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空色〜そらいろ〜  作者: 滝沢赤羽(たきざわあかば)
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〜朝編〜


ージリリリリリン

懐かしいレトロな音が私の耳を叩いた。ゆっくりと目を開け、親から授かった年季のある目覚まし時計を止める。体を起こし、伸びと同時に大きなあくびをする。布団の温かさに名残惜しさを感じながらもベットから降りてカーテンを開ける。

窓の外には、いつも通り美しい空があった。

薄い太陽の光に照らされて、空の下の方が明るくなり始めている。

雲一つないその光景に思わず息を呑む。が、私にはそんなのんびりとしている時間は無い。

そう自分に言い聞かせて、窓を開ける。そこから朝の冷たい空気が部屋の中にどっと入ってきた。寒さが全身に行き渡り、体が大きく震える。ほぅ、と息を吐くと目の前が白くなった。

腕を擦りながら部屋を出る。隣のリビングに行き、小さめの冷蔵庫の前に立つ。冷蔵庫の左側の扉に紙が磁石でくっついていた。

それ曰く、昨日もらったフランスパンがあるから食べて欲しいということと自室で寝ているから起こさないで欲しいということ、らしい。

母は雑誌の書く専門である。起きている間に帰って来なかったので、また〆切にでも追われているのだろう。

隣に置いてあったフランスパンを切って焼き、温めたココアと冷蔵庫で冷えたヨーグルトを置く。そこにカリカリに焼けたフランスパンを加え、椅子に座る。リモコンでテレビの電源を入れ、いつも見てるニュースのチャンネルにする。フランスパンにかぶりつきながら、ニュースを耳から入れていく。

『今日のお天気です。福岡、名古屋は曇り、大阪、東京、北海道は晴れるでしょう。洗濯日和なので、布団を干しても良いでしょう。』

アナウンサーのハキハキとした口調、画面に映る日本地図と天気マーク、降水確率。少々信用ならないが、今日はこれらの努力に免じて布団と枕を干しておこう。母はまだ居るので、書き置きでもしておけば良いだろう。

パンくずの残った皿と中にココアがついたカップを手に取って台所に置く。

洗面所で歯磨きをし、布団と枕を干す。その後制服に着替える。鞄を玄関にセットしておき、テーブルに書き置きを置く。

予定時刻よりやや早かったので音楽プレイヤーを手にベランダに出る。冷たい風が私を包む。

マンションの15階の高さから外を見ると、所々に建つ低めの家々やショッピングモール、住宅街に公園が下に広がっていた。ちなみに、この辺りは適度に開発をしている。

街並みと自然とのマッチが美しいと評判の良いこの街だが、別に都会であるわけではないし、田舎でもないのでとても心地よい。

空を飛んでいく無数の鳥たちが可愛らしい声で鳴いている。鳥たちが目の前を大きな羽音をたてて通り過ぎていく。

片耳にイヤホンをはめ、小さく音楽をかける。日が、少しずつ昇る。少しずつ空の上の方が青色に変わっていく。どうやら、夜は完全に抜けたようだ。

一日が始まる。

何も無い平和な一日が流れ、過ぎる。

空を見て始まり、空を見て終わる。

あぁ、どうか大人になってもこんな日々が続きますように。

耳に流れる音楽を聴きながら、心の中で切なく、そう願ったー。



座っていても辛いことがある。

今の状態を見てもらえれば誰もが納得するだろう。

そう、私は満員電車の中にいる。

だがまぁ、いつものことだ。流石に慣れてしまった。

学校まで片道三十分。その内電車は二十五分。その間、窓から外を眺めながら音楽を聴いてやり過ごす。時が経つほど電車には人が増え、とある駅で人は一気に降りる。それは自分が降りる駅の二つ前。人々は自然に、当たり前に、ごく普通にその有名な駅で降りていく。

そんなことを知ってても何にも変えられない私は、いつも通り、他人として過ごすのだ。気持ちを落ち着かせながら、この静かな空間(ばしょ)で一人、私は電車に揺らされる。

初めて投稿しましたこの作品を読んでくださり有難うございます。

訂正、意見等ありましたら申してください。

宜しくお願いしますm(_ _)m

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