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「ようこそ! サイコロの支配する世界へ!」
町の名前は、別名サイコロになった。僕のさいぴょんという名前と、ころぴょんの名前を足して、サイコロになった。
「マスターだ。サイコロマスターだ。」
ちなみに師匠は、サイコロマスターと呼ばれ町で一番の長になった。まだまだ若い女町長の誕生であった。
「姐さんだ! 姉さんのお通りだ!」
「おはようございます! 姉さん!」
「みんな元気? いい響きね!」
ころぴょんは町の住民である奴隷たちから、かわいいのに姐さんと呼ばれ恐れられていた。
「兄貴だ! 大召喚士の兄貴も来られたぞ!」
「おはようございます! 兄貴!」
「どうも。兄貴・・・まだ慣れないな。」
僕はサイコロを振っているだけだが、心のサイコロなので誰にも見えないので、大召喚士の兄貴と呼ばれることになった。
「それでは、全体集会を始めます。」
「おお!」
これはサイコロ隊の隊員全員を町の広場に集めて行われる、師匠の言葉が聞ける有難い集会である。
「我がサイコロ隊も、新人冒険者の加入により、ついに隊員数1000名を超えました。」
「おお!」
「すげえ!」
「1000人だって!?」
僕たちは町を支配することによって、冒険者として先に進むことをせず、イチの町、はじまりの町で富国強兵を行っていた。
「あなた! 新人冒険者! 新人はサイコロ隊に入るのがルールよ! 決まりなのよ!」
「は、はい!? 入隊します。」
新人のひよこたちに嘘のルールを押し付けた。拒む新人には、1人に10人で取り囲んで仲良く勧誘した。みんな快くサイコロ隊に入隊してくれた。新人は奴隷ではない。新人サイコロ隊員なのだ。
「森に30人の盗賊ゴブリンが住み着いただって!? いくぞ! サイコロ隊!」
「おお!」
時には、町周辺の敵を倒しに部隊を編成したした。
「何が出るかな? 何が出るかな? ヤッホー! ヤッホー!」
サイコロの目は・・・。
「地獄の砂地獄あり。」
「ギャア!? 砂に呑み込まれる!? 助けて!?」
「さようなら。」
「やったー! レベルアップだ!」
「兄貴! 万歳!」
30人の敵を100人の部隊で滅ぼす。まあ、僕のサイコロを振るだけで一撃で倒せるので、部隊の100人は経験値を楽に稼ぐことが出来る。サイコロ隊の平均レベルは10くらいにまで上がった。
「米を収穫するぞ!」
「いもだ! いも!」
「大きなキャベツ!」
「見ろ! 今日は魚も大量だぞ!」
「薪を拾ってくるよ!」
「川の上流にダムを造ろう!」
イチの町は完全に自給自足ができる良好な状態だった。町の人々も恐怖だけでは、サイコロ隊にはついてこない。町の発展があって、はじめて町の人々が付いて来てくれる。ここまで町は発展しなかっただろう。
「ここまで住みやすい町が、はじまりの町だと、誰も命の危険にさらしてまで冒険しないね。」
「いいじゃない。平和なんだから。」
「私もお金が儲かれば、どうでもいいよ。」
「もう!? 師匠たら。」
「敵襲だ!? 敵が攻めてきたぞ!?」
「またか!?」
敵襲を知らせる警笛が鳴る。町が豊かになれば、奪い取ろうと敵が攻めてくる。これも人の世の常であった。
「くそ!? はじまりの町が大きくなってどうするよ!?」
「俺たちの町に人が来ねえじゃねえか!?」
敵はサンの町を縄張りにしているライト・レフト兄弟だった。彼らの怒りは最もで、イチの町が発展し過ぎて、ライト・レフト兄弟に潰された滅びの町ニや、ライト・レフト兄弟がアジトにしているサンの町や、魔物が住んでいると噂のヨンの町に誰が行きたいと思うだろうか?
「ライト・レフト兄弟も毎回毎回、懲りないね。」
「さいぴょんはゴブリン退治に行ってるから、私が指揮をとるわ。」
「みんな! 迎え撃つわよ! サイコロ隊! 出撃!」
「おお!」
「300本の弓を放て!」
こうして僅か50人のライト・レフト兄弟の部隊を500人のサイコロ隊が迎え撃つのだった。
「覚えていろ!」
「これで勝ったと思うなよ!」
ライト・レフト兄弟の部隊は、一瞬で壊滅した。もうサンの町では人手不足、食糧不足で戦闘員は、ほぼいないのであった。
「勝利の雄叫びをあげろ! エイエイオー!」
「エイエイオー!」
結論、僕無しでも、ころぴょんだけでもサイコロ隊はかなり強い集団になっていた。
つづく。




