表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前世侍女の冒険譚?  作者: やっしん
現世にて
33/43

閑話2-ケイン

久々の登場、ケインのお話です

俺には3つ年の離れたエリスっていう幼馴染がいた。


アードラル家とフェリス家は昔から親交がある。だからしょっちゅう二人で遊んで、兄妹のように過ごしていた。


エリスは変わったやつで他の令嬢とは違い剣や魔法に強く興味を示した。俺は一度も勝つことができないほどにアイツは強かった。




成長し、俺は騎士団の副団長にエリスは侍女になる。


お互い王宮に勤めてたこともあって、よく二人で話した。


「やっほー、ケイン。今日も来たよ。しっかしホント副団長って感じに見えないね」


笑いながら、そんな失礼なことをいっつも言ってくる。俺はこういう会話も楽しかったし好きだった。


あいつの前でだけ俺は普段の俺でいられる。


この日々がずっと続いていくと思っていた。なのに………………



「ねえ、なんか違和感みたいなの感じない?」


その日アイツはそんなことを言ってきた。俺自身は何も感じなかったから、とりあえず気を付けておく、ということにした。


その日の夜。第二王子が襲撃された。見張りが気付かなかったということは、王宮の事情に詳しいやつが関わっているのだろう。


おそらく第2王子のところにはエリスもいるはず。あいつなら大丈夫だと思うが、心配は心配だ。

俺は部下を連れて急いで第2王子の部屋へとむかった。


部屋についた俺たちが見たのは、大量の襲撃者たちの遺体とエリスを抱いて泣いている王子の姿。


俺は初めその光景が理解できなかった。アイツが死ぬはずないと心の中で信じていたから。


部下に命じて死体を片付け、王子を避難させた後、俺は一人その場に残っていた。


俺は自分を責めていた。

あの時俺がエリスの言葉をもっと真剣に聞いていたら、死なずに済んだのだろうか?


アイツは穏やかな顔で眠っていた。それは王子を守るという仕事を最後までやり切ったからだと思う。


だから俺も自分の仕事を果たそう。アイツに情けない姿は見せられない。



それからは必死に己を鍛え、仕事にも熱心に取り組んだ。


その努力の甲斐あってか、騎士団の団長にまで昇進。ミハイル王子とともに襲撃の首謀者を調査した。


第1王子ザミエルが首謀者だと突き止め、関わっていた貴族連中共々、処刑あるいは国外追放にした。


これでエリスの仇は取れただろうか。


だが本当に大変だったのはそれからだ。王子は国を正しき姿に戻すと決め、俺たち騎士団も王都の治安維持などに奔走した。


そんな慌ただしい日々を送り続け、気が付けばエリスの死からもう14年の月日が流れていた。


俺はもう34歳になったが、いまだに独身だ。


なぜだかわからないが誰とも結婚する気にはなれない。もしかしたら俺はエリスが好きだったのかもしれない。今更気づいても手遅れだけどな。




ある日、騎士団の訓練場で見慣れない少女を見かけた。模擬戦をするつもりのようだ。


「っ! どうして………」


俺は少女の戦いを見て驚きを隠せなかった。エリスとまったく同じ剣技、体捌きだったのだ。


なぜあの少女はアイツの剣技を知っている? 弟子をとったなんて聞いていない。


少女は圧倒的強さで勝利し、あっという間にその場を去ってしまった。


非現実的な考えだが、俺はあの少女がエリスの生まれ変わりのように思えた。


再び彼女と会い、今度は話をしてみたい。


俺は心からそう思った。







次は本編戻ります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ