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「おまえは!? うさくまぴょん!?」
カトリーヌの目の前に現れたのは、邪神うさくまぴょんだった。しかし、姿は透けている透明感があり、うさくまぴょんは完全な体ではない、ホログラムのようだった。
「おお!? 俺だ!? 俺!?」
「現れておいて、驚くな!」
「すまん。久しぶりの登場だったので。あはっ。」
「笑って誤魔化すな!」
「それでは仕切り直して。待たせたな。」
「誰も待ってない。」
「そんな冷たいことを言わないで!?」
「はいはい。いいから話を進めて。」
「俺は帰って来た! カトリーヌよ!」
「なんですって!? おまえは神カトリーヌが倒したはず!?」
「そう。俺はカトリーヌ・ねこぴょんの黄金の神サイコロで倒された・・・かに見えた。」
「見えた!?」
「しかし俺は命が尽きる寸前で、我が友くまぴょんに切り離され、魂だけ残されたのだ。」
「なんという友情!?」
「そして俺の邪な魂は、黒いサイコロになったのだ。」
「どこまでも汚れているのね。」
「何とでも言え!? どうせ俺の心は歪んでいる。その心の歪みと若い少年の、この腐りきった世の中を、どんな手段を使ってでも変えたい、という邪心が共鳴したのだ。そして俺は復活することが出来たのだ! ワッハッハー!」
「なんて他力本願な!?」
「良いのだ。俺は元々、邪神だからな。ワッハッハー!」
「完全に開き直ってる!?」
「この少年が黒いサイコロで悪いことをすればするほど、俺にエネルギーが注入され、俺は完全体として復活するのだ! 分かったか! 憎っきカトリーヌめ!」
精神体とはいえ、甦った邪悪の固まり。かつての神うさぴょんは日頃の行いの悪さから邪神になってしまった。また、この世界を邪悪に包もうとしているのである。
「分かった。」
「素直だな。降伏するというのか?」
「いいえ。私が、この子を立派な精神にしてみせる。」
「なに!?」
「そうすれば、あなたは復活できないんでしょ?」
「ギクっ!?」
「そしてこの子を神カトリーヌに会わせて、邪な心を浄化してもらうわ。そしたら、あなたとはさようならね。」
「嫌だ!? 俺は消えたくない!? そんなことはしないでくれ!?」
「却下します。」
「鬼!? 悪魔!? カトリーヌ!?」
「不正解! 今の私は気象予報協会の会長、女CEなのだ! ワッハッハー!」
カトリーヌの方が一枚上手であった。しかし自分の思い通りにならない展開に
俺こと、うさぴょんのイライラが爆発する。
「こうなったら、小僧に黒いサイコロを振らして、おまえを倒してやる!」
「やれるもんならやってみろ!」
カトリーヌはうくぴょんを指さす。うくぴょんは気絶しているので、黒いサイコロを振ることが出来ない。
「ゲゲッ!? おい!? 起きろ!? 起きるんだ!?」
「ざまあみろ。」
俺はうくぴょんの肩を持って揺らして起こそうとするが、目の前で友達を失ったうくぴょんの目は覚めなかった。
「さあ、不完全体の邪神うさぴょん。」
「ギクっ!?」
「完全体になれないように、私が倒してあげよう。」
「ギャアアア!? やめて下さい!?」
「問答無用! 気象予報協会の会長として命じる! 大量台風異常発生!」
「こんな所で消されてたまるか!?」
俺は黒いサイコロの中に逃げ込んだ。どんな強力な攻撃も、この世界で絶対の存在であるサイコロを壊すことはできないのだ。
ドカーン! 大量に発生した台風が城の壁を破壊して何処に飛んで行く。お城に充満したガスが漏れだし自然に溶け込んで消えていく。
「やってしまった・・・まあ、いいか。」
自分の行動に絶句したカトリーヌであったが、お城からガスが抜け出し、バジリスク・ガスもいなくなって結果オーライである。
「この子たちをどうしたものか?」
カトリーヌは、事件を巻き起こした子供たちを困り果てた顔で見つめるのだった。
つづく。




