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「サイコロ!? まさか!? その子供は、サイコロ士!?」
サイコロ士。それは呪われた存在。この世界はサイコロの目が絶対。ということは、サイコロを扱えるものが最強である。数々の恐怖のサイコロ話があり、新たなサイコロ士の誕生は、新たなサイコロ伝説の始まりである。
「そう、この子はサイコロ士だ。」
「やはり・・・サイコロ士!?」
「だが、ただのサイコロ士ではない。」
「どういうこと!?」
「この子の持つサイコロは、黒い色をしている。」
「黒いサイコロ!?」
「そうだ。白いサイコロは幸せをもたらす。しかし、黒いサイコロは不幸を招く。最強最悪の呪われたアイテムだ。」
「分かる気がするわ。私もサイコロに振り回されたことがあるから。」
カトリーヌは今でこそ気象予報協会の女会長の女CEであるが、冒険者の頃はサイコロ士のサイコロに苦労させられた過去を持つ。カトリーヌの言葉には経験からくる実感がこもっていた。
「なんで、この子はサイコロ士なの?」
「この子は、かつての神、いや、最後は邪神か? うさぴょん、くまぴょんの生まれ変わりだ。」
「なんですって!? 冗談はやめて!?」
「冗談でも嘘でもない。その証拠に、この子の名前は、うくぴょん。2人の頭文字からきている。それにぴょんを引き継ぐ者である。」
ぴょんとは、神やサイコロ士にだけ許されたゴッドネームである。依然、カトリーヌもさいぴょんに、ころぴょんと名前を付けられたことがある。
「なんて不幸な子なの!? 呪われているわ!?」
「その通り。それが黒いサイコロの運命。」
「黒いサイコロの運命?」
「黒いサイコロは呪われている。サイコロを振っても不幸しか起こらない。どんなに強大な力を得ることができても、それと引き換えに不幸が訪れる。例えば、今回は自分の望みを叶えるたために、友達を2人も失ってしまった。」
「そ、そんな!? それでは、この毒の発生は、この子が望んだことだというの!? こんなことのために友達を2人も殺したの!?」
「それは違う。この子は何も知らない。黒いサイコロで力を得たと思っているだけだ。2人が死んだのは、ただの事故だ。」
「事故!? 2人も死んで、事故で済ませっていうの!? この子の望みのせいで大勢の人々が死んでいるのよ!?」
「この子を狂気にさせたのは、おまえたち人間だ。」
「私たち?」
「おまえたちは自分が豊かになったから、貧しい者たちの苦しみや助けを求める声が聞こえなくなってしまった。不満の溜まった者が強大な力を得れば、爆発するのは自然なことだろう。」
「確かに・・・そ、そう言われると・・・何も言えない。」
成功したカトリーヌはうかれていたのは事実だった。一般素人が気象予報協会の女会長まで上り詰めた。成功できた者は、失敗している者を努力が足らないと思ってしまう。成功する席は僅かしかないのに・・・。
「ワッハッハー! 久しぶりだな! ころぴょん! 俺だ! 俺!」
その時だった。うくぴょんの黒いサイコロが姿を現し、黒く眩しい光を放つ。
「まさか!? おまえは!?」
カトリーヌの目の前に現れた者とは!?
つづく。




