表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
139/377

#139 Viojを理解する


---

xal 12 julupia

kladi'a 11 julupia

lirca 10 julupia

lavyrl 12 annia

xkardz 11 annia

falkac 10 annia

---


"fi fqa'd relod io tisod, als niss es vioj. xal ad kladi'a ad lavyrl ad xkardz es lirca ad falkaca'd viojeffe. lirca ad falkac es nisse'd viojunsar."


 インリニアがそれぞれの名前をペンで指しながら説明する。とりあえず理解できたことは、"viojeffe"は姉か兄を指し、"viojunsar"は妹か弟を指すということだ。どうやらこれらの単語は"vioj"という語幹から派生しているみたいで、もしかしたらこの"vioj"は性別・年齢にかかわらず兄弟姉妹の関係であることを意味しているのかもしれない。むりやり日本語で表すなら、「はらから」というあたりだろうか。


"Lavyrl ad xkardz ad falkac es xal ad kladi'a ad lirca'd viojaph. Xal ad kladi'a ad lirca es lavyrl ad xkardz ad falkaca'd viojakh."


 インリニアは説明を続けていた。名前を言うたびにリストの横に書いてあった"julupia"と"annia"をペンで指していた。

 つまり、これらの単語の区別は"julupia"と"annia"で分けられているようだ。"viojaph"は年齢に関わらず"annia"のきょうだい、"viojakh"は同じく年齢に関わらず"julupia"のきょうだいを指しているらしい。多分"julupia"と"annia"は性別を表すのだろうが、どっちがどっちか分からない。


"inlini'asti, mi firlex niv julupia ad annia'd kante. Co es julupia ol annia?"


 言われたほうのインリニアはそんなことも分からないのかという雰囲気で可笑しそうに苦笑した。


"Mi es julupia mal co es annia."


 ふむ。

 インリニアは女の子に見えるが、それで"julupia"を「女性」と捉えるのは性急だろう。もしかしたら、見た目は女の子だが、生物学的性別は男かもしれない。ただ、この点については自分が"annia"と呼ばれていることを考えれば、自分が男性であることは自明なので多分インリニアを指す"julupia"は「女性」で、翠を指す"annia"は「男性」を指すのだろう。


"Mi firlex."


 返答すると、インリニアは屈託のない笑顔で頷いてくれた。

 つまり、"viojaph"は女性のきょうだいを指し、"viojakh"は男性のきょうだいを指すということになる。"viojeffe"は年上のきょうだいを指し、"viojunsar"は年下のきょうだいを指す。これらの単語は"vioj"から派生しているということは男性を表す語尾"-ph", 女性を表す語尾"-kh", 年上を表す語尾"-effe", 年下を表す語尾"-unsar"が分離できる。表にあった"viojeffeph", "viojunsarph", "viojeffekh", "viojunsarkh"も分解すれば、それぞれが「はらから-年上-男性」=「兄」、「はらから-年下-男性」=「弟」、「はらから-年上-女性」=「姉」、「はらから-年下-女性」=「妹」であることが分かる。


"Mal, co nun. Ci es mi'd viojunsarkh?"

"Ja?"

"Ci'd ferlk es kali'aho.skalmlei. Edixa deliu mi josnusnon xel. Pa, ci es niv mi'd viojunsarkh."


 いきなり名前を呼ばれたカリアホは、暖かなテラスでうとうとしているところをはっとして"j, je'm?"と焦りがちに反応していた。インリニアがその様子をみて、くすっと笑っていた。


"Zu, naa'ra fon hata ler ci klie."


 "naa'ra fon hata"という言葉を聴いた時に、カリアホは興味深そうにインリニアに目を向けた。


"Harmue fgir mol? Ci lkurf harmie'd lkurftless?"

"Fqa'd unde io mol niv. Lirs, deliu co lersse lineparine ja?"

"hmm...... ja."


 インリニアに諭されながら、一つ疑問に残るところがあった。"fqa'd unde io mol niv."とはどういう意味なのだろうか。単純に訳すなら「この世界には存在しない」ということになるが、それではこの異世界の住民が自由に異世界に干渉しているように聞こえてくる。それはそれで面白そうな話だが、今まで見てきた世界の雰囲気的にそう言ったことは現実的ではなさそうに思える。「遠い異国」というところが、適当な落としどころだろう。


"defas kailaide lys mait fameis pele...... Cenesti, deliu mi tydiest."


 インリニアはいきなり立ち上がって、そう言った。腕時計を見てから、またこちらに手を振った。


"Ar firlex, salarua."


 翠がそうかえすと、インリニアはこちらを背にして大通りの方に戻っていこうとした。その瞬間、隣にいたカリアホが立ち上がる。


"Tooa pu!"


 カリアホの声はインリニアを呼び止めるようであった。インリニアは立ち止まっていたが、振り返らなかった。


"Aam je naa fo amn naara. fu?"


 カリアホは何かを訴えるかのように訊いていた。言葉は何も理解できないが、口調からその訴えの強さが感じられる。カリアホの長い黒髪が広場に吹く風で少し揺れた。


"......"


 インリニアは申し訳なさそうに頭を下げた。それが彼女にとっての精一杯の返答であったかのように、一切後ろを振り返らずにそのまま去ってしまった。

 立ち尽くすカリアホは何か異様なものを見てしまったかのような表情で立ち尽くしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Xace fua co'd la vxorlnajten!
Co's fgirrg'i sulilo at alpileon veles la slaxers. Xace.
Fiteteselesal folx lecu isal nyey(小説家になろう 勝手にランキング)'l tysne!
cont_access.php?citi_cont_id=499590840&size=88
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ