8.自己紹介(月久視点)
二重人格説をゴリ押ししてどうにかリジーちゃん(ついでに王子くんと黒髪くん)を説得して、取り敢えずヒツキちゃんに変わろうと意識を集中しようとしたらヒツキちゃんからストップが入った
「(どうしたっすか、ヒツキちゃん)」
≪変わる前に拠点になる場所、探して向かって≫
「(…?拠点はヒツキちゃん達でも探せるっすよね)」
≪魔法杖がない、から危険≫
「(他三人の魔法杖があるじゃないっすか)」
≪爆破しないとは限らない≫
「(あー、確かにそうっすね。了解っす)」
多分魔法で探せるんじゃないかなーと思ったけれど、どうやらヒツキちゃんは先程の魔法杖爆破を警戒しているらしく先程から何やらブツブツと考え事をしているようで、俺は触れずにおこうと思った
取り敢えず、ヒツキちゃんの言う通り拠点となりえそうな場所を探すためにウィンドウに映し出した地図に目線を移す
「やっぱ木の上とかっすかねー…んー、けどそうすると通行が手間っすね…それじゃ平地?だと狙われる可能性があるっすね…」
うーんと唸っていると黒髪くんが声を掛けてきた
「おい、つき…ひさだっけ?」
「うん?どうしたっすか…えーっと」
「…俺は椎名=市井。じゃなくてさ何をそこまで悩んでるんだよ」
「しいな…ああ、椎名くんって言うんすね。えっとっすねー、拠点ってどの辺りに作った方が安全かなーと考えてたとこっす」
「ああ、成程。ちょっと地図見せて」
「はいっす」
ウィンドウに表示している地図を見せていたらリジーちゃんもやって来て、二人で真剣にどこがいいかと思案しているなか、王子くんもやって来て控えめに地図を見始めた
「あ、そういやアンタ名前何て言うんだ」
「へ、あ、ああ…僕はバラック=メレ=レーシディアンというだ…イチ、イくん?」
「椎名で構わねーよ。そっちの女子二人は?ああ、つきひさは主人格の名前で頼むな」
「アタシはリジニア=チャドリックよ!よろしくねバラック王子にシーナ君!」
「主人格の名前ね、ヒツキ=アルバレードって言うんすよ。変わった時はよろしくっす」
椎名くんに言われて思い出したけど、自己紹介し忘れて行動開始しようとしてたなーうっかりうっかりと思ってたらヒツキちゃんに睨まれたように思う
「さってと、自己紹介も済んだことだし拠点探しがんばろー!」
「テンションたっか、こんな何の用いもなしに送り込まれてる時点で積みゲーだろ」
「それよりも、魔法杖が爆破したことが一番重要じゃないかい?アレが無ければ行動が制限されるし…」
張り切って拠点探しと言う名の地図とのにらめっこを始めたリジーちゃんとそれにツッコミを入れつつ川近くが良いと助言を出す椎名くん
最後に魔法杖の爆破が気になってしょうがないらしく、自分の持ってる魔法杖を不安げに見るバラックくん
とまさに全員自由な反応を見せており、さっそく纏まりがねーなーとつい苦笑が漏れた
書いてると自己紹介場面をついつい忘れてしまうって言うね!あっぶね