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修行回その2


 ちくちくとした感触で目を覚ます。


 知らないけれど知っている天井だ。だいぶぐっすり寝た気がする。


 朝ごはんは味付け海苔の巻かれた俵型おにぎり二つと漬物と味噌汁のやつ。銅貨4枚。美味い。


 恐る恐る外に出たら、結界の周りに〜みたいなのが起きていた。十数匹はいると思う。多分全部エッグラプトルだ。

 うっかりで結界の中から出た時のために防御膜を張ってから大きいサイズのウィンドカッターを結界の中から撃つ。

 質より量の倒し方だ。ブーメランっぽいイメージだと魔力の無駄が少ない。


 全部倒してからは昨日と同じように解体しながら、自分のステータスを見る。MPとHPの最大が8上がっていた。


 臭いと格闘しながら解体したやつを全部売ってから、3枠アンロックする。密集していたのもあって、効率が良かったのか、今の魔力は289だ。それでもだいぶ使った。解体用のやつが欲しい。

 日が真上だけれど解体後だから、あんまり食欲は湧かない。また別のところに行こう。お金もだいぶ溜まっている。


 数本、薬草を見つけたので入れる。ナオリフっていう名前なんだね。椿の葉のような形をしている。

 薬草のアイテムボックスの枠の使い方は全部同じ枠だった。ランダム回復みたいな仕様をいじっているのかしら。まあいいや。食欲が湧いてきたので弁当として買ってきたカスクートを食べる。銅貨3枚のやつ。


 他にもナオリフ草あるかなぁと思いながら移動していると頭が私の腰ぐらいにある大きさのやつが現れた。名前はミートラプトル。パラメータは全部向こうの方が高い。HP・MP両方4桁だ。

 火を吹いてきたので水の壁を作る。爆発した。多分これ、水蒸気爆発……。



 意識が戻る。なんでか昨日のベッドのやつと同じ感触がしている。天井は多分同じだ。軋むような痛みはあるけれどひりひりとした直接的な痛みはない。腕を見たけれど元通りになっている。幻肢痛もない。

 アバターさんがベッドにいる。


 「日菜子、気がついたんだね」

 「私……治療代……何も……」

 「宿代は取るけれど、修行中での治療代は無料にする予定だから、安心して。そうだ、身体は普通に動かせるけれど身体は混乱していると思うから慎重に」

 確かに起き上がるとなんとなく身体が重く感じた。

 「時間はどれぐらい経っていますか?」

 「1時間ぐらいかな。どうする?結界はまだ猶予あるけれど」


 しばらく悩んで行くことにした。ポータブルインをしまい、しばらくはエッグラプトルだけ討伐しよう。


 外はまだリスキルっぽいことにはなっていない。さっきのようにはなりたくないからさっきのエッグラプトルとか、比較的弱い魔物がある場所に移動しよう。ミートラプトルにまた会いたくない。


 幸いエッグラプトルよりも小さい、グミラプトルなる名前の魔物がいるエリアに行けたので今日はそこで狩をした。


 そんなこんなで夕方になった。

 ポータブルインは何にしようか考える。今日は銅貨30枚のやつにした。


 エントランスの内装はどうやら同じらしい。気づいたアバターさんが心配そうにこっちを見てきた。 「大丈夫だった?」

「思ったよりもいけました!やっぱり、さっきのショックでちょっと水魔法を使うのに躊躇していますが。……他に言うことがあるとすれば風魔法で解体しているからウィンドカッターの上達は早いことぐらいですね。いつか塩が手に入ったら水魔法と火の魔法を使ってお肉を茹でてみたいです」

 「やっべ……。そうだ、解体用のナイフあげるよ。特別に無料……と言うか渡すのを忘れてた」

 そう言ってアバターさんが一本のナイフを渡してきた。なんか包丁よりも刃の幅が細い。皮とかを剥がしている動画で見たことがある気がする。


 「ありがとうございます……。そうだ、夕飯はカレーがいいです。中辛」

 「カレーね。わかった。……中辛カレーはもう出来てあるからそれあげるよ」


 銅貨10枚渡してお盆を受け取る。


 カレーの具材はにんじんとじゃがいもと玉ねぎと豚肉のやつだ。家と同じやつ。味は自分でやったのとは違う味だ。はっきり言うと自分のよりもとても美味しい。

 顔を上げるとアバターさんもカレーを持って私の向かいの席に座っていた。

 カレーがすでに出来ていた理由を聞こうと口を開けようとしたけれど、「悪いけれど管理者同士の決まりで教えられないからね」と言われた。

 

 「これ、どうすると美味しくなるんです?」

「灰汁とかをちゃんと取ったかんじかな。後はちょっとクミン追加してる」

「こんなに変わるんですね」

「ふふっ、どうも。おかわりとかあるけれどどうする?」

 「いいんですか!」

 「もちろん」


 いつか、作る時がくれば灰汁を取ったタイプのカレーとかを作ってみたい。いつも切ったやつぶち込んでおわりだったから。


 氷水が美味い。


 「そうだ、ナイフ、明日から早速お世話になると思います。壊れた時はどうなります?」

「修理代は取る感じかなぁ。メンテとかは無くてもいい神器っぽいやつだけれど、武器には使えない、衝撃には弱いタイプだからね。気をつけて」


そっかあ。結構凄いナイフなのは分かった。


 部屋の場所は昨日とは違う場所になっている。昨日のドアと違う模様だ。多分ランクごとにドアは違う模様になるんだと思う。


 内装は4畳ぐらいで、ベッドも藁のやつだったけれどシーツとかの質感が心地よかった。


 魔力も昨日よりは余裕はあるけれど、精神的な疲れで風呂と歯を磨いた後ベッドで今日のことを考えるまもなく寝落ちみたいな感じで眠っていった。


 朝。食堂に降りると売店コーナーができていた。現代服とか初期の武器群とか防具とか薬とか色々。パラメータを上げるやつもあっていた。飲むと1永久的に上がるやつ。用語で言うドーピングですね。HP・MPは銀貨1枚で他のパラメータは銀貨10枚だった。


 銀貨1枚の現代服と銅貨50枚の魔法の杖とMPのパラメータが上がるやつを買った。

 全部同じ服でも過ごせると言われたら過ごせるけれど、気分の入れ替えにいると思って。

 MPの上がるやつの味は栄養ドリンクの味だった。口直しに水を飲む。

 パラメータを見るとHPの上限が236、MPは539になっていた。これを沢山飲まないといけないのか。しんどい。


 ご飯は地球メニューの鮭茶漬けにした。銅貨3枚。ちょっと米が多い。レトルトじゃないやつは初めてだ。鮭フレークはいいぞ。


 それからの二週間、特にリスキルっぽいことは起きなかった。特に書くことは……あえて言うと状態異常の敵が現れて麻痺とか毒の薬の実戦経験を得たことと、解体はそれなりに上手くなったことぐらいかしら。


 二週間後。もう一回ミートラプトルに挑むことにした。HP・MPは優に超えている。

 ドーピングではいわゆる魔法攻撃と素早さのステータスをちょこっと上げた。他のステータスはあまり変わってていない。

 素早さと相談している日々が続いていたからね。


 アバターさんにミートラプトルに挑んできますと言ったらグッと親指を上げてくれた。行ってきます。


 ミートラプトルは私を見るなり、炎魔法を撃ってきた。森の中をそして走りまわる。


 飛んでくる炎は防御膜で防ぐ。見失うこともあるけれど周りを注視していると、なんだろう、大雑把なレーダーみたいなものが頭に薄ぼんやりと浮かんできた。

 上下左右ぐらいしか分からないけれど、何もしていない時より命中率がかなり高くなっている。


 小さな土の矢で誘導するととても当たる。

 攻撃が水の玉になった。地味にきつい。


 地道な作業の果てに倒した。地道だった。最後は魔力温存のためにずっと避けようとしていた気がする。


 解体も慣れた物だ。


 解体したあとは魔石含めて換金した。肉以外は全部銀貨5枚以上の値段だった。

 お肉はエッグラプトルよりも高いけれど、鶏肉と牛肉ぐらいの値段の差と言う感じ。……見た目、赤身肉って感じで美味しそうだな。鶏もも肉みたい。解体するとき、ちよっと固かったから親鳥みたいな感じなのかもしれない。売らないでいいか。ちゃんと綺麗に解体されていたらどれぐらい高くなったのかな。


 空を見上げると昼だった。……BBQしてみようか。いや、でももしかしたらアバターさんなら頼んだら料理してもらえるかもと思いながらポータブルインを展開する。

 アバターさんに肉を見せたらまな板と包丁をくれた。後組み立て式のテーブル。安いやつ。あ、串も。

 サバイバル云々の練習かなと思ったら頷かれた。目も語っているのでこっちも頷く。

 

 ミートラプトルの肉はやっぱり親鳥みたいな感じで固い。味は塩胡椒すらない、完全なる肉オンリーだったけれどとてもおいしかった。


 次の日は休日にした。

 エッグラプトルの魔石に色々エンチャントしてクーラーみたいにしたものをアバターさんに見せたら「ごめん、もっと早くいえばよかった。パラメータを思うとできてもおかしくないと思ったんだけれど……もう加工できちゃうんだね。魔石を直接魔道具にするのは燃費悪いからやめておいた方がいいよ」と言われてちょっと悲しくなった。

 


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