第七十七話 テンション高め
「あっやべ逃しとこ、ぐわぁぁぁぁ!!」
「••••忘れてました。トドメです、」
イリスが転移システムを作動させる。
その直後、動けないフレジア達に聖女が魔力で攻撃してきた。
ギリギリでフレジア達は城から研究所にワープしてくる。
フレジアはワープの衝撃で、目を覚ます。
「ごぼ、お、いあいつら、いねぇか、おい、誰か、回復装置、に連れてけ、、」
「••••••話さなくていいわ。私が連れて行く。事は出来なそうね••••••」
フレジアは何とか立ち上がろうとする。
しかし、失神状態から回復したばかりで、力が入らない。
すぐ倒れてしまう。
「••••『変革:猿』。こいつをあっちに持って行きなさい」
「私ら、ご、これからどうす、んだ、、お母様が、、勇者に、、」
「••••やはり、そうなのね••••••知らないわよ••••もうリーダーに直接頼るしか無い••••『変革:雉』」
「、、マジか、、ごぼ」
テェフルを石の猿が持ち上げ、運んで行く。
一方フレジアは雉に乗り、他のクローン三人を探す。
三人はお母様に飛ばされた人間を連携して殺す係だった。
「••••酷いわね。三人とも。あなた達。生きているかしら」
「は、は⭐︎聖女、、あの、女、絶対殺す⭐︎死ね⭐︎」
「つ、通じない、、、マジックパワー、、で生きてはいる、、」
「••••••ギリ••••」
研究所の端っこで、三人は纏めて転がっている。
三人は一部の体が陥没し、かなりの重傷だった。
そこには、相当の血溜まりが出来ている。
三人も、フレジアは猿に運ばせる。
フレジアも共に着いていった。
回復装置の前にフレジアも着く。
こうして培養ポッドっぽいその装置に、服を脱がせたクローン達を入れて行く。
そのドアを閉め、最後に近くパネルを弄り。
これで、回復装置が動き出した。
(••••••かしら••••お母様とこいつらと••••••••)
イリスとテェフル達と大空千晴に思いを寄せながら、フレジアも服を脱ぐ。
自分も回復装置に入るつもりだった。
この時、硬い物がズボンのポケットに入っている事に気が付いた。
フレジアはそれをズボンから取り出す。
それは、平べった瓦礫だった。
何か文字が書いてある。
【傷付けてごめん。出来るならまた仲直りしたいです。もし良ければこの住所まで手紙が電話をお願いします。大空千晴より】
「•••••なにを今更。都合の良い事••••」
頭の中には怪物のような姿で、自分を殺しに向かってくる千晴の姿が思い浮かぶ。
一方、片目に涙を貯めて、首を締めてくる千晴の姿も、思い出す。
フレジアは急いで、近くの機材の元へ行く。
そこでフレジアは感情のままに紙に文字を書き始める。
これも終わり、自ら回復装置に入る。
機材の上には一つの手紙だけが、残されている。
【死ね。
P•S キメラと融合した姿、本当に気持ち悪かったわ。生きていても死ねと思うわ。元の姿に戻れたら、下の番号に電話して。戻ってないならしないで】
—-
「ふんふーん。いえい。ふんふふーん」
ベットで鼻歌を歌いながら、ある物を楽しみにする。
ついでに、趣味探しでギターも弾いていた。
俺の下半身が飛んでから、もう数日経った。
ホテルの一室でリハビリと療養をしていた為で、これのお陰で身体面でもほぼ全開だ。
更にフレジアからも多分仲直り出来そう感が無きにしも非ずな手紙も来た。
いえい。良かった。
そして、今度は俺が電話がいつ鳴るのかを楽しみにしている。
社長の人が色々手配して、冒険者ギルドのクエストというテイで、姉ちゃんに会わせてくれるらしい。
この詳細を今日電話で伝えるっぽい。
「••••••ちはる••••食べる?」
「それなら貰おっかな。ふんふーん」
横にいたホワイトが差し出したチョコを、そのまま食べる。
良い感じに甘過ぎなくて、美味しかった。
エゼルさんが、見舞いで送ってくれただけあって、かなり高級めでもあるっぽい。
そのエゼルさんにも感謝が絶えない。
真っ先に治療してくれたおかげで、俺は助かったっぽいし。
「••••もっと食べる?」
「もう大丈夫。他はホワイトが食べちゃって良いよ。俺は余ったのを貰えればいいから」
それとは関係ないが、何か療養中、やけにホワイトが甲斐甲斐しく世話してくれている。
これらに対し感謝の気持ちも込めて、ホワイトが好きそうなチョコもあげたい。
「••••いい」
「?。そう?食べちゃって良いよ?俺はこういうの結構食べた事あるし」
「••••••だいじょうぶ」
後、何かホワイトはやけに色々控えめだった。
いつもなら、真っ先にお菓子を食べ始めるのに。
普段と比べると、結構変だ。
「あの。もしかして、俺がホワイトを庇った事を気にしてるか怒ってる?それならごめん。けど、余裕が無くなったら多分またやっちゃうというか」
「••••••ちが••••くもない••••けど、あやまらなくても••••いい••••」
?。
つまり、俺が庇った事を気にしているという事だろうか。
どう言うことだ。
ビビビっと来た!!
もしかして、ホワイトは俺に庇われて罪悪感があるのだろうか!
よし!
俺の思っている事を直接言おう!
これで気にしなくなるはず!
「俺は勝手にホワイトの事を妹みたいに思ってて。だから気にしなくて良いよ。庇いたくて庇った訳だし」
「••••••いえる?••••わたし自身にきずつけられても•••••そのこと••••」
ホワイトは少し暗い顔でそう言う。
これって、大人のホワイトの事も気にしているという事なのかな?
エゼルさんや社長の人によって死者は出なかったが、相当色んな人がその戦いに巻き込まれたらしいし。
俺の事も駒?とかと言っていたと聞いた。
だが、まあ言える。
「言えるよ。家族ってさこの人といると嫌な事があるから、離れるーとかあんまりしない印象があって。それだけじゃ無くて、多少嫌な事があってもこう。愛情を、持ってくれる物というか」
色々思い出す。
俺はもう失ってしまったけれど。
「••••••••••だからなに••••」
「父さん達がそうしてくれて。だから俺は真似て、ホワイトにもしてて••••そうだ!」
ある良い表現を思いついた。
これで行こう。
「俺は愛してて!ホワイトの事!だから、ホワイトには好きなようにしてて欲しいし!その為に多少傷付いても苦にならないんだよ!」
「•••••••••••たぶん、ちはるがどこかおかしいだけ••••」
ボソッと、涙目のホワイトは呟く。
そんな変な事は言っていないと思うのに。
納得いって貰えてない。
だったら、直接行こう。
ギターを脇に置く。
「一旦、ちょっと持ち上げるわ」
脇を持ち、ホワイトを俺の膝に持ってくる。
ホワイトと正面から目が合った。
そのまま、額にキスをする。
最近ホワイトはこう言うのが好きそうだし。
「どう?妹みたいに思ってるから、自分からこんな事もいくらでも出来るし。いつされても良いって思うんだよ。それで、もしホワイトが嫌だったらすぐに辞めれるから」
「••••••」
ホワイトは無言だった。
涙は少し溢れる。
だが俺はホワイトに押し倒され、ベットに寝転がった。
これは大丈夫かな?
ドラマの真似事だし。
「••••••いつか傷つけるって••••わかってたのに••••」
胸元に顔を押し付けながら、ホワイトはボソッと何かを言う。
よく聞こえなかった。
「••••••ちはるが••••••ああいうって分かってたのに••••••••」
段々と、顔の方へ登って来た。
目と目が至近距離で合う。
「••••••だいすき••••」
ホワイトの顔が近づいてくる。
この流れはあれっぽい。
だったら、今のうちに言い返しておこう。
「俺も好きだよ。ん」
唇と唇が触れ合う。
ホワイトの舌も入って来る。
まあ、今回だけはそれも許容だ。
宜しくないとは思うが、アピールにならないし。
舌と舌が触れ合う。
「••••••わたしが••••わたしが••••••ずっと••••」
次の瞬間、電話がジリリリリとなった。
「あ!!少し待ってて!もしもし!こちら大空です!」
電話機の元へ走る。
ホワイトは持ち上げ、ベットの脇に置いてきた。
「ちゃおー。こっちは乱だ。先に謝るわ。こっちの会議が長引いてて。このまま伝えても大丈夫か?何だと?クソ」
「全然大丈夫です!手配してくれただけでありがたいので!」
「••••ちはる」
予定を立てくれただけありがたい。
そう思う中、少し口角を上げたホワイトが俺の方へ歩いてくる。
俺の服を掴んだ。
「悪いな。で、日程はばっちり決まってるぜ。三日後、あるクエストを冒険者ギルドで受けてくれ。少し手間かけさせるが、それで姉との感動の再会だ。良い家族愛だぜ」
「あありりがとととうござざいいいます。受けけさせせせて貰いいいまます。ホホワイトトゆゆららささないででで」
ホワイトにこんな事をされるのは初めてだった。
相当怒っているのか?
けれどとりあえず今は、社長の人との会話に集中する。
「白いのと超仲良そうだな。袖振り合うも多少の縁。大事にした方が良いぜ。本当に得ずらいもんだ、、リーチか、、」
「ちはる」
「ははいい。ああありりががととうござざいまますす」
「あれま。もしや慣用句の使い方間違ってるか?だったらヤバいな。ワタシ何歳だよっつって、来たぞ!!ロン!!!ハハハ!!ワタシの勝ちだ!!趣味麻雀勢舐めんなよ!!聞いて貰うぞ要求!!」




