新メニュー開発
ニャック側とブラック側の、自己紹介を兼ねた情報交換が終わった
これでようやく話が動くようだ
最初に仕掛けたのはブラック
ブラック
「…いつの間にそんな大規模パーティを作って、流れでロシレッタを救ってたんだ?」
ニャック
「兄ちゃんがソロクエ受けてる間だよ〜
それより、その…ラプテラスは?」
ブラック
「…これは食材にと持ってきた
なんなら調理して店に出せ」
ニャック
「丁度良かった!
今新メニュー考えてた所なんだよ〜」
ブラック
「それから…
…例の罠は?」
ニャック
「…まだ掛かってないな〜
とりあえず隠蔽は完璧だから、勘付かれる事はないと思うね」
ダンテ
「…何の話かさっぱり分からない」
サクラ
「とりあえず、新メニューの方針は決まったみたいですね」
ユリーシャ
「ラプテラスを使った料理、ですか…
…一体、どのような物になるのでしょうか?」
グリ
「客に出す料理とは思えねぇな」
アリア
「そうか?案外いけると思うけど」
ニャックがラプテラスの肉を調理場まで運び、調理が始まる
調理音から察するに焼き料理になるようで、肉が焼けるいい匂いが〈黒猫亭〉に漂ってくる
匂いを嗅いでいるだけで食欲が湧いてくる
ニャック
「とりあえず塩胡椒で焼いてみたぞ〜
料理名はひとまず『ラプテラスステーキ』ってとこかな?」
アリア
「グリ!美味そうな匂いだな!」
グリ
「姉貴…
先にヨダレ拭こう」
サクラ
「ただ焼いただけにしては、普通に美味しそうですね」
ユリーシャ
「一体どのような味なのでしょうか」
ブラック
「…俺は遠慮しておこう
次のクエストの準備がある」
ダンテ
「今帰ってきたのに、また行くのか…
…早速だが、試食してもいいか?」
ニャック
「ってか早く試食してくれ
新メニューの改善の為にも、意見が聞きたいからな!」
食事用のナイフで食べやすい大きさに切り、食欲のままに口に運ぶ
味は、鳥肉とドラゴン肉を足して2で割ったような味…まあ要するに鳥肉の味だ
しかし、あっさりし過ぎていて肉を食べた感じはあまりしない
匂いは美味しそうなのに…
ダンテ
「なんか…食べた感じがしないな」
アリア
「なかなか美味いと思うけど?」
グリ
「いつもと同じ感じだな」
ブラック
「…お前ら姉弟の食レポは信用ならないな」
サクラ
「味が優し過ぎますね」
ユリーシャ
「もう少しパンチが効けば美味しくなりそうですね」
ニャック
「胡椒はかけたんだけどな〜
他に出来そうなのは…トゲの実とかか?」
サクラ
「トゲの実でしたら、チャスナットシューターですかね?
自立歩行して、トゲ付きの実を投げつけて攻撃してくる木です
トゲの実の中身は食用になり、滋養強壮に優れるそうです
命中力に優れる実を連射してくるので、避けるのは諦めて守りを固めるのが良いでしょう
弱点は炎です」
ダンテ
「突然魔物知識語り出したな…
味の他にも、ジューシーさがないのも問題かもしれないな」
ニャック
「肉汁のことか?
焼いてる時にほとんど出ちゃうんだよな〜」
アリア
「その前に、そのトゲの実ってやつを使ってみたらどうだ?」
ニャック
「まあそれもそうだな
早速トゲの実を…ってあれ?」
ユリーシャ
「どうしたんですか?」
ニャック
「トゲの実の在庫が…ない!?」
コボルド店員
「トゲノミデシタラ、サクバンマスターガタベテマシタヨ」
ニャック
「とーちゃんが?」
ブラック
「…どうせ酒のつまみにでもしたんだろ?」
グリ
「トゲの実がないなら、取りに行けばいいじゃないか?」
サクラ
「チャスナットシューターは主に森に生息しています
ロシレッタ周辺の森でも、見つけられる可能性は十分にありますね」
ユリーシャ
「では、本日はトゲの実狩りという事ですかね」
アリア
「せっかくだし、私たちも行くか?」
グリ
「…言い出しっぺの法則って言うし、拒否できねぇよなー」
ダンテ
「早速出発しようぜ」
ニャック
「いや、ダンテは残ってくれ」
ダンテ
「…え?」
ニャック
「ちょっと前に〈竜牙の矢〉作ってただろ?
あの腕を見込んで、新メニュー開発を手伝って欲しいんだよね〜」
ダンテ
「いや…
俺最近は筋トレくらいしかしてないから、そこまで手伝えないと思うが…」
ニャック
「ダンテの代わりに兄ちゃん!
トゲの実狩りに行ってきてくれよ」
ブラック
「…あ?」
ニャック
「いやだから毎回武器構えるのやめろっての〜
バランス的に考えて、多分兄ちゃんが参加すればいい感じになると思うからさ
どうせこの後ソロでクエスト受ける予定だったんでしょ?
人数が増えるだけだしいいじゃん?」
ブラック
「…癪に障るが仕方ない
要するに木を切ればいいんだな?」
ニャック
「話が早くて助かるよ〜
それからユリーシャさん!」
ユリーシャ
「はい、なんでしょうか?」
ニャック
「引率は任せた!」
ユリーシャ
「…分かりました
私に任せてください」
ニャック
「トゲの実は…30個もあれば足りるか?
最低でも10個は欲しいな」
アリア
「それって具体的にどれくらいの量なんだ?」
サクラ
「計算すると、チャスナットシューター1体が落とすトゲの実の数は平均して1.5個です
大体6.66…〜20体倒すことになりますね」
グリ
「要は7体以上って事か
骨が折れそうだな…」
ブラック
「…先に行くぞ」
ユリーシャ
「ブラックさん、待ってください!
先走っては逸れてしまいますよ」
ニャック
「そんじゃ、頼んだぞ〜
…でだダンテ、この肉汁出過ぎ問題をどう解決するかなんだが…」
ダンテ
「…いや俺は料理初心者だぞ?」
…こうして、トゲの実を集める為に5人が旅立ったのである
老人
「少し強引だが、今回の目的は決まったな」
王冠帽の青年
「またクエストを受けないのか…」
隻眼の青年
「これをクエストにしたところで、パーティ間で金が動くだけだからな〜」
子供
「こんかいはなにをせつめいするの?」
王冠帽の青年
「前回はアリアだったから…姉弟繋がりでグリか?」
老人
「まあそれが一番自然だろうな」
隻眼の青年
「んじゃ説明するぞ〜
グリは人間の軽戦士で、中の人はアリアと同じく旅人さんだ」
王冠帽の青年
「…今度はどんなバケモノなんだ?」
隻眼の青年
「実はそこまでバケモノではないんだよな〜」
老人
「いや、あの回避性能は普通にバケモノだと思うぞ…」
王冠帽の青年
「そういえば、グリの初登場回では全部の攻撃を難なく避けてたな」
隻眼の青年
「正直、グリに命中判定の攻撃を当てる手段が見つからないんだよな〜」
子供
「アリアとグリはどんなひとなの?」
王冠帽の青年
「それ俺も気になってたんだよな
何処かの森の中で彷徨ってたけど、その前は何をやってたんだ?」
老人
「中の人が外伝書くかもって言ってたんだがな…」
隻眼の青年
「まあ残虐非道の破壊軍に加入する少し前ならいいんじゃないか?
ってな訳で説明すると、アリアは防御力の高さ、グリは回避力の高さが売りの冒険者だ
でも、どんなに生存率が高くても、火力が無ければ強い奴とは戦えないだろ?
だから簡単な依頼を大量に受けて、それを無傷で解決してたらしいね〜
雑魚敵のクエストは全部この姉弟に取られちゃうから、新米冒険者からすると溜まったもんじゃないけどなw」
王冠帽の青年
「まあ、確かに守りだけじゃ何もできないからな」
老人
「だが、力があるだけというのも問題なんだがな…」




