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記憶消失の俺が英雄になるまで  作者: 秋桜ノ樹
第一章「記憶をなくした少年とロリ魔法使い」
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第19話「戦闘はスマートに一瞬で」

 

 俺の光の加護はその威力を十分すぎるほどに発光させてその室内を照らし出した。




 中を見るとアリスが顔を痛々しいほどに腫らせてこちらを見ていた。



 俺はすぐさまアリスの救出へ向かおうとしたが付近に知らない者の影を捉えた。

 片方は地面に突っ伏して虫の息だ。

 もう片方は不自然に強化された上半身を顔に当てて光から目を守っていた。



瞬歩(テルポ)

 俺はすぐさま、ゴルザとの距離を詰めた。



「観察眼」

 ヤツの身体を観察する。

 右脚の足首辺りが鈍い黒光りをしていた。


「ここが、弱点ってワケか!」

 俺は素早く杖撃術(初級)を発動して右脚を刈り取った。

 転ばせるだけだと思っていたそれはありえないほどの威力を持ってヤツの右足首の部分を切断に至らしめた。


「ゔごぁッ」

 ヤツは呻き声を上げて膝をつく。





 ーー首がガラ空きだろ!




 俺は容赦なく(うなじ)部分に杖撃術(初級)を使用してヤツを断頭(だんとう)する。ゴルザは声を上げることもなく絶命した。



 俺はアリスの手首を縛っている縄を解き、アリスを抱きしめた。

 アリスは抵抗することなく、それに応えた。




「あ゛に゛ィ......」

 ザップはゴルザの亡骸に近付くとそれを貪り始めた。


 アリスはその異変を察してヤマダを自分の身体から引き離す。

「ヤマダ、来るわよ」



「ったく、しゃあねえな」



「続きは後でしてあげるからあのキモいのをぶっ倒しなさい」




 ーーえ?続きあるの?






 俺はありえないほどのやる気を身体に循環させた。心なしかいつもより身体が軽い。

 俺は瞬歩を使い一瞬で間合いを詰める。そして杖撃術(初級)を使ってなんなく首を刈り取る。



「アリス!続き!続き!」



「ヤマダ!アンタバッ、そいつはもう魔物よ!核を潰しなさい!」



 俺が後ろを振り返ると胴体から首が再生されていた。



「ほう」



 ザップは全身を使って捨て身で俺に体当たりしてきた。

 しかし、遅い。

 俺はなんなく回避すると観察眼を発動した。

 するとヤツの股間部分が鈍く光っている。


「あそこが核か」

 いや、ある意味核なんだけど、そこを攻撃するのはなんだか申し訳ない気がした。




「ほら!ヤマダ!行きなさい!」

 アリス様はノリノリのようだ。

 お前さっきまで泣いてたじゃん。あれ演技なの?



 俺は申し訳ないと思いながらもザップの股間部分に杖撃術を叩き込んだ。

 グチュッっとした気持ち悪い感触に思わず自らの股間がヒュンとなる。







 かくして俺はゴルザップ兄弟の討伐に成功した。

 俺たちはアンテロの町に帰りギルドへ草刈りと討伐の報告をした。



「えぇ!?ここらへんじゃ一番強いあの兄弟を倒したんですか!?」

 ギルドの受付嬢はたいそうに驚いた。

 俺たちに絡んできたゲハノコは肩を震わせながら遠巻きに俺たちを伺っている。



「えぇ。証拠もここに」

 俺はアスラン草の種子とゴルザップ兄弟の首を目の前に並べた。

 周囲にざわめきが発生するがギルド嬢が手で制し、

「わかりました。たしかにこれはゴルザップ兄弟のものです。あなた方の冒険者ランクをEランクへ昇格します」



 俺としてはボチボチやって行きたかったのだが、俺たちはEランクに昇格した。




 このランクの飛び級は史上初のことであり、この世界に俺たちの名前が浸透するのに時間はかからなかった。



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