03僕の行き先が不明瞭?
続いて投稿。タグはこれからちゃんと付けます。
ぴちょーん・・・。
と、水の落ちる音をどこか遠くで聞きながら僕はその光景を見つめいていた。
頭の中では「まずい!早く逃げろ!どう見てもやばい!!色々危機だぞ!」と、警告がなされてるのだけれど、非常識な出来事と光景にどうにも動けずにいた。
そんな状態を動かしたのはやっぱり、兄貴(仮称)だった。
『メル。私を呼び出したモノ。私の声はちゃんと聞こえているかしら?というより、乙女の目の前でその格好はいかがなものかしら?モノだけに・・・。』
と、なんか若干オヤジギャグが聞こえた気もするが、僕は自分の格好を思い出す。
見た目はどうであれ、乙女を自称するアレが言わんとしてるのは・・・裸であることだろう。
急いで脱衣所で体を拭き服を身につけ浴室への扉を開けようとしてふと気づく。
逃げたほうがよくね・・・?
と。
ゆっくりと回れ右をして、僕はこっそりと家を出た。
夕暮れの雑踏の中を人ごみを掻き分け、1キロほど進んだところで今の逃走劇へと繋がる。
と、回想というか現実逃避をしながら逃げているつもりだったんだけれど。
あるぇ???
足が、動かない。
恐る恐る後ろを振り向くと下半身をスライム状にした正体不明の兄貴が僕の足を、がっしりと、掴んでいた。
『ちょっと!メル!逃げ出すなんてひどいじゃない!呼び出しておいて・・・。』
すいません、呼び出していません。お願いですから、帰ってください。とは、声に出していえない。
言いたいけど、なんかものすごく怒ってる兄貴を見て抵抗はできない・・・よね?
彼・・・彼女?は、更に声を荒げる。
『私を呼び出したんだから、判ってるでしょう!?さぁ、早く!』
って、両手を広げながら言わないで!絶対周りに誤解されてるから!
ほら、そこの奥様方なんて「まぁ・・・最近の魔法使いは男の人が好きなのかしら?」とか言われてるから!
「す、すいませんが、僕はアナタを呼び出したつもりはないんです。」
と、ようやく声に出して言えた。男色にされたくないからね!
とはいえ、なるべく下手に出るように。
「僕は、アナタが何なのかよくわからないのですが・・・。ウンディーネ・・・ではないですよね?」
そういうと彼・・・彼女?は目を大きく見開き何事かつぶやいた。
『原初のみ 人の いで呼ぶ?神 っているようだけど』
あまりに小さな声でほとんど聞こえなかったが、何やら難しいことを言っているようだった。
「あ、あのー。ですので、帰っていただくって事は、出来ないのでしょうか?」
そう言って見ると
『出来るわけないでしょう!私一度出てきたらもう戻れないのよ!ちゃんと責任取りなさいよね!』
大声で返された。
ああ・・・すごく生ぬるい目で周りから見られてる。
僕はいったい何を呼んでしまったんだろう。
そしてこれからどうなるんだろうか・・・。
あれ、目がかすむ。体に力が入らない。
意識が、遠のいていく。
地に倒れる直前、やわらかい何かに抱きかかえられたような気が、した。
とりあえず、2話連続。
登場人物3人(奥様含む)で名前が出てるのは1人だけ。
次回から紹介やら何やらが入る予定。




