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第1話 おかしい、違和感での始まり

1話目はキャッチーだったり、その作品がどういうものかわかるようにするのが良いんだろうけれど、無理でした。

ジャンル欄選択に悩み現在スッカスカです。


(5/29 23:31 以降に合わせてエピソードタイトル変更)

次回は遅くとも6/5更新予定(希望)

「きゃああああああああ!」

 その日は不思議な一日だった。

 まず、目を覚ますと兄の部屋に居た。兄とは一卵性の双子で似ているけど部屋まで似ているわけではない、馴染みない部屋だ。

 私は慌てて部屋を飛び出し向かいの自分の部屋を開けてみると、自分の布団で眠る兄の姿が目に入った。ベッドへと駆け寄り、その布団を引き剥がす。そして兄を起こすべく拳を何度も振り下ろした。

「なんでお兄ちゃんが私の部屋で寝てるのよ!」

 うめき声を上げなら目を覚ました理久の視界に入ったのはもちろん妹である私の部屋。どうして俺が理香の部屋で寝てるんだと叫びながらベッドから抜け出し、自分の部屋へと戻っていく。

 しばらくして。

 なぜか制服が小さいと兄がそう叫んでいるのを聞きながら私もまた、自分のクローゼットを見ながら困り果てていた。

 トイレから戻ってパジャマを脱ぎ、下着をつけようとしたがどう見てもカップサイズが自分の胸より小さい。そして肌着や制服はどうみても大きい。

 どうしようかと思いつつも選択肢はあまりない。とりあえずかなり苦しいけど、一番伸びるスポブラをつけ、だぼだぼだけど部活用のジャージを着る。とりあえず登校してしまえば誰かの予備が部室にあるだろうから、それを借りよう。

 とりあえず何かを着た体を成して下の階へと向かい、階段の半ばで母に助けを求めた。

「お母さん!服の大きさが全然違うんだけど!」

「俺も俺も」

 後ろから兄も同じように訴えている。

「二人して何バカなこと言ってるの。早く降りてきて朝ごはん食べなさい。理香は朝練あるでしょ?いつもより時間過ぎてるわよ」

 時計に目をやると、服の異常を対処している間にいつもより時間をかけてしまっていたことがわかる。急いで顔を洗い、適当に髪をとかしたところでまた違和感。

 私の髪はショートヘアだったろうか?なぜかロングだったような気がする。後ろから兄が洗面所にやってきた。男の子にしては長い髪の毛だが、こんなに長かったろうか。

 時間が無いので今は違和感を押し殺し兄を洗面所に残して食卓へ、私は朝練があるので家族より先にいただいている。いただきますと言葉にして、朝食を飲むように一気にかきこんだ。母のゆっくり食べろという注意が聞こえるけど無視。

「ごちそうさまでしたいってきまーす!」


「ハァ、ハァ、ハァ……」

 時間もないので駆け足で学校へ向かったところで、すでに息切れしている。グラウンドでは部活仲間がアップしているのが見えているけど、これ以上走れる気がまるでしない。

「ごめ……、なんか…………。もう教室……ね」

 無理だと判断した私は友人に声をかけて先に教室へ向かうことにした。誰よりも体力には自身があったんだけど、体調でも悪いのだろうか。

 ふと制服が合わないことを思い出し、とりあえず保健室へ寄って予備を貸してもらい、着替えた。

 教室についたところで息切れは収まらず頭もくらくら、これでは何も出来ない。机の角に額をつけ、ぜーはーと息を整える。

 息も整ってきたところでそのまま眠ってしまった。

 そして夢をみた。兄が出ている夢を。

 兄が出ているが自分は居ない、むしろ自分が兄であるかのような夢。図書室で本を読んでいる、よく何時間も本なんか読めるなと思う。

 しかしその思いに反して夢はずっと本を読んでいる兄だけがいる。一定のペースでページをめくる姿を見るだけの状態、つらい。

 いつしか兄の姿はなく、夢には本とそれを持つ手元が。兄を見るというか私が兄……?

 そう考え始めたときにチャイムの音が聞こえ、夢の視界はホワイトアウトしていく。眩しい、と思ったら耳には話し声が、目にはぼんやりと人の姿が入ってきた。

 もう予鈴がなるような時間になっていることに気づいた私は、慌てて軽く身なりを整えた。

「おはよう、理香。大丈夫?」

「あ、うん。もう大丈夫。なんだか今日すごく体力落ちてるみたいで」

 声をかけてきたのはグラウンドで声をかけた相手の同じ陸上部である友人の藤島咲恵。

 正直なところ、今日体力が落ちているで片付けられないほどに体力の無さを感じているけれど、あまり心配させるわけにもいかない。

「放課後の部活休む?」

 そう聞かれ、少し悩んでいるところへ教室に先生が入ってきたので、出るよ、と答えた。

 不安だけれど。


「川田さん、お兄さんが来てるよ」

 昼休み、お弁当を食べていると兄が教室を尋ねてきた。

 まだ食べてる途中なんだけど。とりあえず教えてくれた男子に伝言を頼む。

「もうちょっと後にしてって言ってー」

「はいよ」

 まったく、何の用か知らないけれど、昼を食べる時間くらい考慮して来てほしい。こっちはまだ冷食のコーンクリームコロッケを堪能しているところだというのに。

 決して一口では食べない、3分の1ほどに箸で切って食べる。そしてご飯も口に入れるとドリアのような味を楽しめる。この食べ方が好き。

「いいから早くこいよ」

 台無しだ。

「お兄ちゃん……、まだ食べてるんだけど……」

「多分大事な話だ」

 大事なのに多分とはどういうことか。このクリームコロッケより大事だというのだろうか。

「あと5分待てない?」

「廊下で待ってる」

 待ってもらえたので、与えられた時間で弁当をそれなりに味わい、片付ける。それなりでごめんね。

 片付けたら廊下に待ち構えてる兄へと向かう。本当、何の用なんだか。

「おまたせ」

 姿を見せた私に兄はため息1つ。時間通りのはずなんだけど。

「ここじゃなんだから、ちょっとこっちに」

 そうして移動した先は特別教室が集中する校舎の階段。あまりこの時間に人は居ない。人に聞かれたらまずい話?

 しかし兄は何やら言いにくそうにしている。

「え、何、告白とかやめてよ?」

「兄妹でそんなわけあるか!あー。その、説明しにくいんだけど……。なんだか、変じゃないか……?」

「今のお兄ちゃんがね」

 そう返した私を兄は軽く睨む。ちょっとした冗談じゃないの。

「朝もおかしかっただろ、起きた部屋とか、制服のサイズとか」

「ああ……。うん、とりあえず学校いかないと行けないからある程度流したけど、おかしかったよ」

 それだけじゃない、と兄は続ける。

「確信はないけど髪が長いような気はするし、朝から食欲がすごかった。そして食べすぎて時間遅れたから走っていたらいつもより速く長く走れたんだ。まるで理香のように」

 その内容に私は息を呑む。……似ている。

「私も変だった。全然体力がないの。まるでお兄ちゃんみたいに雑魚体力だった」

「一言多い!」

 かといって、だから何ってわけでもない。

「まさかこれは、入れ替わり……!」

「そんな、漫画や小説じゃないんだから……。それに入れ替わりってもっと、人の体になるって感じじゃないの?知らないけど」

「それはそう、ちょっと憧れるけど」

 そんな非現実に憧れないでほしい。

「ん……?」

 兄は何やら怪訝そうに私を見てくる。それも一点を。

「な、何?人の胸ばかり見ないでほしいんだけど」

「いや……そんなデカかったっけ?」

 パァンと、特別教室棟に乾いた音が響いた。


 兄のせいでイライラとして過ごした午後の授業を終え、部活に向かう。私は短距離走の選手だ。

 このスラッとした体型は種目にとてもあっている。

 ……スラッとした体型?そう思ったとき自身を見て疑問に思う。

 学年で一番を争えそうな低身長が?

 教員含む学校で一番を争えそうな大きさの胸が?

 全然陸上をしている筋肉じゃない足が?むしろ足だけ見るとモデル並みだ。

 やっぱりおかしい。

 そう思いながらグラウンドに足を踏み入れたとき、視界が暗転した。


 理香に叩かれた頬が今もヒリヒリと痛む。そんな頬を手で撫でながら俺は図書室へと向かう。

 文芸部、という名の実質読書部へと。ショートホームルームが終わってから門が閉まる間際まで、ひたすら本を読む。といっても読むのはライトノベルや興味のある分野の技術書なんかで、あまり堅い本は読まない。部員はいるが、話すこともない後輩一人と、幽霊部員が多数。実質、一人でずっと本を読んでいるのも変わらない。

 ところが、今日はその後輩が話しかけてきた。

「先輩、いつもより遅いですね」

 時間のことだろうか?

「いつもと同じ時間に来たつもりだったけど」

「読む速度がです」

 普段話さない相手が言ってくるくらいなら、よほど遅いのだろうか。そんなにかと聞いてみると、3倍以上は遅いと言ってくる。そんなに?

 言われてみれば遅い気はする。遅いというよりそもそも集中できない。読む姿勢も、いつも座っている椅子と机のはずがどこか落ち着かない。

 集中できていないのは、なんだか懐かしい感覚がある。

「なんだか本を読み慣れていないときのような感覚がーー」

 そう言ったとき、視界が暗転した。

書きたい要素を書くために始めたものですが、よろしくお願いします。


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