十二話、夏の悪夢
あと2日で、この作品を書き始めて二ヶ月が経とうとしています。
話数が90を超えていたことに困惑してます。
◆◆◆
皆様、如何お過ごしでしょうか。アリヤです。
お嬢様視点でお送りしたかたったのですが、私が担当することになりました。
お嬢様が地の文を担当すると全部ひらがな+抽象的になり、「お前は詩人エミリーでも目指してんのか」というツッコミが溢れそうなので遠慮しました。
さて現在は秋の真っ只中です。
この前の冒険活動で。お嬢様からいただいた紅葉の写真は綺麗でしたねー。
今私の部屋でお嬢様の抜けた髪の隣で大切に保管してます。
「海だ」
なのに。なぜ、なのでしょうね。
なんかもう、隣で暁さんが虚無った目で海を眺めてます。
「水着、買うの…!」
ウェルがノリノリで海の家に突入して行きました。
「僕は部屋で寝てるから時間になったら起こしてよ、バカ姉」
ウェルに捕まり、水着を買いに行かされてる朝凪さんが見えます。
はい。端的に、私の疑問と状況を説明致しましょう。
----なんで夏になってるの????
◆◆◆
みーんみんみんみん……
きゃっきゃ、うふふ……
ばごぉぉぉぉん、どごっ、がごっ゛……
至る所で夏の音色が聞こえる地域。
————尚、現在は秋である。
「……不滅の夏」
綴がポツリと呟く。
そしてそれはこの〝夏の気候になる〟という現象の名称でもあった。
「時期、場所、気温、共通していることといえば日本であることぐらいの異常気象……我々は怪異の仕業だと睨んでいる」
そのところ、どうなのだ。と正道が綴へと目を向ける。
「ええ。確かに見方によっては怪異の仕業ですよ、これは」
見方によっては……と、少しばかり妙な言い回しをするなと感想を覚える。
「ですがまあ、怪異の仕業という扱いで差し支えないですよ」
————ぴょこっ
「ふむ。意見ありがとう」
「どういたしまして、ですよ。詳細の情報が欲しければ娘さんの結婚を認めるという趣旨の言葉と引き換えにどうぞ」
————もふぅっ……
「それは兎も角、綴くん。一ついいかね」
————ばさっ
「…………はい、なんでしょう」
「…………なんでバニーガールの服を着てるんだね?」
「…………………」
うさ耳、うさぎの尻尾のような装飾、バニーガールの男性版のような服装。
————それを綴が着ていた。
「……………」
「…………バニーボーイ風の、水着ですよ、これは」
綴は正道の指摘に対して訂正を行う(違うそうじゃない)。
「……………」
「………………」
痛ましそうに目を伏せる正道。
死んだ魚みたいな目で遠くの海を眺める綴。
「…………空、青いな」
「………………そうですね」
二人とも空、見てないが。
「………………娘さんの趣味だと言えば、信じていただけるでしょうか」
「……まあ、誰かによる……と思うが」
アリヤがアラカ限定でドン引きするレベルの行動を繰り返す。
ウェルはセーブされてるとは言え、最近アラカの残り湯でカップラーメンを食べていた。
「…………………」
「…………アラカくんから、その、なんだ……」
————アラカぐらいしか居ない。
それが両者とも分かっているため、この沈黙である。
「…………異性として、見られて、よかったじゃないか」
「……………………………はい。そうしておきます」
筋肉質の二十代前半。灰色の髪、そのバニーボーイ服はしげきがあまりにも強すぎた。この世に神がいるのだとすれば、きっとこの運命は彼の仕業であろう。
「………………」
そうして二人は、綴の腕の中にいる少女を見た。
綴は薄い布をその少女へと被せる。
その、あまりにも痛ましい姿を……周囲に見せたくなかったのだろう。
「今の行動の心は?」
「この子の苦しむ姿を見るのは私だけの特権だと思ってますので」
「よろしい。この子のためとか抜かしてたら殺していた」
「では、失礼」
バニーボーイ姿の綴はアラカを抱き上げて、そのまま予約してあった旅館へと向かった。
目的地に着いてから、その急激な変化をした少女を寝かせるために……。
読んでくださりありがとうございます…!




