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63話 日本は一応平和です


 1940年3月 東京 秩父宮邸



【フィンランドの守りの要、マンネルヘイム線いまだ破られず!】



 ほえー、フィンランド軍はマンネルヘイム線で、まだソ連赤軍を相手にして頑強に抵抗を続けているのか。

 史実ではマンネルヘイム線って、ソ連赤軍が犠牲を厭わずにがむしゃらに攻めて突破されていたはずでしたよね?


 違ったかな?



【フィンランド外交団がモスクワ入り! ソ連との停戦交渉か?】



 どうやら冬戦争は、ほぼ史実と同じ時期に停戦できるみたいですね。

 おそらくはもう既に、落としどころは決まっているのでしょうね。






 3月13日



【ソ・芬の間でモスクワ講和条約が発効!】



 これで、冬戦争は完全に終結しましたか。

 講和条約の内容はといいますと、なになに……



【マンネルヘイム線を新たな国境とし、カレリア地峡南部をソ連に割譲することで講和に合意した。また、フィンランド湾の島嶼とフィンランド東部のサッラ、北部のリューチバ半島もソ連へと割譲されることになった。

しかしこの合意によって、フィンランド第二の都市であるヴィープリと、ラドガ湖の北にある街ソルタヴァラは守られた】



 んん? ちょっと待て。なんかおかしいぞ?


 ヴィープリやソルタヴァラって史実では、冬戦争の講和でソ連に割譲されてたはずだよね。

 あと、フィンランド南部のハンコ半島とかいう場所も、ソ連の租借地として借り上げられていた気がしましたね。


 これはアレかな? 史実では突破されたはずのマンネルヘイム線が突破されなかったのが、割譲する地域を縮小させる結果へと、きっと結びついたのでしょう。


 ムーミンたちも大活躍でしたし、我が国から自主的にフィンランドへと渡った少数の旅行者も、義勇兵となってソ連を相手に活躍したみたいです。

 少数とはいっても、千人以上の規模とか、お父様から聞き及びましたけど。


 千人以上の規模。それって少数と呼べるのか? それは疑問の余地はありますが。

 でもまあ、フィンランドの参加兵力の0.5%未満なのですから、全体では少数なのだと言い張ることは可能でしょう。


 たとえ、戦闘機の約半数近くが日本製の九八式戦闘機であったとしても。

 そして、そのパイロットが日本人であったとしても。


 フィンランド軍の戦車の七割が日本製の戦車であったとしても。

 そして、その戦車を操縦する兵の半数近くが日本人であったとしても……


 全てのフィンランド軍の中では、0.5%未満なんです!


 国際社会に於いては、詭弁でも強弁でも言い張ることに意味があるのですよ。

 戦車や戦闘機には日本の国旗である、日の丸のマークも付いてませんしね。青色の鉤十字であるスワスティカのマークは、誰がなんと言ってもフィンランド軍なのですから!


 未来の欧米各国では、幸運のシンボルマークであるはずの鉤十字が公共の場で禁止だなんて、無体な気がしないでもない。

 まあ、全部、ナチスのせいなんですがね。


 でも、ヒンドゥー教や仏教の卍までナチスのハーケンクロイツと一緒くたに混同するのは、反ナチスで感情的になって目が腐っていると思いますので、そんな症状が出る人は精神科と眼科に行くことをお勧めします。


 しかしフィンランドは、史実よりもかなりマシな条件でソ連と講和できたのだから、日本も義勇兵をフィンランドへと派遣した甲斐があったというものですね。

 良きことかな良きことかな。






 3月22日



【フランス内閣総辞職! ダラディエ閣僚評議会議長(首相)が辞任!】



 戦争中のドイツと陸続きで国境を接していて、ましてや、もうすぐドイツ軍が押し寄せて来るというのに、フランスは一体全体ナニをやっているのでしょうか?

 これはアレかな? フランスはマジノ線を過信しすぎている気がしますね。


 やはりマジノ線には、フランス人を惹きつけるナニかがあるみたいですね。きっと、その魅力には抗えないのでしょう。

 まあ、私だったら、モンサンミシェルでも眺めながら、優雅に昼食でもいただきたいところですが。


 これはアレかな? マジノ線からフランス人を魅了する魔力でも放出されているのかも知れませんね。

 私が、「ドイツ軍はアルデンヌの森を突破してくるぞ!」とか言っても、フランス人には信じてもらえなさそうな気配がプンプンと漂っていますね。


 まあ、そう私が言ったとしても、小娘の戯言と一蹴されるのがオチですしね。

 また、日本人の子供が言った言葉でフランス軍が動きでもすれば、それはそれで危ういモノを感じさせますので、静観するしかなさそうですね……


 多少は歯痒くも感じるのですけど、こればかりはどうしようもありません。

 でも、一応はフランスに警告はしておいてあげましょうかね?


 ほぼ確実に訪れるであろう未来を知っているのに、黙って見過ごすのもそれはそれで目覚めが悪いですしね。

 まあ、私のエクスキューズといいますか、心の安寧のための言い訳なのかも知れませんけれども。


 与えた情報をどう活用するかは、ガムランのお爺ちゃんに任せましょう。

 私もそこまでは責任を持てませんので。


 でもおそらくは、史実とたいして変わらない結果が待ち受けていそうな予感がします。


 あと出来ることといえば、再度オランダに中立を宣言させることぐらいでしょうか?

 道路さんは再度中立を宣言したとしても、ドイツとフランス双方から無視されるでしょうけど、オランダの中立は一縷の望みがあるような気もしますしね。


 しかし、今次対戦は航空機の性能が発達してしまったから、第一次世界大戦の時みたいにオランダが中立を保つのは無理があるのかもしれません。

 ドイツ本国とブリテン島の間に、オランダという国はあるんですよね。


 ちょうど爆撃機の通り道だったよ…… なんという運の無い立地条件なのでしょうか。

 でもまあ、ベルギーやルクセンブルクよりかは、まだマシなのかな?


 残念ながらも、オランダの中立維持は難しそうな気配が濃厚でしたね。



【フランスのダラディエ内閣は、冬戦争でフィンランドを支援できなかったことで求心力が弱まり、議会や世間からの批判にさらされていたのを受けて、その責任を取る形で内閣総辞職となった模様】



 そういえば、黄色作戦の時にはダラディエって、もう既に首相の座を降りていたのでしたね。ドイツとの戦争の真っ最中なのに、なんでダラディエが辞めたんだろう?

 そう不思議に思っていたのですけど、冬戦争でフィンランドを支援できずに、フィンランドがソ連に敗北したのが原因でしたか。


 まあ、冬戦争の実質的な勝者はフィンランドの気がしないでもないのですけど、最終的にはモスクワ講和条約でフィンランドは領土を削られてしまったのだから、戦略的にはフィンランドの敗北で合っているんだよね?

 でもやっぱり、冬戦争の勝者はフィンランドの気がしないでもありません。


 小国には小国なりに、生き延びる知恵というのがあるのですよ。


 しかし、その割には、フィンランド以外のヨーロッパの小国は、大国列強の軍靴で蹂躙されてしまったような気もしましたが。

 そう考えると、難易度ルナティックであったはずのフィンランドが、曲がりなりにも生き延びられたのって、凄いことだと思わずにはいられません。


 まあ、ルクセンブルクやバルト三国よりは、難易度低めだとは思いますがね!


 しかしまあ、欧州では戦争が続いていますけど、なんといいますか日本は一応は平和なのだから、一安心といったところです。

 そう考えると、日本は大陸国家ではなくて島国で助かったのかな? 現在日本が保持している大陸の土地も元々は日本のモノではありませんし、いずれは手放さなければならない日も訪れるでしょうしね。


 つまり、小日本主義万歳!


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