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「それはもう、すごい戦いでさ!」
カトリーヌはお城での出来事を王妃セーラに伝えている。その様子は身振り手振りを大袈裟に大きく使い、お城を壊したのは仕方がなかったんだ、と弁明している。
「わかりました。」
「分かってくれた!?」
「あなたがお城を破壊したということが。」
「ゲエエエエー!? なぜバレた!?」
「それだけオーバーアクションで自己弁護していれば分かりますよね。セーラお嬢様。」
「その通り。」
「ガーン! バッキーにまで見透かされるとは・・・。」
カトリーヌは気象予報協会の会長として、お城を台風で破壊した弁償をしなければいけない。背中に重いものを背負った感覚であった。
「カトリーヌ。あの子たちはどうする気だ?」
「特に男の子が、邪神うさぴょんの宿った黒いサイコロを持っている以上、放っておけないわ。」
「そうだ。絶対に邪神うさぴょんを復活させてはならない。何か、良い方法はないのか?」
新たなサイコロの登場に、セーラ王妃とメイドのバッキーが困っている。しかも新たなサイコロは邪悪な黒いサイコロときた。
「私にいいアイデアがあります。」
「どうしましょう? コンクリートで固めようかしら?」
「お嬢様、洞窟に封印するのはどうでしょうか?」
「こら!? あなたたち!? 私の話を聞きなさい!?」
「・・・どうせ台風で吹き飛ばして終わりでしょう。」
「カトリーヌの考えはお見通しです。」
「違う!? あなたたちは私をどういう人間だと思っているのよ!?」
「そういう人間。」
「なんて冷たい視線なの!?」
カトリーヌの日頃の行いから、つまらないことしか考えない、困った時は台風を発生させて、お城のように破壊するだけだと呆れられている。
「魔界に行くわ!」
「魔界!?」
「魔界には、親友の女魔王カトリーヌがいる。女魔王なら黒いサイコロの処分の仕方を知っているかもしれない。」
「おお! その手があったか!」
「カトリーヌにしては頭を使いましたね。」
「バッキー、何か言った?」
「何も。ははは。」
「ということで、私は男の子を連れて魔界に行って来るわ。」
「頼みましたよ、カトリーヌ。」
カトリーヌは男の子に会いに去って行く。黒いサイコロの男の子の呪いを女魔王のカトリーヌに解いてもらおうというのだ。
「セーラお嬢様。」
「なに? バッキー。」
「黒いサイコロを持った子供を危険な魔界に連れて行くよりも、神カトリーヌに会いに行って、清めてもらった方がいいんじゃないでしょうか?」
「い、言われてみれば・・・。」
「・・・。」
「いい、バッキー。私は聞かなかったことにするわ。」
「かしこまりました。お嬢様。」
セーラ王妃とメイドのバッキーが戯言を言っている間に、カトリーヌは黒いサイコロを持つ男の子、うくぴょんの繋がれている地下最深部の牢屋にたどり着いた。
「はあ・・・はあ・・・、なんでこんなに深いのよ!?」
そこには牢屋の中で暴れないように手足を鎖でつながれた、うくぴょんがいた。
つづく。




