176.前後挟み撃ち 1
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件・名称等は一切関係ありません。
フランス外務省夜間当直室の空気は、「イスラエル外務省」という言葉が落ちた瞬間、突然ある種の宗教的な感触を帯びた。
神聖な種類のそれじゃない。
全員が突然、今日自分がどんな戯言を口にしたか、どんな美しいが役に立たない言葉に署名したか、どの厄介な書類を隣の部署に押し付けたかを振り返り始める、そういう種類の宗教的感触だ。
当直主任はまだ受話器を手で塞いでいた。指の関節が白くなっていた。酒宴を仕切りに来たんじゃなく、共和国全体の遺体収容を担当する葬儀屋として呼ばれたと今初めて気づいた人間のような顔だった。
「誰に転送する?」隣の人間が聞いた。
この問いはとてもフランス的だ。
カーテンに火がついても、最初の反応は水をかけることじゃない。法的にどの部署が水をかける権限を持つかを先に確認することだ。
「まず中東・北アフリカ局に——いや、待て、これは地域問題だけじゃない」上級官僚が即座に自分を覆した。「政治・安全保障局を先に——いや、これも安全保障だけの問題じゃない。法務も要る、人権顧問も要る、それから——」
「内務安全も」別の人間が釘を飲み込んだような声で付け加えた。
部屋が半秒静まった。
この件に内務安全が関わっていることは全員知っていた。
そして全員が、内務安全がこの瞬間だけ、フランスの歴史教科書の中のある種の責任のように、語りの中から自動的に消えてくれることを強く望んでいた。
当直主任は電話を転送し、こめかみに薄い汗が滲んだ。普段はカフスボタンと複文の構造にこだわる人間で、最も得意なことは政治的危機を品のある説明に包み直すことだった。だが今夜は違う。今夜は説明そのものが牙を剥き始めていた。
回線の向こうの英語を聞きながら、声はどんどん平坦になり、顔色はどんどん白くなった。
向こうの口調は非常に丁寧だった。
本当に恐ろしい国家は、多くの場合、非常に丁寧だ。
ご両親のお体はいかがですかと挨拶しながら、ついでにあなたの家の屋根が衛星写真で雨漏りを確認済みであること、写真は三部保存されていて一部はあなたに、一部は議会に、一部はあなたが否定した時に公開する用に取ってあると通知するような、そういう丁寧さだ。
「はい、フランス側は関連映像と外部での議論を認識しております……はい、貴方のご懸念は理解しております……いいえ、現時点では個別案件の詳細についてこれ以上のコメントは差し控えさせていただきます……」
そこまで言ったところで、回線の向こうがまた何か言った。
当直主任の口の端が一度引きつった。
「いいえ、もちろんそういう意図ではありません」彼はすぐに言い直した。「フランス側は特定の歴史的トラウマを背景に持つ方を、不当な手続き的プレッシャーの下に置く意図は一切ありません。外部に誤読があるとすれば——」
「誤読」という言葉を口にした瞬間、部屋にいる人間まで思わず床を見たくなった。
ある言葉は、ある瞬間に使ってはいけない。
葬儀でデザートは何時に出るかと聞いてはいけないのと同じように。
不鮮明な映像の中に、黄色い星形があり、針痕があり、切傷があり、尋問官をその場で沈黙させた瞬間があった。そしてフランス外務省はまず「外部の誤読」から始めようとしている。この姿勢は共和国の品格を完璧に体現していた——地雷原の上に立っていても、まず革靴を磨かなければならない。
電話が切れた時、当直室の全員がすぐには口を開かなかった。
しばらくしてから、当直主任はようやく受話器を置いた。焼けた鉄の塊をテーブルに戻すような置き方だった。
「向こうの要求は何だ?」誰かが低い声で聞いた。
当直主任は眉間を揉んだ。
「一つ目、あの女性の法的地位と接触条件についての正式な説明。二つ目、映像の内容が事実かどうかの確認。三つ目、独立した調査を開始したかどうかの確認。四つ目——」
彼は少し止まった。
「四つ目、件が国際メディアの紙面に広がってから初めて、ある種の紋章が二十一世紀のヨーロッパの政治において何を意味するかを理解し始めるつもりなのかどうかを問われた」
部屋の誰も笑わなかった。
笑い話じゃないからだ。
これは高級外交言語による、正面からの平手打ちだ。
「内務安全側が出してきたバージョンは?」副主任がすぐに聞いた。
「まだあの八行だ」
「その八行の中に、イスラエルへの回答に使える一文はあるか?」
当直主任は少し考えてから、正直に言った。「ある」
「どれだ?」
「日付だ」
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同じ時間、フランス内務安全システムの地下会議室では、コーヒーメーカーが三時間連続で稼働していた。国家のために血を提供することを強いられた疲弊した家畜のように。
ここの人間は外務省ほど言葉にこだわらない。鍵、扉、カメラの死角、記録の切断点、そして現実をより管理しやすくするためのあらゆるものにこだわる。
世界は圧縮して、切断して、ファイルに綴じることができると彼らは信じている。
圧縮できなければ、重量を増やす。
切断できなければ、刃を変える。
だが今夜、白い部屋のあの十二秒の映像は錆びた釘のように、機械全体の歯車の中に引っかかっていた。
ラメールは長テーブルの端に座っていた。顔は公開するつもりのない公文書のように暗かった。目の前には何枚かの紙が広げられていて、その一行一行が、彼が普段「手続きの掌握」という言葉に向けてきた信仰を嘲笑しているようだった。
「もう一度言う」彼の声は低かった。「今の問題は誰が映像を外に出したかじゃない。それはもちろん問題だが、最大の問題じゃない。最大の問題は——なぜ外の人間が今、私たちが人間を分類して処理していることをすでに知っているかだ」
誰も返事をしなかった。
答えは全員が知っていたからだ。
ただその答えは安全ピンじゃない、魚の骨だ。口にしても事態は解決しない。ただ全員が一緒に喉に何かが引っかかった感覚を持つだけだ。
ついに、技術分析官の一人が覚悟を決めて口を開いた。「『分類』という言葉は正式文書からは出ていません」
ラメールは目を上げて彼を見た。
「だが正式な行為から出た」と彼は言った。
その分析官はすぐに黙った。
記録担当の別の官僚がメモを繰りながら、乾いた声で言った。「現在ネット上の輿論は、私たちの三本の処置ラインをつなげています。スロバキアの方は外交的拘束とみなされ、チェコのエンジニアは技術的盤問とみなされ、あの女性は歴史的トラウマを持つ者への不当な尋問とみなされています。この三本は元々別々だったのに、今は——」
「今は同じコース料理として出されている」ラメールは冷たく言った。
誰かが頭を下げて、彼を見ようとしなかった。
内務安全の最大の誇りは、力じゃない。切断する能力だ。
一つの危機を三十七の断片に切り分けて、それぞれの断片を適切な人間にだけ見せる。各環節が自分の小さな責任だけを知るようにする。そうすれば最終的に、件全体はある種の自然現象のようになる——自分で生まれ、自分で完了し、親が見つからない何かになる。
だが今回は違った。
外の人間が彼らより先にパズルを完成させた。
「すべての原始記録を封存しろ」ラメールは言った。
「すでに対応中です」
「接触名簿を再整理しろ」
「すでに対応中です」
「関与人員の口頭規律を再確認しろ」
「それも既に——」
「映像の中の『記録を停止する』という言葉、誰が言ったんだ?」ラメールが突然聞いた。
部屋が静まった。
この問いの恐ろしさは、答えにくいからじゃない。
答えやすすぎるからだ。
白い部屋は市場じゃない。中にいた人間はほんの数人だ。声、位置、口調、すべて照合できる。
だが照合できるからこそ、誰も最初にその名前を口にしたくなかった。
しばらくして、年配の官僚の一人が静かに言った。「主任尋問官です」
ラメールは彼を見つめた。
「理由は?」
「現場の状況が続行に適さないと判断したためです」
「それを人間の言葉に直せ」
その官僚の喉仏が動いた。
「……現場が質問を続ける条件を失いました」
この一文は前の説明より少しだけ正直で、ずっと聞き苦しかった。
ラメールは冷たく笑い、椅子の背もたれに体を預けた。
「フランス内務安全、質問を続ける条件を失った」彼はその言葉をゆっくりと繰り返した。極めて苦い薬を味わっているかのように。「これだけの年月をかけて、ようやく自分たちを白い部屋一つも制御できないレベルまで鍛え上げた。募集要項に書く価値があるな」
この皮肉に誰も続けなかった。
ラメールが言っているのは事実だったからだ。
内務安全システムが最も恐れるのは、相手が強硬なことでも、沈黙することでもない。相手が、自分たちがただ手続きを執行しているだけだという振りをもう続けられなくするものを取り出すことだ。
沈黙は怖くない。
手続きを罪の証拠に見せる沈黙が、怖い。
彼は手を伸ばしてこめかみを押さえた。
「首相府は?」
「説明の統一を求めています」
「向こうに何か説明があるのか?」
「現在の草案はこうです——フランス側はすべての関係者に対して同等の敬意と安全保障を提供しており、個別接触対応は外部からのプレッシャーを軽減し、情報の交差的な歪曲を避けるための配慮に基づくものである」
ラメールは聞き終えて、目を閉じた。
「素晴らしい」と彼は言った。「全フランス国民に、私たちが生きた人間を分類保存していると信じさせることが目的なら、その文章はトップページに直接使える」
誰かが小声で聞いた。「では修正した方がいいですか?」
ラメールは目を開けて、その若い官僚を静かな目で見た。
「何を修正する?」と彼は言った。「言葉か?それとも、すでに起きたことか?」
その官僚は骨を抜かれたようにすぐに縮んだ。
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