敵艦見ゆ
敵の防衛線を突破。
潜水艦隊は水雷戦隊とともに本丸へと乗り込んでゆく。
レーダーには後方からついてくる本隊の影が写っていた。
ここで旗艦綾姫から映像が送られてきた。
「航空戦力が必死に撮影してきた敵の本陣だ」
まるで島がひとつ、宇宙空間にただよっているような、そんな姿であった。
それを取り囲むような、大型艦艇。
無数の空母をはじめとして、戦艦クラス、重巡クラスが沖合に停泊していた。
まずは空母が艦載機を飛ばし、ア軍航空戦力を迎撃する。
さらには島からも航空戦力が立ち上がった。
ア軍航空戦力は二手に分かれて、空母を襲う雷撃隊。
島の航空基地を襲撃する爆撃隊と役割を決めたようだった。
戦艦や基地から高射砲が火を吹いていたが、弾幕が薄い。
空母は次々と傾き、基地は爆炎を上げる。
この効果をジョー司令官は、「俺たちが護衛艦隊を引き離して仕留めたからよ」と誇らしげに言う。
確かに、あれだけの護衛艦隊がレーダーで正確に航空戦力を捕らえ、いち早く迎撃をしていたなら、こうも簡単には本陣への斬り込みは成功しなかっただろう。
僕たちも少しは役に立ったみたいだ。
「もしもウチの第二波がいい成績出したらよぉ」
ジョー司令官だ。
「それだけで敵は白旗挙げるかもな」
どうかそうあって下さい。
しかし現場の人間の希望など、一切通らないのが世の常である。
戦艦を先頭に、重巡たちや残存の護衛艦隊が張り切って出陣してきたのだ。
「第十六潜水艦隊、魚雷戦用意!」
ジョー司令官の指示がくだる。
僕たちは発射管に魚雷を装填した。
当然だけど潜水艦隊はすでに亜空間へともぐっている。
僕たちは戦艦一隻に対して四本ずつ魚雷を発射した。
それから残る二本の魚雷は、桜姫と共同で同じ船をねらう。
水雷戦隊は一度反転。
戦艦たちの射程から逃れている。
僕たちの魚雷で傷ついた艦隊にとどめを刺す役割なのだ。




