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丸く大きな金色の瞳が冬の木陰からの暗さに侵食されることなく深森を見つめる。真っ直ぐに。純粋に。
深森は草の上に座っているが陽菜は立ち上がって、しかもそのちいさな手を深森の肩にがっつり押し付けているものだから深森は立ち上がれない。部活も何もやってこなかったから、陽菜がいくら深森より小柄だからと言っても押し退けるような腕力はない。深森は元気と勢いこそはあっても弱い。喧嘩はとにかく弱い。純粋な暴力はもちろんのこと、口喧嘩ですら小学生……場合によっては幼稚園児にまで負けてしまう。
なら保育園児、と挙げ足、屁理屈を誰かが発生させたら恐らく口にするだろうが、高校の授業で訪問した際に「だめよー?」と、可愛らしく怒られたレベルだ。
要するに、深森には上手く回る口もなければ押し退ける腕力もないために陽菜の次なる動きを待つしかない。
何があったのか、さっぱり全く一切情報がつかめない。状況はさっぱりだ。
ただ。いくら可哀想な子であるレベルの深森でもわかるのは、陽菜の表情から伝わる微かな緊張。身を強張らせて、少しでも周りから受けようと必死なこと。
その証拠に、眼前の美少女は瞬きひとつしていない。
「?」
安易に「何があったの?」とは聞けない纏い。……そう言えば心なしか森が先程よりも静かな気がーーーーー
………溶かして………
「…………え?」




