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「誰だ!? 俺のサイコロを奪う者は!?」
「お久しぶりです。神様。」
「俺を神と知っている、おまえは何者だ?」
「悲しな。私のことをお忘れですか?」
「ええ~い!? その仮面を取れ!」
「いいでしょう。とって差し上げましょう。とくとご覧あれ。」
聖騎士は仮面を取り外す。仮面の下から美しい女の顔が出てくる。その顔に一同が驚いた。
「お、おまえは!? カトリーヌ・ねこぴょん!?」
「聖騎士様って!? 大悪党のカトリーヌ・ねこぴょんだったの!?」
「ねこぴょん、久しぶり。」
聖騎士の正体は、かつての英雄、今は大悪党のカトリーヌ・ねこぴょんであった。ころぴょんだけは久しぶりの再会を喜んでいた。
「生きていたのか!? ねこぴょん!?」
「死んでいなくて悪かったな。一度は生死の狭間に足を踏み入れたのだが、私は思い出した。弱い人間の人生を弄ぶ、邪神を野放しにはしておけないと。」
「誰が邪神だ!? これでもれっきとした神であるぞ!?」
「それはおまえたちが多くの罪の無い人々を殺める前の話だ。嘘だと思うなら、天界にいる大神様に聞いてみろ。」
「なんだと!?」
そこで、くまぴょんは天界と交信を始めた。さすがは優秀なシャーマンである。
「もしもし、大神様。」
「はい、大神様です。」
「こちら、くまぴょんです。大神様、お伺いしたいことがあるのですが?」
「なんでしょう?」
「私とうさぴょんは神ですか?」
「いいえ、神様失格です。」
「ええー!?」
「神、失格!?」
「おまえたちは自分たちの暇つぶしに、多くの人間の命を弄んだ。だから罰として、邪神に降格させた。」
「そんな!? 俺たちは邪神かよ!?」
「信じられない!? 神にクラスの降格があるなんて!?」
「またね。」
俺とくまぴょんは邪神になってしまった。まあ、立場や肩書だけで、俺たちがやって来たことは立派な悪事であったので、納得できる所もある。大神様との交信も途絶えた。
「くまぴょん、どうやら俺たちは邪神らしい。」
「いいじゃないか。これで堂々と悪いことが出来る。」
「開き直ったな。」
「そりゃあ、開き直るだろう。いきなり神から邪神にされてしまってわな。」
「そうだ! そうだ!」
「おまえたちには邪神すら、もったいない。」
「なんだと!?」
「おまえだって世紀の大悪党じゃないか!?」
俺とくまぴょんは邪神となっても、楽しく生きていこうと決めた。まったく目の前のねこぴょんのうるさいこと。
「私? 私か・・・私は神になったのだ!」
「な、なに!?」
「嘘を言うな!? おまえなんかが神になれるはずがない!?」
「ちょうど神の定員が2名空いたのでな。」
「まさか!? 俺たちが邪神になったから!?」
「その通り。それと世間が好き勝手に私に罪を擦り付けても、私はニの町で人々を守り続けてきた。その行いが天界にいる大神様に認められたのだ。」
「神だ!? カトリーヌ・ねこぴょんこそ、神の中の神!? 神になるべき者だ!?」
「こら!? うさぴょん!? おまえが感動してどうする!?」
「あ!? 本当だ!? ついつい興奮してしまった!?」
神になったカトリーヌ・ねこぴょんと、邪神になった俺とくまぴょんの戦いが始まろうとしていた。
「そろそろ腐れ縁に決着を着けようか?」
「望むところだ!」
「いいのか? 全てを制するサイコロは私の中にあるんだぞ?」
「し、しまった!?」
神=人の人生を弄ぶサイコロ士。神カトリーヌ・ねこぴょんは邪神の人生もサイコロで決めてしまえるのだった。
つづく。




