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「貧困をなくしたい! この場にいる全ての人間を殺し、金持ちを抹殺するんだ!」
僕の願いは、たった一つ。自分が貧乏で貧しい可哀そうな人間と思われないことだった。普通の人間として、普通に生きたいだけだった。貧しい生まれの僕の素直な願い事だった。
「容易い御用だ。毒の神バジリスクが、おまえの願いを叶えてやろう。」
毒の神バジリスク・ガスは目を光らせ毒のガスを口から吐き出す。目に見えない毒ガスは次第にお城中に広がっていく。
「やったー! 僕たちは成功したんだ! らとぴょん、ぱこぴょん。」
僕は一緒に来た仲間の方へ振り向いた。
「な!?」
僕は目を疑った。現実が理解できなかった。らとぴょんとぱこぴょんは意識なく床に倒れ込んでいた。
「こ、これは!? らとぴょん!? ぱこぴょん!?」
取り乱した僕は二人に駆け寄る。抱きかかえて頬を叩く。しかし二人は息をしていない。
「私はおまえの願いを叶えただけだ。」
「はあ!? 違う!? 何を言っている!? 僕の願いは金持ちの抹殺だ!? どうして僕の友達を!?」
「おまえは言った。ここにいる人間、全てを殺せと。私は願いに従っただけだ。」
「そ、そんな!? 僕が二人を殺したというのか!?」
僕は友達を失った。しかも2人同時に。悲しのか、怒っていいのかすら分からずに、僕の頭の中は混乱した。精神が壊れそうな程、取り乱し放心状態で動けなかった。
「それでは、この城にいる人間は皆殺しにした。さらばだ。」
「ま、待ってくれ!?」
「なんだ?」
「二人を、僕の友達を生き返らせる方法はないのか!?」
「あるにはあるが危険を伴うぞ。」
「それでもいい! 方法があるなら教えてくれ! 僕は友達を助けたい!」
「・・・いいだろう。教えよう。」
「ありがとう。」
僕はらとぴょんとぱこぴょんを生き返らせる方法があると聞いて、一先ず安堵した。自分の性で2人が死んだのなら、自分で2人を生き返らせたいと素直に思った。
「死んだ人間を生き返らせる方法は、黒いサイコロで、フェニックスを呼び出すことだ。」
「フェニックス?」
「フェニックスは死んだ者を生き返らせる力があるという。フェニックスなら、おまえの死んだ友達を生き返らせることもできるだろう。」
「本当!? 二人を生き返らせることができるんだね!? 良かった!」
僕は喜んだ。また二人に会える。らとぴょん、ぱこぴょんは僕の大切な友達だから。生き返らせることが出来ると聞いて僕は大喜びした。
「ただし。」
「え?」
「ただし、いかに黒いサイコロを持つ者でも、不死鳥フェニックスを呼び出すことが出来るのは上位のサイコロ士だけ。今の主のレベルでは、フェニックスを召喚することは無理です。」
「そんな・・・。でも、僕がレベルを上げて強くなれば、フェニックスを呼び出せるようになり、死んだ友達を蘇らせることができるんだ。なら、僕はやるよ。強くなって友達を生き返らせるんだ。」
僕の運命が少し動き始めた。必ず強くなって、友達を取り戻すんだ。僕は心の中で強く決心した。
つづく。




