第40話:作戦
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先日逃げられた「反射能力を持つ魔族」への対策会議!
必死に知恵を絞る二人ですが、行き着いた先はまさかの脳筋作戦!?
そしてアルスが見つけた新たなスキルとは……!
――翌朝。
アルスは出発前に、国王様へ現在の状況を報告するための手紙を認めていた。
ヴェールを無事に救出したこと、魔族から狙われていること、そして信頼できる仲間がいること。
「(本当の事を書いたら不味いことになっちゃうから嘘を書くしかないけど……申し訳ないな)」
書き終えた手紙をギルドの窓口へ託すと、二人は少し早い時間だったが、お世話になったヴェールの街を出発した。
「アルス、これからどうするの?」
「これからは、しばらく街から離れた場所で野宿をしようと思ってるんだ。近くに水辺があって、滅多に人が来ないような場所で……って、急にこんなところに連れて行っちゃうけど大丈夫?」
「ふふ、なに言ってるの? 私はアルスのこと、心から信用してるんだから全然大丈夫だよ!」
「ありがとう。でも、ここからは徒歩での旅になるからちょっと大変になっちゃうね。ごめんね」
ティアは一瞬だけ「え~、徒歩~?」というような嫌そうな顔を見せたが、すぐに表情をパッと切り替えて元気に歩き出した。
――それから、数時間ほど歩き続けた頃。
ようやく野宿をするのにうってつけな、静かな場所へと辿り着いた。
「よし、ここまで来れば大丈夫かな」
「うん、ここなら大丈夫そう! もしまたあの魔族が襲ってきたとしても、周りを気にせず思いっきり戦えそうだもんね」
頼もしく満足そうに笑うアルスを見つめながら、ティアは思わずその横顔に見惚れていた。すると「どうしたの?」とアルスに覗き込まれ、慌てて「なんでもない!」と我に返る。
「……とりあえず、あの魔族の対策を考えないとだよね。攻撃を与えたら、そのダメージがそのまま自分に返ってくるなんて……何か弱点はないのかな?」
「あいつ、自分の魔力が空っぽになるって言ってたよね。もしかしたら、攻撃を与えた相手にダメージを返す引き換えとして、大量の魔力を消費する仕組みなのかもしれない」
二人は知恵を絞って必死に対策を話し合ったが、まともな案はなかなか浮かばなかった。
「ティアは、何か良い対策思いついた?」
「う~ん、私は今のところ何もないかな……」
「(……だって、アルスにあんな無茶させたくないし)」
「実は、俺は一つだけ案があるんだ。あんまり良くない方法だとは思うんだけど……あえて俺がかすり傷を与え続けて、返ってきたダメージをティアに回復してもらうっていう……ゴリ押し作戦」
アルスがちょっと自慢げに提案すると、ティアは目を見開いて驚いた。
「(あ、アルスも私と同じ捨て身の作戦考えてる……!?)」
「やっぱり……駄目だったかな?」
「だって、それじゃアルスがすごく大変だし痛い思いをするじゃない!」
「でも、今のところはこれくらいしか思いつかなくて……」
二人は再びうーんと頭を抱えて考え込んでしまった。
アルスがなんとなく自身のステータスボードを開き、スキル一覧をスクロールさせていると――ある一つの項目が目に飛び込んできた。
「あ……『詳細鑑定』? これなら、あの能力の対策が見つかるかもしれない!」
「本当!? それってどんな感じのスキルなの?」
「ぶつけ本番!」
あまりにも自信満々なアルスの言葉に、ティアは驚愕のあまり一瞬固まってしまった。
ティアはアルスの言葉に驚愕して一瞬固まってしまった。
「……はい? ぶつけ本番ってどういうこと!?」
「あはは、いやね、この『詳細鑑定』は今目の前に見ている対象にしか発動できないみたいなんだ。だから実際に戦うときに使うしかないんだよ。もしこれでも対策が見つからなかったら、さっきのゴリ押し作戦で行くしかないね!」
「う、うん……分かったわ……!」
第40話を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
アルスとティアの作戦会議、まさかの「ダメージを受けて回復するゴリ押し」という全く同じ無茶な作戦を思いついていて笑いました。
ティア、アルスに見惚れている場合じゃないですよ!
そして土壇場で発見した新スキル【詳細鑑定】!
果たしてあの小生意気な魔族の弱点を破る鍵となるのか……ぶつけ本番の次戦が楽しみです!
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