表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
289/377

#291 他の女の子を見てちゃダメですよ


 テーブル席に座ると、レフィは袋の中を漁って一つ小袋を差し出してきた。袋の表面にはリパーシェでウォルツァスカと書いてある。中には、紫色の不定形のものがオブラートで包まれたようなものが入っている。

 受け取ると彼女は嬉しそうにニコッと微笑んだ。


"Lirs, selene xatva molkka ales.xalija'c metista?"


 彼女は小袋を注意深く開けながら、そう問いた。


"Ja...... metista"

"Fhur...... Lkurf fynetj mels la lex plax."

"......fynetj?"

"Ja, Shrlo fynet lkurf mels la lex plax ja, xatvasti."


 自分でも悪い癖だとは思うが、どうしても未習得の文法に目が行ってしまう。

 "fynet"は確か「はっきり、明確に」という意味だったはずだ。ユエスレオネの戦いを止めるために熱が出るほど努力した演説で使った言葉だ。良く覚えている。だが、今回は"fynetj"という別の形で出てきている。以前から疑問だったが、シャリヤと緩衝音の話をした時の"Kraxaiun pervoj/fendej"のように時々出てくる形容詞や副詞に"-j"が付いた形は良く聞いていた。先例を見ると、ANの語順に反して、NAの語順で修飾したい場合に付けるように見える。

 俺はそんな思考を隠すように小袋を開けながら、周囲に視線を向けた。


"Molkkavo es les vynut esel felx selene mi molkka virlarteustustan."

"Firlex, mal deliu miss anfi'erlen fal lernniejodalsto ja."

"Lirs, la lexe'd ≪lernniejodalsto≫ es harmie?"


 レフィの方に振り向きながら、疑問を投げた。これまで何回も聞いてきた言葉だったが、分解しても良く分からない。"lern"は「離れる」、"niejod"は「生きる」、"-(a)lst"は良く分からないが"-(i)rlst"に似ているような気もする。"-o"はここでは名詞化語尾なのだろうが、それにしても情報が少なすぎて意味が分からない。

 レフィはそんな俺の問いに少し戸惑いながらも、自分に言い聞かせるように頷いてから答えた。


"Werlfurp leus als inistilterss...... zu kantet fqa'd lerssergerss i m'elm, letix nisse'd elme. La lex es lernniejodalsto. Mer, la lex es xale retovo miscaonj...... jei, co arcies, xatvasti? "


 ぐいっと両手で視線を戻される。目と鼻の先に現れた彼女は不満げな視線をこちらに向けていた。

 レフィの方を向いて話を聞いていたはずが、いつの間にか周囲の群衆に目が行っていた。どうしても人混みがあると、そこにシャリヤを探してしまう。今、彼女を見つけたところで何かが解決できるというわけでも無いのに。

 首元の筋肉が引きつりそうな間隔を覚えながら、俺は答える語彙を探していた。


"Mer, nace. Mi arcies plasierl ja."

"Deliu co xel niv ete'd mian. Xel mi lap plax!"

"Harmie, lefhisti?"

"Harmie......"


 レフィは視線を逸して、口を噤んでいた。どうやって答えようか、迷っているようだった。彼女の表情は少し寂しそうなものに変わっていた。


"Cun, Jol co furnkie mirg'i ete'd larta'c mels virlarteust ja......"

"Lefhisti......"

"Is niv mirg'i panqa'c plax, xatvasti. Cun, mi letix liqka."


 その視線はどこかを見上げるようだった。蒼い瞳が可憐に輝いていた。


"Harmie es liqka?"

"Mi'd liqka es iso kertni'arven sesnuder. Fua la lex, deliu mi veles celdino xatva'st."


 レフィはしみじみと何かを思い返すように言う。その余韻が彼女の決意を明白に表していた。

 直接は教えてもらえなかったが、"liqka"という単語の意味は「将来の目標」なのだろう。"kertni'arven sesnuder"は直訳すれば「異能者な護る人」となるが、恐らくそういった職業名なのだろう。しかし、それと俺には一体何の関係があるのだろう。それに彼女がそれに憧れた理由も知りたい。


"Lefhisti, Harmie co fergen'artz la lex?"

"Ar...... mer......"


 レフィは問いを聴いて、また困った表情を見せていた。


"Jopp, Mi kanti fal etil mels la lex."


 彼女はそう言って、手元のウォルツァスカを口に含んだ。思えば甘酸っぱい香りが先程から手元に漂っていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Xace fua co'd la vxorlnajten!
Co's fgirrg'i sulilo at alpileon veles la slaxers. Xace.
Fiteteselesal folx lecu isal nyey(小説家になろう 勝手にランキング)'l tysne!
cont_access.php?citi_cont_id=499590840&size=88
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ