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「寄ってらっしゃい! 見てらっしゃい! 占い師ですよ! 手相でも! 恋愛・結婚まで何でも見ますよ!」
「お、占いか。」
僕は面白そうなので占いをしてもらおうと思った。
「占ってくれますか?」
「文無しはダメです。」
「え?」
占い師は、さっきのスリだった。
「すごい! どうして僕がお金を持ってないって分かったんですか!?」
「占い師ですから。」
「僕を弟子にして下さい!」
「はあ!? 弟子!?」
「お願いします! きっとあなたは崇高なる占い師の方に違いない! 僕は偉い方と知り合いになることが出来たんだ! 僕を弟子にして下さい! お願いします!」
僕は占い師に弟子にしてくれるよう、必死で頼み込んだ。
(私は文無しに用事はない。困ったな。変な奴に慕われたものだ。こうなったら、こいつを利用してお金儲けして、使い捨てしよう。)
「いいだろう。」
「本当ですか!? ありがとうございます!」
「ただし、条件がある。」
「条件?」
「あそこで挑戦者を求む男と勝負して、勝って賞金を私に渡すなら、弟子にしてやろう。」
「本当ですか!? 行ってきます!」
(ひっひっひっ。そんな簡単に勝てる訳ないだろう。)
僕は占い師の企みなど知らずに、力自慢の男と戦うことになった。
「さあ! さあ! この強力のチキン様と戦って勝ったら100ゴールドだ! 誰か挑戦者はいないか?」
「はい! 僕、戦います!」
「小僧、お金は持っているのか?」
「お金・・・いいえ。」
「まあ、いい。この神にサインしな。」
「なんですか?」
「奴隷契約書だ。負けたらおまえは俺の奴隷だ。」
「奴隷!?」
「ビビったか? やめるか?」
「いいえ! やります! 戦います! 勝って師匠の弟子になるんです!」
「いい根性だ。だが根性だけでは、どうにもならないことがあることを教えてやるぜ。」
「それでも僕はあなたと戦って勝ちたい!」
僕の決意は固かった。どうしても偉い占い師の弟子になりたかった。憧れだから。
「かかってこい! 小僧!」
「僕の本気を見せます! レッツ! サイコロ・タイム!」
俺は心のサイコロを振る。
「何が出るかな? 何が出るかな? ヤッホー! ヤッホー!」
「なんだ!? ふざけているのか!?」
出たサイコロの目は・・・。
「大魔人の一撃。」
空が暗くなり、雨が降り、雷が鳴り響いた。そして僕の目の前に大きな、大きな大魔神が現れる。
「おまえか? 俺を呼んだのは?」
「大魔神よ。サイコロの目に従い、パンチしてくれないか? 地面でいい。誰もけが人が出ない程度にな。」
「お安い御用だ。 大魔神パンチ! どりゃ!」
大魔神のパンチは正確に地面にヒビを入れつつも、最小限度の破壊力だった。
「ありがとう。大魔神。」
「さらばだ。」
役目を終えた大魔神は去って行った。
「おじさん。」
「た、助けて下さい!? レベルの高い召喚士の方だったんですね!? 殺さないで下さい!?」
「誰も殺しませんよ。賞金のお金ください。」
「は、はい! どうぞ! 命はお助け下さい!?」
「ありがとうございます。」
僕は賞金の100ゴールドを手に入れた。初めて自分で働いて手に入れたお金だ。汗を流してお金を稼ぐって気持ちいい。
(なんなんだ!? なんなんだ!? あんな世間知らずな田舎者が悪魔を召喚しただと!?)
「師匠。お金を差し上げます。」
「わ~い! お金! ・・・いいだろう。おまえを弟子にしてやろう。」
「本当ですか!? ありがとうございます! 師匠!」
僕はこうして占い師の師匠の弟子になった。
「おまえ名前は?」
「さいぴょんです。師匠は?」
「私は占い師のマネーだ。師匠と呼びなさい。」
「はい。師匠。」
「ゴッホン。では、師匠として命令する。次はあそこの魔法使いと戦いお金を稼いでくるのだ!」
「え? 占いを教えてくれるんじゃないんですか?」
「バカ者! これも占いのための修行だ!」
「なんと!? 修行だったのですね!? 俺かな僕をお許し下さい! 師匠!」
「分かったら、修行に行って来い!」
「はい! 行ってきます!」
(いい金づるを手に入れたな。今夜は美味しいお酒が飲めそうだ。イッヒッヒ。)
僕は良い師匠に出会えた。これからの冒険が楽しくなりそうだ。
「勝負! 勝負してください!」
僕は師匠の命令で修行の連戦をすることになった。
つづく。




