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宮様にTS転生したけど、第二次大戦が目前の日本で既に詰んでる気がする…… 作者:うるめいわし
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56話 桜子ですけど、どうしてこうなった?


 1939年9月20日 東京 秩父宮邸


【ノモンハン事件終結する! ソ連、モンゴルと停戦に合意! 日本の要求が通り、満蒙国境は戦闘発生以前のハルハ川が国境線に確定!】


 ふぅ~、ノモンハン事件がようやく終わりましたか。一時期は、どうなることかとヒヤヒヤとしましたけど、ハルハ川が満蒙の国境線として確定したみたいで、よかったよかった。でも、モンゴルさんは不貞腐れているのだろうなぁ。
 でも、諦めてください。人間、時には諦めも肝心ですよ?

 これで、来年のオリンピックは開催できそうですね。できるよね……? 中止にでもなったら、ウラジオストックを艦砲射撃してやるんだから!
 え? ソビエトは関係ないですって? 時には、八つ当たりも必要なんですよ! つまり、日本からはドイツが遠すぎるんや……


【北樺太、満州最北西部等交換条約を調印!】


 なるほど。ソ連が北樺太を取られたままなのに、矛を収めた理由はこれでしたか。なになに…… 呼倫湖の西側をモンゴルに、アムール川支流のナントカ川の北側をソ連に割譲とな?
 それと、アムール川とウスリー川の合流地点から、10km満ソ国境線を後退?

 満州が一方的に領土を削られているような気がするのですけど、愛新覚羅溥儀さんは怒らないのでしょうかね?
 まあ、怒ったとしても、日本の傀儡なのだから、どうにかこうにか宥めすかすのでしょうけれども。



 9月21日


【領土を削られた満州国には、一億円の経済援助と承徳地方の返還で合意!】


 あー、そう来るのか。飴と鞭の飴の部分がこれでしたか。満州の皇帝陛下や、その取り巻き連中とかは、一億円の経済援助に目が眩んでしまったようですね。一億円の内、二割か三割は宮中での浪費に消えてしまいそうですもんね……

 承徳地方って、熱河省の南部のことかな? 日本が満州から分離して統治していたのでしたか。承徳は、中国との国境で重要な場所だったから、日本軍が居座っていたのかも知れませんね。
 そういえば、hoiのイベントでもありましたね。バニラかMODかまでは忘れましたけど、シリンホトやらエレンホトの日本への割譲とかなんとかが。

 ちなみに、漢字で書きますと、シリンホトは錫林浩特で、エレンホトが二連浩特と書きます。この辺りは、満州ではなくて、内蒙古のような気がするのですけど、満州も領有権を主張しているので、満州に割譲するのでしょうね。
 日本も、他人の土地だからといって、やりたい放題のような気がしないでもありません。

 しかし、その辺りの地方を纏めて満州に返還すれば、一億円の経済援助と併せて、満州も渋々ながらも、最北部や最北西部のソ連やモンゴルへの割譲を納得したのかも知れませんね。
 実質的には、領土交換みたいなモノですしね。



 9月22日


【中華民国が満州国の承認と、関東州の領有権を放棄!】


 は……?

 なんだ、この展開は?
 こんなの史実では、完全になかったはずでしたよね? これはアレかな? 日中戦争が起こってなくて、ノモンハンでソ連軍がコテンパに撃破されたのを見て、蒋介石の態度が弱気へと変化したのでしょうか?

 それでも、よくもまあ、蒋ちゃんが満州国の承認と遼東半島の領有を放棄したよな。これは、もしかしたら、奉天閥の張学良への当て付けもある気がしますね。
 それに、租借地とはいっても、租界と違って家賃収入もありませんし、99年間は帰ってこないのだから、放棄しても問題ないと踏んだのかも知れません。

 元々、万里の長城の外側の更に山海関の外側ですので、化外の民の地、北狄の住む地とか呼ばれていた土地ですので、いくら清国を引き継いだのが中華民国とはいっても、漢民族には、思い入れもない土地だから簡単に手放したのでしょうか?
 それと、清を興した満州人への反発もあるのかも知れませんね。漢民族は満州人との同化が進む前は、満州人の風下に立たされていたのですから。

 あと、日本と満州が隙を見せたら、実力で満州を奪え返せると思っている可能性もありますよね。中国人は長いスパンで物事を考えますので、百年後でもいいやぐらいの気持ちなのかな?

 だがしかし!

 満州は、漢民族の土地ではありませんので、漢民族のみなさんには残念ですけど、差し上げられませんのであしからず。ごめんあそばせ。おほほほほ。満州は日本の生命線なのですから。
 その割には、最近まで赤字垂れ流しだったけどさ。でも、いま現在は違います。油田開発も順調ですし、石炭や鉄鉱石、大豆などの食料の生産も順調なので、満州は金のなる木に変貌したのですから!

 しかしこれで、益々、満州から手を引けなくなってしまったではありませんか…… まあ、満州への入植は大陸浪人と呼ばれる、日本本土からあぶれた鼻つまみ者以外はほとんど入植してないのですがね。
 重工業関係者は多数、満州へと渡っていますけど。あと、欧州から逃れてきたユダヤ人とかを活用しています。

 どうでもいいけど、この世界線では、西安事件って発生していたのでしょうか?
 なんか、発生してなさそうな気がするのですけど? 西安発生していたら、国共合作で排日暴動や抗日運動が激化して、盧溝橋事件からそのまま日中戦争へと、雪崩れ込んでいた可能性が高かったと思いますし。

 もっとも、日本の方も暴走しそうな連中は先に排除してましたので、西安事件があってもなくても歴史は変わっていたのでしたか。


【満州国の承認と、関東州を放棄した中華民国への見返りとして、山海関以西からの撤兵と、重慶、蘇州、その他未開設の租界地の返還と、一億円の経済援助で合意!】


 ふむふむ。そういう裏がありましたか。つまり、蒋介石は一億円プラスアルファで、遼東半島を売ったも同然でしたか。
 つまり、重慶と蘇州の日本租界の廃止と、日本軍の山海関以西からの撤兵ということは、冀東防共自治政府とかいう日本の傀儡政権は解体して、国民党政府の傘下に納まるということでしょうかね?

 でも、蒋介石が失脚したら、未来の中国の歴史教科書に、一億円で満州と遼東半島を売り渡した売国奴とか書かれそうな気がしないでもない。


【遼東半島の関東州と、朝鮮ソ連国境の豆満江西側を満州国へと編入!】


 なるほど。蒋介石が遼東半島を放棄したのが、ここに繋がるのでしたか。満州の最北部や最北西部の一部を失う代償が、関東州の満州への編入ということでしたか。
 それ以外にも、一億円の経済援助や承徳地方の返還などもありますしね。

 大連は魅力的な国際貿易港ですし、満州も自前の税収で潤いそうな気がしますね。これは、不毛の大地を手放したとしても、満州にとっては、十分にお釣りがくる交換条件だったのではないでしょうか?
 逆に言えば、日本がよくもまあ、関東州の利権を手放したとも取れるのかも知れません。

 それと、豆満江西側を満州に編入したのは、朝鮮とソ連との間で国境を接していた部分に、満州国を割り込ませて、日本とソ連とが地上で国境を接する部分を無くしたかったのでしょうか?
 豆満江の西側とは、羅津の辺りまででしょうかね?

 豆満江の西側に関しては、詳しい解説が書いてありますね。なになに……

【豆満江西側は、満州国が存続する限りにおいて、満州国に編入するものとする。満州国が存続していない場合には、豆満江西側地域は朝鮮へと返還する。】

 うーん、つまり、満州国が滅んでしまったら、この編入は無効という意味でしょうかね? 満州国の後継国家への引き継ぎは認めないと。例えば、中華民国や中華人民共和国には、日本海側の出口は渡さないという文脈に取れるのです。
 一種の租借地みたいなモノなのかも知れませんね。日本の方が満州の宗主国ですから、面子とかの問題で満州に豆満江を租借させるとは書けなかったから、こういった文面になったような気がしますね。まあ、本当のところは知らんけど。

 でもまあ、清国もロシアとの条約によって、日本海側の出口を失ったのですから、満州国に日本海側の出口を作ってあげたというのが正解なのかな?
 本音は、ソ連との緩衝地帯として、満州を利用したかったのかも知れませんが。

 豆満江西側の地域は、細い回廊なのだから、日本を怒らせてしまえば、直ぐに締め上げられてしまいますので、生殺与奪権は日本に握られたままというのが、味噌ですよね。
 でも、未来での火種にならなければいいのですけど、あえて火種が残るようにしている気がしないでもない。

 今回の一連の出来事を纏めると、


   日本 →  一億円 → 満州
      →  一億円 → 中華民国
      →  関東州 → 満州
      →  豆満江 → 満州
      → 承徳地方 → 満州
      → 租界返還 → 中華民国
      → 冀東自治 → 中華民国

   満州 →   北部 → ソ連
      →  北西部 → モンゴル

   ソ連 →  北樺太 → 日本

 モンゴル → ハルハ川東岸 → 満州

 中華民国 → 関東州放棄 → 日本 → 満州


 こんな感じでしょうか?

 日本の持ち出しが多い気もしますけど、北樺太には、それだけの価値があるということですよね! 私以外は、まだあまり気付いてないと思いますけど、これはお得な買い物ができた気がします。
 それに、大陸の土地は、元々日本のモノですらなかったのですから、実質的には、二億円で、北樺太を手に入れたようなものなのかな?

 見た目上は、誰も損してないように思えるような気がしないでもないから、この話が纏まったのかも知れませんね。

 日本は、北樺太を編入できて万歳! 満州は、承徳地方の返還と一億円と関東州と豆満江をもらえて万歳! 中華民国は、租界の返還と山海関以西から日本の撤退と一億円で万歳!
 ソ連は、満州最北部の編入+日本との密約による、東トルキスタンにおける優越権で万歳! モンゴルも、ハルハ川東岸は失ったものの、呼倫湖の西側を編入できて万歳!

 うん、誰も損はしてない。 ……ように思える。たぶん、きっと、めいびー。

 落としどころとしては、これ以上ない上出来な、落としどころだと思います。
 日本にとっては、ですけど。

実際には中華民国が満州国を承認するなんてあり得なさそうな気がするw
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