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竜技の師と弟子  作者: 鷹城
第4章 封刃一族編
108/112

第108話 始炎 炎怒

  銀色ぎんいろの炎の刃を発したのはこれが初めてでは無かった……


 火龍ひりゅうラヴァが幼い頃、辺り一面ドロドロに溶ける溶岩の光景が日常な山の中、その茶色い地面に倒れ眠りから覚めたラヴァは突如脳内に響き渡る声に頭痛のような物を感じていた。


 それは"声"と言っても"何を"言ってるのか分からなかった……火龍ひりゅうの頭の中に広がる声は脳にまとわりつくように発せられ、怒りのようなもの、憎しみのようなもの、悲しみのようなものなど乾いた声、叫び声に似た何かを感じ取っていた。


「……ビギン……」


 その中で唯一かろうじて聞こえた言葉をラヴァは呟いた……

 すると腕の中の血が脈打つ感覚感じた手の先に銀色ぎんいろの炎の刃が揺ら揺らと揺れ伸びていた。


 すると脳内に響いていたはずの雑音は掻き消えた。


 掻き消える理解不能な声の大衆の終わり際に僅かだがハッキリと


 "始めろ"


 という声が聞こえた気がした。


 そののち火龍ひりゅうラヴァは時炎怒ジエンドを発現させる。 


 当初は火銀ビギンを発現しようと思っていたのだが一切発現する事はなくその代わりだと言わんばかりに紅い炎の刃が発現する様になった。











 ***


「……貴様……何をした!?」


 崩れかけた室内、剣の国の建物の上階、鋼拳龍こうけんりゅうレズァードは声を張り上げ火龍ひりゅうラヴァに問いただす。


「……!?」


 火龍ひりゅうラヴァが頭を抑え悶えている頭痛なのだろうか、とにかく先程と様子が全く違う。何か不気味な様子だった。


「……我が何をしようと汝が気にする必要はない」


 突然正気になり言葉を発したと思えば、その口調が変わっていた事にレズァードは戸惑いを感じる。だが戦意は消えていない寧ろ冷徹な口調で放った相手からは余裕すらも感じ取れる。


 目の前の赤いりゅうは銀色の炎の刃を後ろに引いた後跳びながら垂直に振り下ろす。



 まるで先程までの疲れは無かったようにその後片手で横振り縦振りと追撃の刃を振るい攻撃の手を止めない……


 レズァードはまだ尚残る体力でその攻撃を受け捌き切る。


 しばらく闘い続けたあとレズァードはまたしても威身電震いしんでんしんを発動する為に必要な動作、足を踏み鳴らす事を意識外に行ってしまう。


 自分の腹が貫かれる前から気付いた……この竜技りゅうぎは"発動を強制させている"……その様な竜技りゅうぎだと。


 そして今闘っていた火龍ひりゅうの先程までの動きや振る舞いが、以前レズァードが激戦の末打ち倒した、時炎怒ジエンドの使い手と似ていた事を。


「……そうか……貴様は……」


 倒れる直前レズァードは気付いた。




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