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記憶消失の俺が英雄になるまで  作者: 秋桜ノ樹
第一章「記憶をなくした少年とロリ魔法使い」
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第20話「記憶をなくした少年とロリ魔法使い」

 

 ーーそれは俺たちがEランク冒険者になってすぐの宿でのこと



「...っ」


「あっ......」


「んっ...」


「... ...」



 ヤバイヤバイヤバイヤバイ!

 なんだか僕らの間には見えない壁があるみたいですよ?

 別にこれはナニしてるわけじゃなくて、互いにどうやって話そうか無言の心理戦が行われているワケです。


 ぶっちゃけナニはしたいけど、ガマンガマン。


「あ、あのさ」

 俺は勇気を出して話しかける。



「な、なによ」

 アリスはたどたどしく俺に応える。

 よく見ると頰を赤らめて少し熱っぽそうだ。

 あれ?これ俺に惚れてんじゃね?

 なんて期待は持たない。


 俺はアリスをそういうふうには見ない。


 なぜなら。


 俺ことヤマダはロリコンであるからだ!


 ロリコンはロリを愛でる者であってロリに手を出すことを御法度としている。(ヤマダルール)




 ーーそんなことを考えているとアリスは俺がベッドの上に座っている隣に腰かけた。


「ありがとね」

 アリスの口からそんな言葉が聞けると思ってなかった俺は驚いた。



「お互い様だろ」

 俺だってアリスに感謝している。

 記憶のない俺にも何かできることがあるとするなら、近くにいるこの少女を守るくらいだろう。

 さっきの戦闘で確認した。俺にはその力がある。

 迷い子はなにか大きな使命を背負っているとアリスは言っていた。

 しかし、そんなことはどうでもいい。

 俺はアリスさえ護れればいいのだから。





「ねぇ、ヤマダ」

 アリスの声色はなんだか艶やかな雰囲気を帯びていた。

「続き、してもいいのよ?」



 ーーなん... ...だと!?



 したい気持ちは山々だが、ヤマダだけに。

 俺はそんな気持ちを抑えて言った。


「ただ、当然のことをしただけだろ」



「いいえ。アンタは私を救ってくれた。それに恩返しをするのは当然よ! 少しくらいならそういうお願いも聞いてあげてもいいのよ...」




 そっか、そっかー。

 これ俺に惚れてるなーと、内心ニヤニヤしながら俺は言う。


「じゃあ、一つだけ」


 アリスは目を閉じて肩を震わせる。

 酷いことをされるとでも思っているのだろうか。

 それじゃあ、あいつらと変わらないじゃないか。

 大変なんだな俺の信頼度。



「... ...ン゛ッ」


 俺はアリスの頭の上に手を置いて髪を撫でた。

 そして、言葉を続ける。



「アリス。俺の仲間になってくれないか?」





 こうして、俺たちは仲間になったのだ。




これにて一章完結です。

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