アニメオタクではないけど、アニメ好きとは何か?
中学生が話している内容を聞いていると、半数ぐらいがアニメ好きで共通している。僕の世代であれば、アニメ好きということを表明するだけで(悪い意味も含意して)オタクと呼ばれていた。「電車男」というドラマがあったが、やはりオタクの主人公には陰湿なイメージがあった。加えてなぜかオタクは、アニメオタクのことを指す風潮もあった。
しかしどうやらいまの中学生は、堂々とアニメ好きといえる環境があるらしい。これはいいことだと思う。僕たちの時代にあった、一種の偏見がなくなりつつあるといえるからだ。好きなものを素直に好きと言えることは、自由を感じさせる。
ところが、「アニメが好きなの?」とアニメの話をしている人に質問すると、「好きです。ただ、アニメオタクではないですよ」という回答が返ってきた。どうやら、「アニメ好き」と「アニメオタク」は、違うらしい。僕は、特定の物事に対して強い興味がある人を「オタク」と認識していたので、僕からすれば彼はオタクだった。だから、その返答に不思議に思った。詳しく聞いてみると、どうやら彼いわく、オタクには「オタク特有の雰囲気」があるらしく、それと一緒にはしてほしくないらしい。
その中学生は、自分自身はその雰囲気をもっていないので、「オタク」ではなく「たんなるアニメ好き」となるらしい。変な理屈である。彼の言い方だと、どうやらオタクという言葉にはまだマイナスイメージがあるらしく、彼はオタクとみなされたくないようだ。でも、自分がアニメ好きということは認めなければならないので、「自分はオタクではなく、アニメ好き」と言い張りたい。そういうことらしい。
僕からしたら、オタクもアニメ好きも大差ないように思える。そうやって言い張る必要があるということは、その二つの間に実質的な差はないのではないか。
その区別に問題があるとすれば、その差の分け方が「雰囲気」に由来していることである。それではどうしても主観的な区別になってしまう。つまり、よく思わない人間を一方的に「オタク」といって、差別的に使えるかもしれない。どうやら、まだ「オタク」という言葉には、ネガティブな意味が含まれているようだ。




