#295 見ても分からないものがあるんです
"Deliu miss verlet miss pesta virotil lernniejodalsto'c."
"Hm...... Mi firlex la lex pelx cene mi furnkie fhasfa fal snenik?"
俺とレフィは早朝寮を飛び出して、とある教室に来ていた。教室の入口には" 1te verletal"と書いてあった。しかし、中にはベンチプレスのような体力を鍛えるような器械は見られなかった。戸惑っているうちにレフィに手を取られ、先の言葉を言われたのであった。
レフィはじっと俺の腕を見つめていた。
"Harmie co xel ja?"
"Mer...... Cene larta lus werlfurp leusj snoriejestan."
"Hm...... Jol la lexe'd snoriejestan es jurleten."
"Pa, mi at firlex niv mels la lex."
そう言ってから、レフィは俺の腕を離した。腕を組んで、悩むようにうなり始めた。彼女自身が鍛錬をしようと言ったのに何も考えてこなかったらしい。
周りを見渡してみた。木造の広めの部屋だ。椅子や机のようなものは無い。窓が空いていて、良い風が通っていた。その風にレフィのウェーブのツインテールは振れていた。
ややあって、彼女は唸るのを止めてこちらに助けを求めるような視線を向けてきた。
"Co firlex werlfurpu'd snoriej lap felx cene co festel werlfurp'i set iulo'c. Pa, Edixa cene luser werlfurp elx plasio la lex es snietij ja, xatvasti."
"Hm...... firlex,"
レフィはまた腕を組んで唸り始める。
おそらく"snoriej"というのは「感覚、センス」ということなのだろう。レフィの言っていることは例えれば、ブランコの漕ぎ方のようなものだ。ブランコの漕ぎ方は一度覚えれば、あとは感覚で漕げるようになってしまう。だが、それで漕ぎ方を他人に教えられるようになるわけではない。
出来るからといって、上手く教えられるとは限らない。これは何においても言える。特に身体的なウェールフープに関してはレフィの悩むところであろう。
"Mi...... letix panqa'd surul lap."
"Mer, harmie?"
蒼い瞳がこちらを興味深そうに見つめている。
"Selene mi xel co'd werlfurp. Mal, Wioll liaxa cene mi firlex mels fhasfa?"
"Hm...... Mal, xel?"
レフィは乗り気ではなさそうだったが掌を出して、そこに意識を集中した。その瞬間、バチバチとスパークが生じる。明るい室内では分かりづらいが手の内に閃光が見えた。
"Cene werlfurp veles luso filx ciant?"
"Ja, pa cun la lex es flurjnna. Mi'd flurjnna werlfurp es jedalsi gelx cene lus la lex filx ciant."
"...... mi'd flurjnna werlfurp es harmie?"
確か、"flurjnna"は"fagrigecio"の説明を訊いたときにシャリヤが言っていた気がする。彼女は"flurjnna lkurftless"と言っていた。そこを考えると、"flurjnna"は「生まれながらの、固有の」といった意味に思えてくる。ウェールフープには人それぞれ生まれつきのものがあるということになるが……。
レフィはその質問を聞いて、少し困ったように眉を下げた。
"Mi at qune niv mels la lex......"
"Harmie? Edioll liaxu co elm niv mi'tj?"
"Ja......"
"Mal, co xel niv ja?"
"La lex p'es julesn...... Mi firlex niv ja. La lex veles niv kranteo fal fhasfa......"
レフィは思い出そうとしているようだが、中々思い出せない様子だ。奇妙な話だ。「オレ」は少なくとも一回――先日、決闘をしたベアと――はレフィと一緒に闘っているはずなのに、分からないのだと言う。
そうなってくると自然ともう一つの疑問が浮かび上がってくる。
"Lefhisti, mi elm co'tj fal cirla? Metista, edioll liaxu co lap elm fal rerxo?"
"Lulas mol luaspast fal la lex ja. Mi ad co es panqa fua virlarteust. Cene niv miss molkka als filx miscaon molo."
そんな会話を交していたところで、レフィの背後の扉が開いた。他の生徒が入ってきたのかと思い、視線を向けるもそこに居たのは制服を着た人間ではなく、自分たちよりも遥かに小柄で髪が赤毛の少年だった。




