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才能EXの落ちこぼれ召喚士〜成長の鍵は地脈だった!?〜  作者: SN


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31/31

第31話 ランクアップの波紋【掲示板】


【第二学年】召喚士総合スレ その52


⸻


572:名無しの召喚士

岩崎のゴロ

ランクアップしてた


573:名無しの召喚士

は?


574:名無しの召喚士

ランクアップ?


575:名無しの召喚士

あのゴーレムが?


576:名無しの召喚士

マジ?


577:名無しの召喚士

マジ


578:名無しの召喚士

今日の週次で確認


579:名無しの召喚士

対戦相手?


580:名無しの召喚士

その友人

本人の許可もらって書いてる


581:名無しの召喚士

ついに上がったのか


582:名無しの召喚士

一年以上止まってたやつだよな?


583:名無しの召喚士

そう


584:名無しの召喚士

でも最近

肉体変化とかスキルとか増えてた


585:名無しの召喚士

ランクだけFのままだった


586:名無しの召喚士

じゃあ今E?


587:名無しの召喚士

たぶんE


588:名無しの召喚士

朝の第五実技で見た


589:名無しの召喚士

俺も


590:名無しの召喚士

身体変わってたよな


591:名無しの召喚士

土じゃなかった


592:名無しの召喚士

灰色の石みたいな身体


593:名無しの召喚士

あれ進化だったのか


594:名無しの召喚士

何ゴーレムになった?


595:名無しの召喚士

名前までは知らん


596:名無しの召喚士

見た感じ石系


597:名無しの召喚士

土から石?


598:名無しの召喚士

普通だな


599:名無しの召喚士

進化だけ見ればな


600:名無しの召喚士

あれだけ色んな身体に変化できて

基本進化は土→石なのか


601:名無しの召喚士

逆に安心する


602:名無しの召喚士

何に安心してるんだ


603:名無しの召喚士

で

泥の身体は?


604:名無しの召喚士

雷も


605:名無しの召喚士

火もあるだろ


606:名無しの召喚士

ランクアップしたら使えなくなったとか?


607:名無しの召喚士

逆にあっちも進化してる可能性


608:名無しの召喚士

今日の週次では分からん


609:名無しの召喚士

なんで


610:名無しの召喚士

石の身体しか使ってない


611:名無しの召喚士

最初から最後まで?


612:名無しの召喚士

そう


613:名無しの召喚士

じゃあ今日の相手誰だった?


614:名無しの召喚士

その前に


615:名無しの召喚士

何


616:名無しの召喚士

こっちも情報ほしい


617:名無しの召喚士

出た


618:名無しの召喚士

またお前か


619:名無しの召喚士

いつもの情報交換のやつ?


620:名無しの召喚士

そう


621:名無しの召喚士

岩崎戦の続き知りたいなら

最近の週次とか実技で見た情報出して


622:名無しの召喚士

ある程度集まったら続き書く


623:名無しの召喚士

相変わらずだな


624:名無しの召喚士

でもこいつの情報わりと正確なんだよな


625:名無しの召喚士

仕方ない

いつものか?


626:名無しの召喚士

いつもの

下位ランクの最近の週次戦の内容


627:名無しの召喚士

了解


⸻


それからしばらく。


スレッドには、岩崎とは別の生徒たちについての情報が書き込まれていった。


最近の週次ランキング戦。

召喚獣の得意な距離や、確認された能力。


書き込みがある程度集まった頃。

再び、岩崎戦の話へ戻る。


⸻


661:名無しの召喚士

ありがとう

そろそろ話そうかな


662:名無しの召喚士

待ってた


663:名無しの召喚士

岩崎戦はよ


664:名無しの召喚士

今日の相手は剛田


665:名無しの召喚士

あー


666:名無しの召喚士

剛拳ノ猪鬼のやつ?


667:名無しの召喚士

そう

ケンキ


668:名無しの召喚士

あれ結構強いだろ


669:名無しの召喚士

召喚獣はな


670:名無しの召喚士

剛田が真正面から殴らせることしか考えてない


671:名無しの召喚士

本人見てたら怒るぞ


672:名無しの召喚士

本人から許可もらってる


673:名無しの召喚士

草


674:名無しの召喚士

ケンキってE-MAXじゃなかった?


675:名無しの召喚士

E-MAX


676:名無しの召喚士

D級目前


677:名無しの召喚士

じゃあゴロ

ランクアップしたばっかでそれとやったの?


678:名無しの召喚士

そう


679:名無しの召喚士

泥で足止め?


680:名無しの召喚士

してない


681:名無しの召喚士

雷?


682:名無しの召喚士

使ってない


683:名無しの召喚士

火?


684:名無しの召喚士

使ってない


685:名無しの召喚士

じゃあ何


686:名無しの召喚士

石


687:名無しの召喚士

ずっと?


688:名無しの召喚士

最初から最後まで石


689:名無しの召喚士

石って土からの進化なら特殊な能力とかもなさそうだけど、

どうやって勝った?


690:名無しの召喚士

正面から殴り合い


691:名無しの召喚士

は?


692:名無しの召喚士

ケンキと?


693:名無しの召喚士

そう


694:名無しの召喚士

結果は?


695:名無しの召喚士

ケンキが力負け


696:名無しの召喚士

待て


697:名無しの召喚士

剛拳ノ猪鬼が?


698:名無しの召喚士

真正面から?


699:名無しの召喚士

それ新しい強化スキル使ったんじゃないの


700:名無しの召喚士

ゴロってそんなパワーあった?


701:名無しの召喚士

さすがにランクアップでもそれは盛りすぎ


702:名無しの召喚士

本人確認済み


703:名無しの召喚士

剛田本人が

普通に力負けしたって認めてる


704:名無しの召喚士

≪剛力付与≫も使った


705:名無しの召喚士

途中で≪奮起≫も使った


706:名無しの召喚士

それでも押し負けた


707:名無しの召喚士

マジか


708:名無しの召喚士

それは思ってたよりヤバい


709:名無しの召喚士

≪奮起≫まで使ったの?


710:名無しの召喚士

使った


711:名無しの召喚士

それで石のまま?


712:名無しの召喚士

石のまま


713:名無しの召喚士

前までの勝ち方と全然違うじゃん


714:名無しの召喚士

前は相手に合わせて身体変えてたよな


715:名無しの召喚士

そう


716:名無しの召喚士

泥で速度落としたり

雷とか火とか


717:名無しの召喚士

今回はそれ無し?


718:名無しの召喚士

無し


719:名無しの召喚士

じゃあ相性以前に

普通に強くなってるってこと?


720:名無しの召喚士

そう見える


721:名無しの召喚士

ランクアップで基礎性能かなり上がった?


722:名無しの召喚士

たぶん


723:名無しの召喚士

待って


724:名無しの召喚士

何


725:名無しの召喚士

今まで

何出してくるか分からんのが厄介だったんだろ?


726:名無しの召喚士

そう


727:名無しの召喚士

相性取られるかもしれない


728:名無しの召喚士

そう


729:名無しの召喚士

その上で

石のままでも剛拳ノ猪鬼より強いの?


730:名無しの召喚士

今回の結果だけ見れば


731:名無しの召喚士

嫌すぎる


732:名無しの召喚士

対策どうすんだよ


733:名無しの召喚士

まず何出してくるか分からん


734:名無しの召喚士

読めても石が普通に強い


735:名無しの召喚士

前より面倒になってない?


736:名無しの召喚士

確実に


737:名無しの召喚士

これで五連勝だよな


738:名無しの召喚士

五


739:名無しの召喚士

一月のランキングって249位だったよな?


740:名無しの召喚士

そう


741:名無しの召喚士

あれ最初の一勝した後


742:名無しの召喚士

そこからさらに四勝?


743:名無しの召喚士

そうなる


744:名無しの召喚士

次のランキングどこまで行くんだろ


745:名無しの召喚士

結構上がりそう


746:名無しの召喚士

少なくとも

一時的に調子いいだけって感じではないな


747:名無しの召喚士

前回四連勝の時点でも

かなり薄れてたけどな


748:名無しの召喚士

今回ランクアップまで来たし


749:名無しの召喚士

前に、次の期次が楽しみって言ってたけど


750:名無しの召喚士

さらに楽しみになった


751:名無しの召喚士

週次非公開なの惜しい


752:名無しの召喚士

期次なら見られる


753:名無しの召喚士

石以外も出すかな


754:名無しの召喚士

泥、雷、火


755:名無しの召喚士

ここまではほぼ確定


756:名無しの召喚士

風もあると予想してるけどまだ未確認


757:名無しの召喚士

砂説


758:名無しの召喚士

まだ言ってる


759:名無しの召喚士

光と闇もあるかもしれないんだろ?


760:名無しの召喚士

前回の流れだとな


761:名無しの召喚士

ランクアップして

さらに増えてたりして


762:名無しの召喚士

やめろ


763:名無しの召喚士

何が


764:名無しの召喚士

第五と第四実技の胃を壊すな


765:名無しの召喚士

前にも見た流れ


766:名無しの召喚士

でも今は笑えない


767:名無しの召喚士

何持ってるか分からん


768:名無しの召喚士

相性取ってくる


769:名無しの召喚士

基本の石も強い


770:名無しの召喚士

これ

普通に当たりたくない相手だな


771:名無しの召喚士

前は岩崎に当たれば当たりだったのに


772:名無しの召喚士

今は外れ


773:名無しの召喚士

いや外れっていうか

普通に警戒枠


774:名無しの召喚士

150位以内も

前より現実味出てきたな


775:名無しの召喚士

それはさすがにない


776:名無しの召喚士

でも五連勝だぞ


777:名無しの召喚士

期次までまだ時間もある


778:名無しの召喚士

まだ強くなる可能性もあるのか


779:名無しの召喚士

前は、成長しないゴーレムのやつだった


780:名無しの召喚士

その次は、何出してくるか分からんやつ


781:名無しの召喚士

今は?


782:名無しの召喚士

何出してくるか分からん上に

普通に強いやつ


783:名無しの召喚士

一番嫌な進化してる


784:名無しの召喚士

次の期次

かなり見たい


785:名無しの召喚士

同意


786:名無しの召喚士

前は岩崎に当たれば当たり

大当たり


787:名無しの召喚士

今は当たりたくない

てか、大外れ


788:名無しの召喚士

当たりそうな下位のやつは頑張れ


789:名無しの召喚士

笑えないって


⸻


書き込みは、その後も続いていった。

そして、その話題は掲示板の中だけには留まらなかった。


◇


放課後。


まだ学園に残っている生徒たちの間でも、その話は広がっていた。


「ランクアップしたって本当だったんだな」


廊下を歩きながら、一人の生徒がスマホを見る。

隣を歩く生徒が頷いた。


「朝、石になってたの見た。あれ進化だったんだな」

「でも、それより剛拳ノ猪鬼に力勝ちしたって方がヤバくない?」

「それ本当なの?」

「対戦相手本人が認めてるらしいぞ」


少し前を歩いていた生徒が振り返る。


「でも今まで、相性で勝ってただけじゃないの?」


その言葉に、別の生徒が首を振った。


「今回はその相性すら使ってない」

「マジ?」

「マジ。真正面から勝ったらしい」

「……やばっ。普通に強くなってるじゃん」


誰かがそう呟く。


以前なら、その言葉にすぐ反論が出ただろう。

だが、今回は誰も否定しなかった。


「当たりたくねー」

「どっかでコロッと負けてくんねーかな」

「無理じゃね? 普通なら相性次第でワンチャンあるけど、岩崎は自分から有利な身体に変えてくるだろ」

「その上、石のままでも強いんだもんな……」


そんな会話が、教室や廊下で少しずつ交わされていく。


掲示板の中だけではない。

岩崎蓮とゴロを見る空気そのものが、以前とは変わり始めていた。


◇


同じ日の夕方。


職員室では、授業を終えた教師たちがそれぞれの机で仕事を片付けていた。

その中で、実技担当の教師が口を開く。


「やはり、ランクアップでしたね」


その言葉に、近くにいた何人かが顔を上げた。


「今朝のゴロですか?」

「ええ。基本の身体が完全に石へ変わっていました。肉体変化ではなく、あれが今の基礎形態でしょう」

「土系から石系への進化か」

「外見だけなら、そう見えますね」


進化そのものは、ゴーレム系統としてそこまで異常なものではない。


問題は、そこへ至るまでだった。


一年以上ほとんど成長しなかったゴロが、最近になって複数の肉体変化と新しいスキルを獲得し、ついにはランクアップした。


「そういえば」


別の教師が、少し離れた席へ顔を向ける。


「今日の週次ランキング戦、監督していましたよね?」

「ああ」


前回と同じように、監督教師へ視線が集まった。


「どうでした?」


監督教師は僅かに考えてから、先に釘を刺す。


「細かい内容は話さないぞ」


週次ランキング戦は非公開だ。

そこで使われた能力や戦術を、監督した教師が軽々しく広めるわけにはいかない。


「ただ、結果だけ言えば圧勝だった」

「圧勝?」

「ああ」


その一言で、周囲の教師たちの空気が少し変わった。


「相手は?」

「剛田。“剛拳ノ猪鬼”だ」

「ああ」


知っている教師が頷く。


「召喚士側はともかく、召喚獣自体はかなり強いでしょう」

「そうだな」


実技担当教師が続ける。


「剛田は戦術面に難がありますが、ケンキの身体能力自体はE級の中でも高い方です。少なくとも、現在の順位だけで判断する召喚獣ではない」


腕力、耐久、突進力。


正面戦闘なら、本来は剛田のいる順位帯で大きな武器になる召喚獣だった。


「その相手に圧勝ですか」

「しかも、ゴロは正面から力で上回った」


一瞬、何人かが黙る。


「……真正面から?」

「ああ」


具体的なスキルや攻防については、それ以上話さない。

だが、その情報だけで十分だった。


「前とは違いますね」


一人の教師が呟く。


「以前は、相手に合わせた肉体選択が一番の強みだと思っていました」

「俺もそう見ていた」


前回、教師たちが評価したのは増えた手札と、それを適切に使う蓮の判断だった。


相手を見る。

考える。

有利な身体を選ぶ。


それが今の蓮の強さだと見ていた。


「そこへ、基礎性能そのものまで加わったわけか」

「そういうことになるな」


一人の教師が腕を組む。


「相性を取れる。スキルも増えている。そのうえで、基本形態でも正面戦闘ができる」

「かなり戦いづらい相手になりましたね」


そこまで聞いて、別の教師が口を挟んだ。


「ただ、まだE級へランクアップしたばかりでしょう。上位帯には、もっと強い召喚獣もいる。

 今回の一戦だけで、百五十位以内まで届くと見るのは早い」

「それはそうですね」


教師たちも否定しない。


期次ランキング戦では週次とは違う相手とも戦う。

上へ行けば、当然さらに強い召喚獣も出てくる。


一度の圧勝だけで、進級が決まったわけではない。


だが。


「以前よりは、かなり現実味が出てきましたね」


実技担当教師が言う。


「一月の時点で二百四十九位。その後も勝っていますし」

「今の手札を上手く使えれば、百五十位以内も狙えるかもしれない」

「期次までに、さらに伸びる可能性もある」


その言葉に、一人の教師が眉を上げた。


「さらに、ですか」


そこから自然と、別の疑問へ話が移る。


「そもそも、あのゴーレムはなぜ今になってランクアップしたんでしょうね」


一年以上変化しなかったゴロが、突然成長し始めた。


「複数の肉体変化と関係があるのか」

「通常のゴーレム系統とは、かなり違いますからね」

「土から石への進化だけなら普通なんですが」

「そこまでの過程が普通じゃない」


やがて、視線が一人へ集まる。


蓮の担任である佐伯だった。


「佐伯先生。本人から何か聞いてますか?」


佐伯は少し考えてから答える。


「明確な成長条件までは、まだ分かっていないようです」

「本人も?」

「ええ。ただ、何かしらの条件があること自体は、かなり確信しているようです」


佐伯は手元の書類から視線を上げる。


「手掛かりは掴んでいる?」

「そうですね」


少なくとも、何も分からないまま偶然ランクアップしたという様子ではない。


「なら、今回だけで終わるとも限らないか」

「また成長する可能性もある?」


佐伯は断言しなかった。


ただ、少しだけ笑う。


「岩崎自身は、前から変わっていませんよ」


その言葉に、前回の会話を覚えていた教師が僅かに笑った。


「またそれですか」

「事実ですから」


佐伯は続ける。


「考える。試す。駄目なら理由を探す。それから、また試す。あいつは一年以上、結果が出なくてもそれを続けていました」


以前は試しても、できることが増えなかった。

考えても、選べる手段そのものが少なかった。


「今は、やれることが増えた」


肉体。

スキル。

相性。


そして、ランクアップ。


「だから、前からやっていたことが、ようやく結果に繋がっているんだと思います」


職員室が少し静かになる。


前回、教師たちは次の期次ランキング戦が楽しみだと話していた。

その時は、どこまで戦えるのかを見る意味合いが強かった。


だが。


今は違う。


「百五十位以内」


一人の教師が口にする。


「本当に届くかどうか。そこを見ることになりそうですね」

「そうですね」


佐伯が答える。


「まだ届いたわけではありません。でも、現実的に狙える場所までは来たと思います」


以前なら、進級は遠い可能性の話だった。


今は。


具体的に、届くかどうかを見る段階へ変わっている。


◇


その日。


岩崎蓮とゴロを見る周囲の目は、また一段変わった。


以前は、相手に合わせて有利な身体を選ぶ厄介な相手。


今は違う。


何を出してくるか分からない。

相性を取られる。


そのうえ、真正面からでも強い。


明確に警戒すべき相手。


生徒も教師も、次の期次ランキング戦を見る目が以前とは変わっていた。


だが、そんな周囲の変化を蓮本人はほとんど知らない。


次はどこの神社を巡るか。

そして、日曜日の迷宮をどうするか。


蓮の意識は、すでにその先へ向いていた。


筆者の力不足により残念ながら人気を出すことができませんでした。

本作品は一旦ここで打ち切りとさせていただきます。

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