表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
232/377

#235 Est ne ouné nuleit


 目の前でふらふらと銀髪が振れる。シャリヤのご機嫌そうな鼻歌が聞こえる。彼女のこういう姿はあまり見たことがない。こういった森に来たことがあまり無いのかもしれない。

 ただ、鼻歌の曲はユエスレオネの国歌≪Ispienermedarneust shrlo da enomionas!≫だった。神秘的で緑豊かな森の中に人々を糾合させてきたメロディーが流れては消えていった。何となくミスマッチな気もするが、シャリヤの可愛さはそれを補って余りあるというものだ。


"Ej, ny flerrervircies niv la snirorstan. Mi nili la lex."


 軽い抗議のような声、短髪の黒い頭が揺れる。インリニアだ。その声を聞いて、シャリヤは少々むっとした表情をして彼女を見る。


"Lirs, mi nili co. Harmie mi miscaon celdin larta zelx jol tvarl mi'd lirfer?"

"Tvarlosti? Hah, co letix myloneffe!"

"Agesquik niv!"


 二人の少女は睨み合いながらも歩みを止めることは無かった。

 インリニアのほうが根負けしてため息を付いて、首を横に振った。シャリヤも意味が無いことを悟ったのか俯いてしまう。彼女がインリニアのことを気に入らない気持ちも分からなくはなかった。だが、そんなことを理由にインリニアを追い出すのも問題外だろう。一応敵であれ、ここまでして自分に執着する人間を放って置けるほど自分の人間性は腐っていない。

 しかも、そんなことをしても夕張の居るこの別の世界で生きていけるとは限らない。頭数が多いほうが安心できるのは当然だ。


"Xalijasti."


 シャリヤは名前を呼ばれると木漏れ日に銀髪を輝かせながら、こちらに振り向く。


"Deliu miss miscaon elm niv fal no, ja? Deliu fal panqa, cyfoistan ler miss tydiest etala'l mal melfert fhasfa."

"Ja, mi firlex......"

"Lecu ekce miscaon celdin miss? Selene mi tydiest mi'st quneer'tj."


 シャリヤは静かに頷く。そんな様子を見てインリニアはバツが悪そうに頭をかいていた。自分がうまく話せないだけあって色々と伝え漏らしている部分はあるだろうが、この状況ではしかたがなかった。


 そんなこんなで森を歩きまわって大分経ったはずだが、一行はまったくもって開いた場所に出られなかった。シャリヤはともかく、インリニアにさえ疲れの色が見え始めていた。


"N? Ers rypis?"


 オブシディアンブラックの瞳が怪訝そうに行く先の脇の茂み見つめている。何か動物でも居るのだろうとあまり気にしていなかったが、次の瞬間その予想は裏切られることになった。

 蹄を付けた馬、その鞍の上には背中に矢筒を付け、淡い色合いの鎧を付けた武将のような出で立ちでその風貌はシャリヤと同じ銀髪蒼目の人間が乗っていた。彼女は一本結びの銀髪を揺らしながら、こちらを観察しているようだった。彼女を先頭に同じように鎧と矢筒で装備したような者たちが後に続いていた。

 良く考えればファンタジー過ぎる光景に、それでも俺たちは皆圧倒される他無かった。それでもシャリヤは勇気を出したようで俺やインリニアよりも一歩前に、彼らに近づいた。


"Celdin plax!"


 しかし、馬上の武士っぽい人間たちはシャリヤの言葉にただ首を傾げることしかできなかった。


"Paifaiais fammiai an? Jais sail ?ouin?"

"Le chanths, est ne oune nuleit?"

"Mait, dais pele qoine!"


 三人目に答えた武士っぽい男は矢筒から矢を取り出してこちらに向けてつがえていた。何を言っているのか分からないが相手側に何か勘違いされているような気がしていた。なぜなら彼らもまた困惑した様子でこちらを見ていたからであった。

 シャリヤも、インリニアも圧倒されたまま一言も喋ることが出来ないという様子だった。武士たちもこいつらをどうすれば良いのかと悩んだまま仲間内でも話さなくなってしまった。完全な膠着状態に陥った瞬間、小さな風切り音が幾つも聞こえた。


"Ggatt!!"


 瞬間、馬上の男たちの胸から生えたかのように幾つもの矢が刺さる。そのまま、どうっと大きな音を立てて数人の男たちが馬から落ちた。矢は馬にも刺さったようで、別の数人は暴れる馬から振り落とされて再起不能になっている者も居る。

 そんな状態で周りの草むらから飛び出してきたのはならず者集団のような身なりの者たちだった。どうやらこいつらが奇襲をしたらしい。


"Doukache an! Raiderse feache desnoitiaile false!"

"Pas......!"

"Faileis ne coineaile! Fain!"


 一瞬だけ聞こえたリパライン語のような発音、その男の反駁に対して答えたのは先程この行軍の先頭にして現れた銀髪蒼目の一本結びの女性であった。彼女は衝撃で動けなくなっている翠たちを守るように短刀を構えるならず者たちの前へと馬を駆った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Xace fua co'd la vxorlnajten!
Co's fgirrg'i sulilo at alpileon veles la slaxers. Xace.
Fiteteselesal folx lecu isal nyey(小説家になろう 勝手にランキング)'l tysne!
cont_access.php?citi_cont_id=499590840&size=88
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ