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番外編

だらだらと番外編書こうと思ったのですが、飽きるかな?と思ってこれにて完結です。

晴れて2人が結ばれてから幾日か後のこと。



『ガ、ガーランドさま、私1人で食べれますので…っ』


『何?聞こえぬな。さあもう1つ。』



リーゼは魔王の膝の上で、果物を手ずから口に運ばれていた。

それは赤く滴る、人間界でいう所のぶどうのようなもので、口に入れられるたびにリーゼの口の端や、ガーランドの指先から果汁がつっと溢れる。


その姿がどことなくいやらしく感じてしまい、リーゼは先程から頬を染めている。


『なんだ?リーゼもこのプリアの実と同じように赤くなっているぞ。口の端もそんなに汚して。』


そう言ってにやっと笑うと、リーゼの唇の端を舌でぺろりと舐めとる。そんな時でも視線は外さずにリーゼの瞳を覗き込んだままだ。



なっそんな!ガーランド様がこんな、こんな方なんて聞いてないわよ!!?




リーゼが驚くのも無理はない、当初はかっこいいと褒めるだけで顔を赤くする、純情ピュアボーイだと思っていたからだ。

しかし腐っても魔界の王、欲しいものを確かに手に入れた後の溺愛、もとい暴走っぷりは眼を見張るものがあった。



『ガーランド様!もう…『プリアよりもっといいものが欲しくなったか?』


そう言うと再び笑って顔近付けてくる。



そう言うことを言いたいわけじゃなかったのに!



そう思いながらも、どこかで嬉しく思ってしまう。


麗しい見た目に、色気と危うさをのせて見つめられると、その先を求めてしまう。


『んっはぁ…ンン…』


段々と押し入ってくる舌先に、深くなる口付けに、プリアの実の香りが強くなる。


もうリーゼは何も考えられる状況じゃなかった。ただ与えられる快楽に身を震わす。



じゅっと音がして唇が離れた。




『プリアの実はうまいな。』



そう言って赤く濡れた唇をひと舐めして、くたっと力の抜けたリーゼを抱きしめる。




『これからリーゼの世話は我がしよう。髪を梳かすのも、食事を与えるのも、服を着替えさせるのも、すべて。リーゼもやってくれたのだ、それが筋だろう?』




心底楽しそうな声で耳元で囁いでいるが、めっそうもない!そんなことされたら、気が休まらないわ!とリーゼは身体に力を入れる。



『そ、そんなお手を煩わさるわけにいきません!今まで通りでけっこうですわ!』


『まぁ、そう遠慮するなリーゼ。そう案じなくても、我にはそもそも世話など必用ないのだから。今度から今までの時間は全て、お前の世話にあてよう。いいだろう?』



赤い瞳の奥がギラギラと燃えて、有無を言わさぬ雰囲気が流れる。



『え、ええ。おねがい、します…。』




もう半泣きである。



『あぁ、そうだ。夜にはしっかり身体を拭いてやるからな?』



クスッと意地悪そうに笑うと、呆然としているリーゼの頬にちゅっと口付けをして、部屋から出ていった。仕事に行くのだろう。



部屋に残されたリーゼは赤くなったり青くなったりしながら、あたまを抱えるのであった。





私、もしかしてとんでもない人と一緒にいる…?

人間界、帰ればよかったかも…なんて。






扉の向こうでほくそ笑むガーランドは、誰が見ても魔界の頂点にいる男そのもので。



リーゼ、お前を一生離さない。

だってそうだろう、お前もここにいることを望んだのだから。



そう呟くと夜に備えてさっさと仕事を終わらせに、足速に執務室へ向かったのだった。

やっと終わりました!もし気が向いたらまた番外編書きたいです。今更ながらムーン版で書きたかった!笑 リクエストがあれば是非^_^

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