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「もう直ぐ、着きますよ。」
「がんばろう。ころぴょん。」
「ええ、私、負けない。」
「見えてきました。サンの町です。」
「おお!? 着いた!?」
「あれがサンの町!?」
僕ところぴょんの前に姿を現したサンの町は、お世辞にも豊かそうではなく、廃墟一歩手前といった、なんとか町を維持している感があった。
「ニの町よりはマシね。」
「でも、なんだか寂しい。」
「さいぴょんさん、ころぴょんさん、町のリーダーの元へ案内します。どうぞ、こちらです。」
「はい。」
僕たちはサンの町の中にある一軒の家に案内された。町の中は小規模だが、店もあり人々にも笑顔があった。まだ町として機能している様だった。
「よく来てくれました。私がサンの町のリーダーのライト・レフトです。」
「ライト・レフト?」
「私は拾われた子なので、子供のいなかったライト・レフト兄弟から名前をとったら、ライト・レフトという変な名前になったようです。ははは。」
「大変ですね。」
「はい。大変ですよ。依然は200人を超える超える大集団だったらしいのですが、今では救助隊の隊員が50人ほどいるだけですから。」
「町の自衛は大丈夫なんですか?」
「はい。この町は死人の町とされる、ヨンの町のある森に囲まれていて、外敵が攻めてこないのです。ニの町とあなた方のイチの町しかつながってませんからね。」
「そうなんですね。イチの町は海から他の町からの貿易船がやって来ますし、商人は、どこかに秘密の抜け道を持っているみたいです。豊かでお金を持っていると分からると、商人はどこからでもやって来ますからね。」
「そうなんですね。勉強になります。」
「ライト・レフトさんは、意外にいい人みたいね。」
僕たちはサンの町のリーダーのライト・レフトさんと和やかな話し合いをすることができた。彼からは侵略や略奪といった悪意は感じられなかった。
「あなた? お客様なの?」
そこに女性と子供が現れた。
「紹介します。私の妻のセーラと息子のセンターです。」
「妻のセーラです。センター、挨拶しなさい。」
「センターです。」
「こんにちわ。さいぴょんです。」
「私はころぴょん。」
「ぴょん!?」
それまでにこやかだった女性の表情が険しくなる。
「キャアアア!?」
「セーラ!?」
「お母さん!?」
「えええー!?」
「うそ!? どうして!?」
セーラは、口から泡を出して気絶して倒れた。
「バッキー!? バッキー来てくれ!?」
「はい! 旦那様!」
そこに家政婦さんが入って来た。
「お嬢様!? セーラお嬢様!? 大丈夫ですか!?」
「直ぐにベッドに運ぼう!」
「はい! 旦那様!」
セーラは寝室に運ばれていった。
そして旦那のライト・レフトが僕たちの元に帰って来た。
「ごめんね。心配させて。」
「いえいえ、気にしないでください。」
「それより奥さんは大丈夫ですか?」
「大丈夫、軽い発作のようなものだから。」
「何か私たち悪いことしましたか?」
「そういえば、僕たちの名前を聞いてから様子がおかしくなったような・・・。」
「・・・。」
少し考え込むライト・レフト。しかし決心して話し始める。
「実は・・・妻は、あのカトリーヌ・ねこぴょんの親衛隊長だったんだ。」
「えええー!?」
「カトリーヌ・ねこぴょん!?」
僕たちは、伝説の英雄カトリーヌ・ねこぴょん様の名前を聞いて驚いた。
つづく。




