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宮様にTS転生したけど、第二次大戦が目前の日本で既に詰んでる気がする…… 作者:うるめいわし
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16話 メリーの故郷

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 1937年5月 イギリス ポーツマス


 東京湾からバシー海峡を抜けて南シナ海を南下してシンガポールへ。マラッカ海峡を抜けてインド洋へと入り、セイロン島のコロンボへ。コロンボからインド洋を西へと進み、アラビア半島とアフリカ大陸の隙間から、紅海へと入って一路スエズへ。
 スエズ運河を抜けて地中海へと入り、エジプトのアレキサンドリアに入港。地中海を西に進んで、ジブラルタル海峡を抜けて大西洋へ。イベリア半島を右手に見ながら北上し、ビスケー湾の外縁部を横断。
 ブルターニュ半島を右手に見ながら、チャネルアプローチに突入してイギリス海峡へ進入。チャンネルじゃないよ? チャネル諸島へのアプローチだから、チャネルアプローチと呼ぶのです。

 ここで、ロイヤルネイビーのお出迎えです。エスコートしてくれるのは、アリシューザ級軽巡洋艦のネームシップでもある、HMS アリシューザであります。
 条約型で5200トン級の新鋭軽巡洋艦です。まだ出来立てほやほやの新しい感じが見受けられる船ですね。

 まあ、お付きの侍従武官からの受け売りなんですがね!

 私の知識では、ロイヤルネイビーの艦艇までは詳しくは網羅してませんので。そこまでヘビーな軍オタでもなかったしね。ライトからミドルに片足を突っ込んでいた自覚は多少なりともあるけどさ。
 でも、知っているのは、精々が戦艦と空母の名前ぐらいしか覚えてませんので、可愛いものですよね?

 それで、HMS アリシューザにエスコートされながら、ワイト島を左手に見つつ、ロイヤルネイビーの軍楽隊が奏でる、軍艦マーチに誘われてポーツマスに入港です!
 軍艦マーチはテンション上がるよね! 個人的には、威風堂々も好きなんだけどね。

 あー、でも、一番好きなのはカメラーデンかなぁ? でも、パンツァーリートも捨てがたいなぁ。あと、バーデンヴァイラー行進曲も好きだし、当然だけど、ラインの護りとかエリカも好きだし、リリー・マルレーンは哀愁を誘うよね。
 一番を選ぶのは悩むな。つまり、ドイツの軍歌は最高やでぇ。
 主義主張の良し悪しはともかく、ナチスの音楽も良いものがあるよね。ホルスト・ヴェッセルなんかも曲は良いと思うし。ドイツ語は分からないから、歌詞の内容までは知らん。
 まあ、音楽には人を惹き付けるナニかがあるってことだ。だから、戦後のドイツでナチスの曲が禁止になったのも仕方がないのかも知れない。ナチスに共感でもされたら困るもんね。

 それはそうと、

 ポーツマスはポーツマスでも、日露戦争の講和条約が結ばれたポーツマスではありませんよ? あっちは、アメリカのポーツマスですから。恥ずかしながら、前世での私は暫らく勘違いしていました……

 地球を半周、2万km以上の距離を二ヶ月近く掛けての航海で、やっとこさ到着です。

 本当に長かった……

 まあ、経済的な14ノットでの航行でしたし、途中の寄港地で一泊や二泊とかしたりしているから、余計に時間が掛かっているのだけどね。

 地中海の途中までは、日本船籍の貨物船が随伴していたのですけど、スペインの近海で進路を陸の方へと向けたみたいでしたが、一体なんだったんでしょうね?
 偶然にもスペインでは、内戦が絶賛開催中ですので、なにかを売りにでも行ったのでしょうかね? いやー、偶然だとしても商売のチャンスを逃したらもったいないですしね。貧乏な大日本帝国は、商魂逞しく生きてます!

 たとえ、貨物船の積荷の中身が中古の三八式歩兵銃と、それに付随する銃弾であったとしても、銃それ自体は人を撃たないのです。いつの時代も、引き鉄を弾くのは人を撃つのは同じ人である。そんなロジックの元に、純粋な経済活動をしていたとかなんとか。
 きっと、アメリカのライフル協会も、お墨付きを与えてくれること請け合い、間違いなしだと思います。

 しかし、共和派とフランコの国粋派、どっちの陣営に武器が渡ったのでしょう?
 まあ、些細なことでしたね。

 それにしても、長かった……

 未来では、ジェット旅客機で半日しか掛からないから余計にそう思えてきます。
 もっとも、シベリア鉄道を使えば、一月掛からず欧州に行けたみたいなのですが、今回のイギリスへの訪問の目的には、軍艦が必須条件だったのです。

 ですがついに、


「やってきましたグレートブリテン! メリーの故郷イギリスです!」


 前世ではイギリスには行ったことがなかったので、ワクワクが止まりません。

 略奪、墓泥棒博物館とも揶揄されている、大英博物館を見学するのが楽しみですね!
 あと、本場のパブでフィッシュアンドチップスも食べてみたいと思います。

 でも、ハギスとウナギゼリーは勘弁な。


「藤宮様、メリーとは誰なのです?」

「さぁ? なんとなく語感だけで言ってみた」


 ジョンブルやアンクルサムみたいなモノですよ多分。知らんけど。

 それはさておき、

 エドワードじゃなくて、ジョージ6世イギリス国王の戴冠式とジョージ6世戴冠記念観艦式に、お父様とお母様が天皇陛下の名代として出席するため、二人の娘である私も同伴したということです。
 ジョージ6世戴冠記念観艦式。これがあるから、わざわざ日本から地球の裏側まで軍艦を運んで来たんだよね。

 それで、私たちは何に乗ってイギリスまでやってきたのかって?

 史実で観艦式に参加した、妙高型重巡洋艦の足柄だと思った?

 ブブッー!

 残念! これがまた違うんだなぁ。

 正解は…… コマーシャルの後でじゃなくて、





 IJN 比叡

 インペリアル ジャパニーズ ネイビー バトルクルーザー コンゴウクラス ヒエイ。
 正式名称は、大日本帝国海軍所属、金剛型巡洋戦艦、二番艦、比叡。
 これが、正式名称のはずです。多分だけど。

 やっぱ、戦艦は格好良いよね! 浪漫を感じるよ。漢の浪漫を!
 まあ、この比叡は巡洋戦艦ではあるのだけど、それでも、戦艦は戦艦であります!

 主砲である、14インチ連装砲は迫力がありますよね。艦橋もビルのように高く屹立ってます。まあ、扶桑や山城のような違法建築には負けるとは思いますが。アレは砲弾一発喰らっただけで、倒壊しそうで怖いです。

 もっとも、この比叡は、1930年に開催されたロンドン軍縮会議における各国との取り決めもあって、今現在は第四砲塔も撤去されて機関も低出力に換装しちゃって、名目上は練習艦なんですがね。
 でも、比叡は何回も御召艦に使用された実績があるので、艦内には御座所があったり貴人の居住区も整備されているので、今回のイギリス訪問にも都合が良かったのです。

 これが、足柄で訪問していたら、"飢えた狼"なんて呼ばれて、それを褒められたと勘違いして無邪気に喜ぶような、マヌケを晒すところでしたよ。本当は揶揄されているのにね。
 それとも、イギリスと日本では、用兵思想の違いもあるから、妙高型は飢えた狼でも良いのかも知れませんね。

 比叡は金剛の姉妹艦ですので、設計自体はイギリスのヴィッカースですから、飢えた狼などとは呼ばれないでしょうね。比叡にとってみれば、半分里帰りみたいなものでしょうか? 金剛なら生まれ故郷はイギリスですので、完全に里帰りですね。

 観艦式が終わって日本に帰国したら、実戦に耐え得る大改装を施して巡洋戦艦に復帰する予定にはなっているのですけど、それもイギリスの顔色を見ながらでしょうか?
 第一次世界大戦で金剛型を欧州に送っていれば、また違った展開になったのでしょうけれども。

 人力で装填しなければならない、時代遅れの副砲の15.2cm単装砲なんていらん。16門全部取っ払って、その代わりに12.7cmか10cm両用高角砲と、ボフォース40mm対空機関砲を多数装備した方が効果的のはずだ。
 速射性のある両用砲の方が、副砲兼高角砲として便利な気がしますし、手数を増やして、史実みたいなソロモン海での、死のグルグル回りは防ぎたいですね。


 しかし、ジョージ6世も、まさか自分が国王になるだなんて思ってもみなかったでしょうね。まさか、兄のエドワード8世がいきなり退位するだなんで、ジョージ6世にとってみれば、まさしく青天の霹靂だと思います。
 ちなみに私は、hoiのイベントでお馴染みなので知っていたけどね。

 彼の親父さんなんか、もっとファンキーでしたしね。大英帝国の全植民地を独立させるだなんて、暴挙をやらかしてたりもするのですが、これはゲームレポートの話でしたか。
 でも、あまりにもインパクトがありすぎて、現実と区別がつかないぐらい鮮明に記憶が残ってしまったのですよ。
 詳しくは、大英帝国騒乱記とかなんとか……

 話が逸れた。

 それにしても、王冠よりも恋を選ぶだなんて、普通は思いませんよね?
 もっとも、エドワード8世は愛する人と一緒になれて悠々自適の生活だったので、本人にとっては幸せな一生だったのでしょうね。








 イギリス ロンドン


「くしゅん!」

「ローズ、大丈夫かい?」

「風邪かしら?」

「もうすぐ戴冠式もあるから、気を付けておくれよ」

「はーい。ということは、もうすぐあの子にも会えるのね!」

「日本の戦艦がイギリス海峡に入ったと聞いたから、今日中にはポーツマスに着くはずだよ」

「ポーツマスに迎えに行けば良かった!」

「さすがにそれは、王室の威厳とか大人の事情で、ちょっと……」

「そっか…… でも、楽しみだなぁ」

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