の前にいるなんて、落ち着かなくて着替えている暇もない。


「なんの用?」

「昨日、父や姉と会っただろ?」

「ええ。……それがどうしたの?」


 ブレナンの表情が急に険しくなる。……私に怒っているのかしら?


「一体何があった? 帰宅した時のあの二人の顔が暗かった。……原因はお前しか考えられないだろ。一体何を言ったんだ?」

「特に話すようなことではないわよ」


 私は笑顔で応える。朝から重い空気で過ごしたくない。

 まぁ、もうすでに折角の朝が台無しだけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ