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9、側室失格ですか?

朝、気持ちの良い朝です。

チュンチョンと、小鳥たちが綺麗な声で鳴いています。

うーん…とっても素敵な朝ですね!


「何か、良いことがありそうです!」

「エリーゼ様、おはようございます」

「お調子はいかがですか?」

「元気です。心も体も、元気いっぱいですよ!」


私がのんびりと伸びをしてベットから起き上がると、いつの間に来ていたのか、

エルさんとセレナさんがすぐそばに控えていました。

そして、なぜか瞳を輝かせながら私に話しかけます。

どうしたのでしょう?


「どうしました?2人とも、目がとても輝いていますね!何か、良いことでもありましたか?」

「えっ…あ、いえ、私は…目が輝いているなどありませんわ…エリーゼ様」

「わっ私もですよ、エリーゼ様!目なんて輝いていません!」

「嘘です!だって、目がキラキラしてますもの!」


2人は輝いていません!と言い張っていますが、きっと嘘ですね!

本当に目が輝いていて、2人からキラキラとしたものが出ているような気がしますもの!

私がそのことを伝えると、セレナさんは少し頬を赤く染めました。


「えっと…その、エリーゼ様は…へ、陛下と、はっ初夜を迎えたのですよね?」

「初、夜?…って、なんですか?」

「えっ、まさか迎えてないのですか!?あ、あの、初夜というのは…」


なんですか?その、初夜って…?

詳しく聞かせてほしかったので、私はセレナさんを見ますが、

セレナさんは顔を真っ赤にして答えてくれません。

そこまで顔を真っ赤にされると、とても気になりますね…!


「私、本当にわかりません。教えてくださいませんか?」

「えっ、と…私の口からは、とてもじゃない限り言えないですっ!!」


私は下から目線をしながらセレナさんに迫ります。

エリーゼさんはとっても綺麗ですから!綺麗な方が下から目線攻撃をしてきたら…

誰でも言う事を聞きたくなりますよね!ふっふっふ…私、悪女です♪

けれど、セレナさんは中々言ってくれません。

下から目線攻撃が効かないなんて…!うぅ、少しショックです。


「…初夜というのは、男の方と女の方の夜の営みのことです」

「…ほぇ?い、いとなみ…営みって…!!まっまさかっ!!」

「そのまさかだと思われますわ」


セレナさんが、言いづらそうにしていると、エルさんが教えてくれました。

…のは、良いのですが…。

あーーーっ!!!いやーーーーぁ!!!!!

頭の中で、思い切り叫んでしまいます。

すっかり忘れてました!日本には、そんなことなんてありませんもの!


「どうしましょう、どうしましょう!私、側室失格ですか?」

「うーん、どうでしょう…。まぁ、奥方様たちなら笑って許して下さると思いますよ」

「私はまだ、奥方様に会ったことはありませんが、きっと大丈夫ですよ!」

「そうですかね…‥」


なるほど、だから陛下は昨日の夜に私の部屋に来たんですね!

うーん…私、本当にこの世界についてよくわかってないみたいです。

もっともっと、勉強しなければ!

思い立ったが吉日、私は2人に向かって言いました。


「今日は書庫へ行って勉強をしたいと思います!」


けれど、私が宣言したにも関わらず、2人は微妙な笑顔で微笑んでいるだけです。

どこか悪いところがあったでしょうか…。

私が何か言いたげな表情していると、エルさんが言いました。


「…エリーゼ様、今日は後宮に来て1日目ですので、少し周りを歩いてみるのはいかがでしょう」

「そうですよ、エリーゼ様!‥それに、朝の祈りの時間も迫っていますから!」

「あっ朝の祈り、ですか?」


そういえばこの国って、男神様が作られたって言われている国でしたっけ。

日本では宗教なんてほとんど意識してなかったのでわかりませんが、そういえば、陛下って男神様の血筋を受け継いでいるんでしたっけ。


「時間って…あとどれくらいですか?」

「えっと…ひゃあっ!もう、ほとんど時間がありません!急ぎましょう、エリーゼ様!」

「へっ?…あ、はっはい!」


どうやら時間が本当に少なかったようです。

私はエルさんとセレナさんに手伝ってもらい、急いで髪を整えるとできるだけ急いで部屋を出ます。

朝の祈りは、城の奥の方にある「祈りの間」という場所で行われるそうです。

って、奥の方ってすごく遠いじゃないですかーっ!

私は歩いてるように見せながら走ります。

そのおかげなのか、私は朝の祈りの時間に間に合うことができたのです!

…ほとんど走っていたと思いますけどね!それは考えてはいけません!


++++


「はぁっ、はぁっ……!どうにか間に合いましたね……!!」

「そうですね、エリーゼ様!次からはもっと速くしなければなりませんけど……間に合ってよかったです!」


私たちは息を思い切り吸ったり吐いたりして呼吸を整えます。

……って、あれ?なんと、エルさんは全然疲れた様子を見せていません。

す、すごいです!私は思わず、羨ましそうな目でエルさんを見てしまいます。

すると、その視線に気がついたのかエルさんは笑って言いました。


「昔、ちょっとたくさん走るような仕事をしていたのです。そのおかげで、走ることは大分得意になりましたから」

「へぇー、すごいですね。エルさん!私にもその体力が欲しいです……」


前の世界では体育の授業で走っていたはずなのに……どうしてでしょうか?

も、もしかして……太っちゃいましたか!?そ、そんな…………!


「ダイエットをした方が良いですかね……」


思わず、呟いてしまいます。

するとセレナさんが、不思議そうな顔になりました。

あれ?私、変なことを言っちゃってましたか?


「ダイエット、って……なんですか?エリーゼ様」

「えっ?……あ!だ、ダイエットっていうのはですね……」


慌てて考えます。そうです、この世界にはダイエットという言葉なんてありませんでした!

私が頭を回転させて考えていると、


「エリーゼ」


不意に、懐かしい声が聞こえてきました。















かなり遅れてしまい、申し訳ありません!

この国では、神さま(男神)を祀っている国ということになっています。

ですが、あまり宗教っぽくないようになってしまいます。(主に私の勉強不足のせいですけど……)

「ここが変?」などと思った場合でも、暖かい目で見て頂ければ幸いです。


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