告白
すみません。
今回短めです。
ラスアは非常に居心地の悪い思いをしていた。
目の前には、保護者を初めとした家族たち。ラスアはベッドに縛り付けるように寝かされていて逃げ場はない。
ディグラムたちはみんな厳しい顔をしている。
(あたしなんかまずったっけ)
アシィを王宮に連れてくる、という任務は果たした。
地下の隠し通路は、王宮の王族が暮らす建物に通じていた。そこには、アシィの顔を知る者も当然いて、突然現れたラスアたちに一時その場は騒然となった。
それでも何とかアシィは引き渡したし、すぐにディグラムたちが来てくれたおかげでラスアが誘拐犯扱いされることもなかった。
今は、ダクリスたちとの戦いで負った怪我を治療されて当てられて客間で休んでいる。
ダクリスに傷つけられた肩は、月霄が大ざっぱに塞いでくれていたものの、結局開いてしまい今は厳重に固定されている。
ラスアの治療が終わるのとほぼ同時に、医師たちと入れ替わるようにディグラムたちが現れたのだ。
「ねえ。どうしたの?」
結局沈黙に耐えきれず、口を開いたのはラスアだった。
恐る恐るディグラムたちの顔色をうかがう。
怒っている、というわけではなさそうだった。それよりも困惑しているという感じだ。
見つめ合うこと数秒。答えたのは、ディグラムだった。
「ラスア。いくつか聞きたいことがあります」
「うん」
普段聞くことのない固い声に、ラスアは体をこわばらせた。
彼らが聞きたいことなど、一つだけ。王家の墓で起こったことだろう。
ラスアの報告を受けて、兵たちが王家の墓で倒れているダクリスたちを捕えた、と治療中に聞いていた。ならば誰かにあの場で起きたことを聞かれるだろうとは思っていた。
隠すつもりはなかった。
隠せるとも思っていない。少なくともダクリスにラスアはクレイヴを見せている。
今後のことも考えて、ディグラムに話さないわけにはいかないだろう。
「王家の墓で、なにがありましたか?」
その言葉に。
ラスアはあの場で起きたことを包み隠さず話した。




