死者の指輪
死者と生者を繋ぐ大樹ユグドに異変が起こり、それを調査するために、まずは霊界への行き方を探すことになったクロスピース御一行であったが…。
何というご都合主義か…。
霊界に行くには死ぬしかない、その常識を覆す方法を気付かぬうちに我々は入手していたのである。
えーと、どれどれ…。
ドリーが差し出したページを読み上げる。
【霊界へ行く方法】
『胸にナイフを突き立てて死にます。』
「そうか、その手が…、って、ダメじゃん!!」
「ミズキさん、違います!その下です!」
おっと、すまんすまん。おっ、これか。
【生きたまま霊界へ行く方法】
『霊界には、基本的に死ななければ行くことができないが、生きたまま霊界に行く方法が無いわけではない。』
『ただ、それには死者の指輪が必要だ。』
『死者の指輪を身に付けたときに目の前に現れるバス停の前で待っていると霊界行きのバスが現れる。』
「これだ!」
「これですね!」
「死者の指輪かぁ…。」
「売って…はいないよね?聞いたことある?」
「いや、無いな。他に何か書いていないのか?」
【死者の指輪】
『死者の指輪は、死者の眠る樹の根から生成される。』
『死者の眠る樹の樹齢が長ければ長いほど、その地域での死者が多ければ多いほど、地中に埋まっている指輪の数は多い。』
『死者の指輪を身に付けることで、生者であっても死者の世界に行くことができる。』
『ただ、霊界にいる時は、決して指輪を外してはならない。死者の世界に生者が入り込むことは禁忌中の禁忌なのだから。』
「書いてるね!」
死者の眠る樹。
この街の大樹ユグドが恐らくそれだろう。
その根ってことは…。
「あの馬鹿でかい樹の下を掘り進めて指輪を探すってこと??」
「俺たちだけじゃとても無理だな。街の人に相談しようか。」
「だな。」
「ですね。ユグドは、街のシンボルですから、勝手に掘り返すこともできませんし、何より人手が必要ですからね。」
確かに。御神木みたいなものだもんね。
掘り返すのは、ちょっと罰当たりな感じがする。
「うーん。オッケー出るかなぁ…?」
「さぁ、どうでしょう…。取りあえず町長のところに行ってみましょうか。」




