177.永遠領からの通信 2
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
ここまで聞けば、フランス人が最終的にどう選ぶかはもうだいたいわかった。
山口は扉の脇に立ち、三方の状況を俺に整理して伝えた。非常に高くついた火災の進捗を報告するみたいに。
外務省は拒否を怖がっている。
首相府は強いられたことを認めるのを怖がっている。
内安はもうこれ以上強引に押さえることを怖がっている。
三方全部が「我々は負けていない」と「二度目の電話はかけてこないでくれ」の間のどこかで顔を作ろうとしている。
「つまり、させる、と」と山口は言った。
「ああ」
「全然驚いてないですね」
「十五分も持ったことの方が驚きだ」と俺は言った。「フランスの行政的粘り強さってのは、俺の想像よりちょっとだけ上だったらしい」
山口は少し黙ってから聞いた。「彼女は何を言うと思いますか」
いい質問だ。
なぜならエリザヴェータは俺と違う。
俺は刃を言葉の中に隠すのが好きだ。
彼女は大抵、隠す手間すら惜しむ。
彼女は、人が丁寧に準備した文明の手続きを見て、非常に礼儀正しく一足で踏み抜くタイプの人間だ。
「たくさん言う必要はない」と俺は言った。「彼女が口を開けば、フランスが今夜かき集めた形容詞が全部、値崩れを始める」
山口が眉をひそめた。「言いすぎることは怖くないんですか」
「台風が窓のカーテンを乱すかどうか心配してるみたいな顔だな」と俺は言った。「彼女はそもそも、フランスの修辞に付き合うために存在してるわけじゃない」
しかも、この件で今一番面白いのはまさにそこだ。
フランスは必死になって、あらゆる線を切り分けようとした。外交の線、技術の線、歴史の線、手続きの線、世論の線。でも最終的にエリザヴェータ本人に喋らせざるを得なくなった瞬間、その切り分けた線が全部、出血を始める。
なぜなら彼女は、そもそも現代の行政の欄に収まるような存在じゃないからだ。
証拠物件でもない。
容疑者でもない。
協力者でもない。
保護対象者でもない。
ましてや「特殊な身分を有する関係者」でもない。
彼女は、官僚システムに「この世界には、書類を埋めるために存在しているわけじゃないものがある」と気づかせるタイプの存在だ。
俺は椅子の背もたれに寄りかかり、静かに指輪を回し続けた。時計がゆっくり正時に近づくのを聞いているみたいに。
「あと何分だ」と俺は聞いた。
「七分です」と山口は言った。
「二回会議を開いて、三バージョンのクソみたいな原稿を書いて、互いに一回憎み合って、それから深く熟慮した結果だと見せかけるには十分な時間だな」
「本当にフランスの官僚語が嫌いなんですね」
「違う」と俺は言った。「俺はフランスの官僚語を尊敬してる。人類文明がここまで来て、パニックをデザートみたいに飾り付けられるようになったと教えてくれるからな」
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首相府の側では、最後の決断会議がようやく決断会議らしくなっていた。
修辞の交換でもない。
失敗に新しい包装を施すのでもない。
シンプルで、直接的で、泥臭い問いだけが残っていた。
させるか、させないか。
ドヴォワールは外務省と内安から同時に送られてきた意見を見ながら、久しぶりに感じる種類の不条理感を覚えた。
この二つの部署は普段、互いを嫌い合うのが仕事みたいなものだ。
外務省は内安を粗野だと思っている。内安は外務省を軟弱だと思っている。
一方は文章が災害を遅らせられると信じていて、もう一方はドアの鍵が現実を止められると信じている。
それが今夜、この二つが同じ一件で同じ結論に達した。
させなければ、もっと早く死ぬ。
させれば、少なくとも死に方を選べる。
「総理からの授権は」とドヴォワールは聞いた。
助手がすぐ答えた。「原則は、さらなる国際的誤判を避けること。ただし、フランス側が不法拘束を認めたように見せてはならない、とのことです」
ドヴォワールはそれを聞いて、笑いそうになるのをこらえた。
政治的授権の偉大なところは、一つの文で同時に左と右を要求できることだ。そして何かあれば、なぜもっと真ん中に立っていなかったのかと聞いてくる。
彼は書類を机に押しやって、ようやく回り道をやめた。
「結論。通話を許可する」と彼は言った。
会議室が少し静まった。
拍手はない。
安堵の息もない。
全員わかっているからだ。これは解決策じゃない。爆弾を手から机の上に置き直して、みんなに姿勢を正しく座れと言っているだけだ。
「形式上の定義は――」副顧問が口を開こうとした。
ドヴォワールが手を上げて止めた。
「もう新しい言葉を発明するな」と彼は言った。「今から一語増えるごとに、明日ミームが一つ増える」
彼は助手を見て、一言一言区切るように指示を出した。
「外務省に通知。フランス側は確認的通信の手配に同意する。内安に通知。場所、設備、同席者は内安が準備するが、通話の実質的な内容を遮断してはならない。スロバキア窓口に通知。これは拘束状態の承認ではなく、特定の国際的関心事項への即時対応である」
助手が素早く書き留めた。
ドヴォワールはもう一言付け加えた。声はこの国家全体に向けた最後のわずかな善意の言葉みたいに低かった。
「それと、誰もエリザヴェータに話し方を教えようとするな」と彼は言った。「本当にそこまで愚かな人間がいたら、もうそれは危機管理じゃない。集団焼身自殺だ」
誰も反論しなかった。
それも本当のことだったから。
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外務省の側では、カウントダウンが残り三分になっていた。
当直主任は、スロバキア永遠領の回線に繋ぎ直す前に、思い切り自分の顔を両手でこすった。今夜に関わっていない別の人間に自分を擦り変えたいみたいに。
大臣が隣で最後の措辞を確認し、法務顧問が手続きを確認し、内安の窓口はすでにいわゆる「確認的通信の場」の準備を始めていた。その言い方は医療検査みたいに聞こえたが、実際には国家が自分のためにそれほど見栄えの悪くない病床を探しているのに近かった。
当直主任が喉を清めた。
それは非常に典型的な外交官の動作だ。自分には実際には主導権がないと誰もが知っていることをこれから口にする前に、せめて声帯だけはスーツと国章を着ているように整えておく動作。
「フランス側は、貴方の懸念に応じ、エリザヴェータ・フォン・ドラキュリヤ=バートリ・ストックマンとの確認的通信を即時手配することを申し上げます」
回線の向こうが一秒沈黙した。
たった一秒。でもそれだけで、当直室全員の背筋がもう一度緊張するには十分だった。
それから、古い冷たさを帯びたその声が静かに言った。
「結構です。こちらはお待ちします」
電話はすぐには切れなかった。
相手がもう一言付け加えた。
「彼女をお待たせしないように」
その一言は短かったが、文明世界の一段落分の注釈みたいだった。
私たちをお待たせしないように、ではない。
彼女をお待たせしないように、だ。
その瞬間、当直主任はふと理解した。この電話が始まった瞬間から、この件の主体はもうフランスがどう説明するかではなく、フランスにあの女性自身に一言喋らせる胆力があるかどうかになっていたのだと。
彼はゆっくりと受話器を置き、顔を上げて当直室全体を見渡した。
どの顔も疲れていた。
どの顔もまだ少し官僚らしい整然さを保とうとしていた。
どの顔も理解していた。今は物事が終わったのではなく、フランスがついに扉を少し開けることを強いられて、本当に面倒なものが自分で歩み出てくるのを待っている、ということを。
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「決まりました」と山口が俺に言った。
「通話させる、か」
「はい」
俺はうなずいて、すぐには何も言わなかった。
扉の外は静かだった。
この建物全体がまだ、何もかも通常の行政リズムの中にあるふりをしているみたいに静かだった。
あの照明も、白い壁も、書類ファイルも、修飾された言葉たちも、まだ朝のニュースが終わるまで自分たちが持ちこたえられると信じているみたいに静かだった。
俺はゆっくり笑った。
「フランスがついに正しいことをしたな」
山口が俺を見た。「そんなに気前がいいんですか」
「違う」と俺は言った。「ただ、国家がエリザヴェータ本人に喋らせることを強いられるときってのは、大抵その前に、後悔する価値のある正しい前置きをたっぷりやらかしてきた証拠だと思ってるだけだ」
俺は目を上げ、道徳の入れ歯みたいに白い天井を見た。
「次は彼女の番だ」
パリの夜は、まだ終わっていなかった。
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フランス人が本当に焦っているときの一番わかりやすい症状は、怒鳴り散らすことじゃない。
突然、異常なほど礼儀正しくなることだ。
語調がより平静になり、文がより長くなり、ネクタイがより正確になり、水を差し出す仕草さえ普段より二割ほど上品になる。まるでその一連の動作さえ完璧にこなせば、災難の方が表札を見間違えて、隣のドイツに引き返してくれると思っているみたいに。
残念ながら、災難は大抵、空気を読まない。
特に、その災難の名前がエリザヴェータ・フォン・ドラキュリヤ=バートリ・ストックマンで、フランスが自ら電話を彼女の口元に差し出すと決めたときには。
これは通話の手配じゃない。
国家機器が自分のために遺書を用意して、しかもその冒頭に共和国の紋章を入れることを強いられているようなものだ。
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内安の人間が先に動いた。
彼らはいつも先に動く。先見の明があるからじゃない。扉、椅子、ガラス、撮影アングル、録音権限さえ先に押さえれば世界は少し御しやすくなると、体に染み込むほど慣れているからだ。
地下三階の臨時通信室は、もともと「あまり多くの痕跡を残したくないが、自分たちが合法だと証明するための十分な痕跡は残さなければならない」という場面のために作られた部屋だった。壁はグレーがかった白で、照明は人間の顔色をまったく気にかけないタイプの冷たい光で、テーブルは行政予算で作られた告解室みたいにシンプルだった。部屋の中で一番こだわって選ばれたものが、一脚の水のグラスだった。透明で、紋様なし、個性なし。共和国が思い描く、すべての理性的な市民の魂みたいに標準的だった。
ラメールは入口に立ち、二人の技術員が収音を調整するのを眺めていた。その表情は、自分は出たくないのに出ないわけにもいかない結婚式を見ているみたいだった。
「カメラは正面と半側面だけ残せ」と彼は言った。
「はい」
「扉が映るな」
「はい」
「二台目のバックアップ録音は彼女に見せるな」
技術員が少し間を置いてから、小声で答えた。「はい」
この場所の人間はみんなわかっている。本当のプロフェッショナリズムとは設備の質の高さじゃない。どの機材の存在が認められてどの機材の存在が認められないか、それはとっくに工学の問題じゃなく、政治的衛生の問題だということを。
別の内安の職員が通話手順の草案を持って近づいてきた。冷めた行政法を一皿丸ごと食べた後みたいな顔色で。
「法務から確認が取れました。形式上の定義は『確認的通信』です」
ラメールは書類を受け取り、一瞥して、冷笑した。
「何を確認するんだ」と彼は言った。「俺たちがまだ生きてることか。それとも俺たちにまだ顔があることか」
その職員は答えなかった。
内安の組織では、皮肉を読めない人間は長く続かない。読めた上でまだ返せる人間は、もっと長く続かない。
書類には非常に美しいことが書いてあった。
フランス側は特定の国際的関心事項への尊重に基づき、安全な環境下において関係者が限定的な確認的通信を行う手配を整えた。
どの言葉もきれいだった。
どの言葉も消毒されたばかりみたいだった。
どの言葉も現実の後始末をしようと必死だった。
ラメールは紙を置いた。
「『限定的な』の三文字を削れ」
「ですが総理府の方では――」
「総理府がどう考えてるかはわかってる」とラメールは淡々と言った。「奴らはすべての呼吸を制度的善意として書き残したい。問題は、向こうは奴らの記者ブリーフィングじゃないということだ」
技術員が収音の調整を終えて顔を上げた。「室内メイン収音、バックアップ収音、デュアルライン同期、全て正常です」
ラメールはその小さな緑のランプが点滅するのを見て、ふと心電図みたいだと思った。
ただ、今回ベッドに横たわっているのは誰かじゃない。
フランス自身だ。
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外務省の側は、動きは遅かったが、高級な葬儀の前日リハーサルに近かった。
大臣室が夜間当直のリズムを一時的に掌握し、三つのチームが同時に原稿を書き、書き直し、削除し、削除したものをゴミ箱から拾い直して並べ替えていた。その全体的な光景は、近代西欧の政治文明を非常によく代表していた。棺桶が隣の部屋にあることは全員わかっているのに、白い花はユリにするかアイリスにするかをまず議論しなければならない。
副局長は三杯目の冷めたコーヒーを持ちながら、電話の向こうの法務顧問に同じ問いを繰り返した。
「もし彼女が通話の中で、自分が非自発的に隔離されていると直接言ったら、対外的な言葉はどう調整すればいい」
法務顧問が二秒沈黙した。心の中でフランス民法典に線香を上げているみたいに。
「すぐには調整しなくていい」と彼は言った。
「どういう意味だ」
「現場での発言が出た三十秒以内に、彼女を否定しているようにも見えず、拘束を認めているようにも見えない完璧な言い方を発明することはできないという意味だ」
副局長がこめかみを押さえた。
「じゃあ」
「だからまず、フランス側は関連する表述を認識しており、全容が明らかになり次第対外的に説明する、と言えばいい」
「それだと、他の誰かが自分たちが何をやったか決めてくれるのを待ってるみたいに聞こえる」
法務顧問は正直だった。
「実際に待ってるんだから」
外務省がこういう瞬間を一番嫌うのはそこだ。
彼らが得意なのは、余地のある気まずさ、交渉可能な嘘、緩衝材付きの誤解だ。
でも今回はそうじゃない。
今回は、フランス第五共和国よりずっと長く生きてきた女が、自分の側の人間と直接通話しようとしていて、フランスにできることは自分がどの角度で踏まれるかを選ぶだけだ。
大臣の秘書が最新版の対外Q&Aを持って入ってきて、小声で読み上げた。
「メディアからフランス側が彼女の自由を制限しているかと問われた場合――答え:フランス側は個別案件の接触の詳細についてリアルタイムでのコメントは行わないが、すべての手配は安全と尊厳への配慮に基づいている」
副局長が顔を上げた。
「『尊厳』を削れ」
秘書が少し固まった。
「なぜですか」
副局長の口の端が動いた。笑いたいのか、吐きたいのか、どちらともつかない動き方で。
「今夜、他人の尊厳を語る資格が一番ないのが我々だからだ」
部屋が一瞬静まった。
誰も反論しなかった。
これが外交の一番悲しいところだ。どの言葉を口にしてはいけないか、ときに本当にわかっている。ただ、それがわかっていても、別に安全になるわけじゃない。
「とても面白い」★四つか五つを押してね!
「普通かなぁ?」★三つを押してね!
「あまりかな?」★一つか二つを押してね!




