表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
記憶消失の俺が英雄になるまで  作者: 秋桜ノ樹
第一章「記憶をなくした少年とロリ魔法使い」
11/41

第11話「奴隷×ゴミ=ヤマダ」

 

 ーー絶対許さないからな!いいか!絶対にだ!

 俺はゲハノコに対してとてつもない殺意を抱いた。


「わーたーしーの! ヤマダごみになんて事してくれるのよ!」

 アリス様は御立腹のようだ。


「へへっ、いいじゃねえか!なんならお前が俺の奴隷になってもいいんだぜ?」


 ゲハノコはそのスキンヘッドにぬるぬるの汗を伝せながらゲスな目線でアリスを視姦(しかん)してやがる。全くもって、けしからん!けしからんなぁ!?


 その時、アリスの雰囲気が重くなった気がする。

「アンタ、本当にいってんの?」


 ゲハノコもアリスの雰囲気の変化に気付いたのだろうか、鼻の下を伸ばしながら...

 これ気付いてねぇな。



 次の瞬間にはゲハノコは泡を吹きながら仰向けになって倒れていた。

 周囲の冒険者は何が起こったのか、理解できていないようだ。

 俺は見た。ゲハノコが倒れる直前にアリスの輪郭がブレたのを。


「ふん!口ほどにも無いわね。次絡んできたら殺すわよ」

 アリスは興味を失ったとでもいうようにギルドを出た。俺も慌ててアリスについて行った。




 ーー


「アリス。さっきのどうやったんだ?」

 俺は先ほどアリスがゲハノコを一瞬にして葬ったことについて尋ねてみることにした。


「アンタ、見えてたの?」

 アリスは意外そうに俺を見返す。


「いや、見えてたって言っても、アリスの姿が一瞬ブレたことくらいしかわかんなかったよ」


「ふぅん。さすが、観察眼ね。目が良いことは戦いにおいてアドバンテージよ。大切にしなさい」


「そりゃどうも」


瞬歩テルポよ」


「……ん?」


「私の技よ」


「おぉ! あの瞬間移動!?」


「瞬間移動じゃないわ、瞬歩テルポよ」


「なんだよそのチンpー」


瞬歩テルポ

 アリスは一瞬にして俺の背後に回り首元に杖を当てた。


「この能力は自身の歩幅を変化させることよ。決して瞬間移動じゃないわ。あとさっき言おうとしたことを言ったら殺すわよ。二度は言わないわ。」


 そう言って俺の首から杖を退けた。


 ーーぶっちゃけ俺から見たら瞬間移動と大差ないけどね。何が違うんだろ。


「んで?俺はアリスの仲間になったけどどうすりゃいい」


「あんたはまだ実戦できるレベルにいないわ。そこらへんの子どもの方のが強いレベルよ」


「さすがにそれはないだろ!ガキなんかにゃあさすがに負けねえよ!」


「ふん。私にすら勝てないのに?ちなみに私の冒険者のランクはGよ。さっきのハゲもみたところGね」

 ーーアイツえらそうにしてたのにGだったのか。

 いやでも、俺Gに瞬殺されたんだけど。


「冒険者の最低ランクはGランク。名目上はヤマダもGランクってなってるけどアンタ、あのハゲの100倍弱いわよ」


「俺はどうすれば……」


「修行よ、修行。最強は一日にして成らず。千里の道も一歩から。ヤマダは人間になるために修行をするのよ」


 勢いに流されて俺はアリスのもとで修業をすることになった。

 今思えば物凄く後悔している。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ