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「魔王は何故こんなに馬鹿なのか」

「魔王様、ついに勇者が魔王城までやってきました」

「む? 騒がしいなメイド。ヤツの始末は四天王に任せていたはずだが……?」

「魔王様が戦力の逐次投入とかバカなことしたので、順番に各個撃破されました」

「しかし、レベル一桁の勇者に部下を四人も向かわせるとか魔王の矜持に反するだろう?」

「レベル差があると経験値が跳ねあがりますからね。何度死んでも所持金半分失う程度で復活する勇者相手に大量の経験値くれてやるとかバカですか。今じゃ勇者、百超えてますよ?」

「ほう、我が相手をするに足るレベルにまで育っていたか。ならば我自ら引導を渡してやるとしよう」

「そんな余裕ぶってると、足元をすくわれますよ?」

「なあに、勇者といえどもしょせんはただの人間よ。我にはこの闇の衣がある。これさえあればしょせん人間ごときには傷ひとつつけられはせん」

「……でも、闇の衣のそこ、ほころんでませんか?」

「む、この間玉座の手すりに引っかけた時に破けてしまったか? お前、ちょっと繕ってくれんか?」

「勇者が来るってゆーのにそんなことしてる余裕あるんですか?」

「なあに、我には心臓が3つある。三つをほぼ同時に破壊でもされない限り、闇の衣抜きでも我は死なぬよ。ぬぎぬぎ、っと。……ところで、貴様、見ない顔のメイドだな? 新入りか? 今晩あたりどうだ、ん~?」

 あたしは、無言で間抜け顔で闇の衣を差し出した魔王の足を払って転ばせると、背後に隠し持った勇者の剣で順番に左右の心臓を破壊した。

「むごぉ、な、何をする貴様ッ!?」

「……なんで魔王はこんなに馬鹿なんだろう」

 あたしはため息をひとつ吐いて、魔王にとどめを差した。

ありがち。

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