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最終話


放課後。静まり返った生徒会室のドアの前で、私はなかなか動けずにいた。


さっき出てきた役員の子によれば、中に残ってるのはあいつだけ。


『最近、元気ないんですよ。会長』


そう教えてくれた役員の子が帰ってから早二十分。


「……よしっ」


女は度胸!


私は意を決してドアを開けた。









魂が抜けるとか言うけど、まさに今の俺はその状態。


「会長、この予算案なんですが……会長?」


遠くで役員達の声がする。


けど、全く話の内容が頭に入ってこない。


雅に来なくていいと言ってから二日。


自分から言っておきながら激しく後悔してる。


「副会長ですけど……」


雅に報告に言った役員の声に俺はむっくりと起き上がる。


報告と称して見てきてもらう雅の様子。


我ながら女々しいけど、自分から行く勇気はなかった。なんせ嫌われてるし。


「元気そうでしたよ」


「……そう」


役員のやつが気を遣ってくれてるのなんか知らない俺は思いっきりへこむ。


そしてその気持ちのまま、机に思い切り額をぶつけた。









ドアを開けると、机に突っ伏す雄大の姿があった。


寝てるのはいつものことだけど……


「雄大?」


ゆっくり近付きながら、恐る恐る声をかける。


雄大は全く動かない。


「ゆう……」


肩を叩こうと伸ばした手が空をかいた。


何故なら雄大が起き上がったから。


「……みやび?」


ぼーっと私を見つめる雄大。


寝惚けてる?


「おはよ」


「……はよ」


とりあえず言ってみたらやっぱりへらへら笑う雄大。


「帰らないの?」


「みやびがいる……」


聞いたことに答えず、雄大は首を傾げた。


「なんで?」


なんでって……やっぱり私のことなんてもう……


「俺、みやびに嫌われた」


まだ少し夢の中なのか、雄大は小さい子みたいな話し方をする。


「俺、嫌われた……」


まるで捨てられた子犬みたいに、雄大は悲しげに俯いた。


「……雄大は私のこと、嫌いになった?」


恐る恐る聞いた一番の不安。


すると、雄大はブンブンと首を大きく横に振った。


「良かった……あのね、私……雄大が好きみたい」


ゆっくりと紡いだ言葉。


雄大を見ると、ポカン、と口が開いていた。









『雄大が好きみたい』


雅が夢にまで出てきたんだ、と自分がアホらしくなってた時に耳に届いた言葉。


同時に視界が開け、夢見心地から現実に引き戻された。


「……へ?」


目の前に立つ雅の姿がはっきりと見える。


混乱する俺に、雅は深呼吸すると、真っ直ぐに俺を見つめた。


「雄大が好き」


「……マジでっ!?」


思わず立ち上がり、机にバン、と手をついた。


俺の勢いに驚きながらも、頬を染め、小さく頷く雅。


あーもうっ。かわいいっ。


「きゃっ……ちょ、雄大!」


大急ぎで雅に近付いて、逃げないように腕の中に閉じ込める。


嫌われたと思ったから余計嬉しくて。


俺は雅に頭を叩かれても彼女をしばらく離さなかった。


一応、二人目線での話はこれにて完結ですが、あと一話あります。

あと一話はおまけとして、親友、桜目線です。


最後までお付き合いくださいませm(__)m

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