日常の幸せ
「ヒカルー早く来いよ!!」
「少しは待つことを覚えろよ!しょうがないな。今日はどこにいく?」
「また私のいないところで悪巧みしようとしているんじゃないでしょうね?
言ってるでしょう!私にもちゃんと言って欲しいって!だってこんなにワクワクすること楽しくてしょうがない!」
「「でたーアリーヤのくろーい部分が」」
「な、なによ!その言い方!」
「「いやいや、事実だし」」
「いちいちハモらなくてもいいから」
今日も元気にはしゃぐ少年少女の声がこの理想郷には響いている。
常に幸せな時間。
叶えようと思えば全てが自分の思いのままになる世界。
そんな世界にヒカル達は暮らしていた。
ヒカルは二人に向かって自慢気に言った。
「今日は学校に行こうと思うんだ。
そこの職員室でちょっとイタズラをしようと思ってる。
どうかな?」
アリーヤは笑って答えた。
「なにそれ!?すごい!
…それにしてもこういう時のヒカルは悪い顔するよね。
で、具体的にはどうやって忍び込む?」
ヒカルは悪い顔をして答えた。
「トイレがあるだろう?
そこを使う。
確か一階にある、男子トイレの窓が壊れているんだよ。
そこから侵入する」
「でも、警報システムは?あれがあるからすぐにばれちゃうよ」
「そこに関しては問題ない。
一応ちゃんと二人で作戦は考えてあるんだ
よ。たまにはアリーヤに案を出してもらわなくても俺だもできるってとこ見せたかったからさ」
アーリーがそう言うとアリーヤは面倒さがそうな表情をして言った。
「分かったから。
それで具体的にはなにをするの?」
ヒカルは画面を出すとアリーヤに見せた。
「これは?」
「これは、学校の警報システムの位置と学校の見取り図だ。
まぁ、要はシステムを乗っ取ってバレないようにしてしまうんだよ。
簡単な話だろう?」
アリーヤは動揺して言った。
「ちょ…あなたそれがどういうことか分かって言っているの?」
「どういうこととは?」
「犯罪よこれ!!
それでもするの?」
「バレなきゃ犯罪じゃないんだよ。
それに学校のシステム乗っ取ったくらいでなにがある?」
そういうとヒカルは思い切り笑った。
それを見たアリーヤも諦めたような表情をして笑った。
「さぁ、ヒカル、アリーヤ行こうか。
最初にさっき言ったようにヒカルがシステムを乗っ取ってそして次に俺たちが侵入そのまま進んで行って少々いたずらをする。
そして、終わったら逃げる。
時間にすると大体15分がシステム的に限度。
さて、説明も終わったし移動だね」
ヒカルとアリーヤは頷いて一階トイレ前に移動した。
そして、ヒカルが空中に画面を出すとキーボードを操作して、学校のシステムに侵入した。
アリーヤは呟くように言った。
「全く、あなたよくそんなことできるわよね。
誰に教わったの?」
「誰か…誰かと言われたら誰にも教わっていない。
それにプログラムを組むことができればこれくらいのこと簡単にできるようになる」
「いやいや、誰にでもできないから聞いたんだけど…」
アリーヤは呟くように言った。
ヒカルは話しかけられている間も、侵入し続けてシステムを操作していた。
「そろそろか?」
「そうだな後10秒ほどで終わる。
アーリーは問題ないか?」
「あぁ俺は問題ないね。
今回は中々自信がある。
なんでか分からないけど」
そう言ってアーリーは笑った。
「よし!終わったぞ二人とも行くぞ!」
「OK」
「了解」
二人は答えた。
そして、一階女子トイレから侵入した。
窓から侵入しているとアリーヤが言った。
あんた達今日は使っている人がいないからいいけど使っている人がいるときに女子トイレなんか入ったら殺すわよ」
ヒカルは怯えた声で言った。
「はい…それよりも物騒なこと言わないでくれ。それと集中しろ。
こんな会話してる時が一番危な…ってぇぇぇぇ!!」
何が起きているのかヒカルには一瞬理解することができなかった。
数秒して痛みが伴って初めて状況を飲み込むことができた。
窓から侵入してトイレの床に向かって飛び降りようとしたら落ちたのだ。
それにアーリーは笑いながら言った。
「言ってるそばからこれだからヒカルは。
とりあえず怪我はない?」
「ん…大丈夫そう」
体を見ても多分怪我はない。
あるとしたら軽くうって痣になるくらいだ。
「怪我ないならさっさと行くわよ」
「わかりましたよ。アリーヤ様」
「な、何よ私が鬼みたいに言わなくてもいいじゃない!!」
「いや、誰もそんなこと言ってないから」
そのやり取りを聞いていたアーリーが軽く笑いながら言った。
まるで何かいいものを見せてもらってありがとうございますとでもいいだけな様子だった。
「本当に君たち仲良いよね。
夫婦みたいな会話だよ。
毎日しているみたいだけどおかけでこっちも楽しめてるよ」
「「誰がこいつと夫婦になるか!!!」」
「アリーヤハモらなくてもいい!」
「はぁ!?それはこっちのセリフよ!」
「だいたいアリーヤはいつもそうだ。
すぐに頭に血が上って周りが見えなくなる」
「それはヒカルだって同じでしょう!」
「コホンそろそろいいかな二人とも?」
アーリーが諭すように言った。
あざといやつだ。
「そうねそうしましょうか。
…と言っても話しているうちに職員室まで来たみたいだけどね」
「さて、派手にやってやろうじゃないの」
「そうだな。こんなことやるんなら派手にしないと色々と損だしな」
アーリーとヒカルは悪い顔をして笑った。
そして、そこからは単独でできることを精一杯やった。
そして、帰ろうとした時に事件は起きた。
突然防犯システムが作動したのだ。
ヒカルは焦った。
「な、何だ?誰か引っかかったのか?」
「ご、ごめん私引っかった」
アリーヤは申し訳なさそうに言った。
しかし、ヒカルは焦りが止まらなかった。
「とりあえず逃げるぞ!!
俺も防犯カメラの対策はしていたのに感知装置は計算外だった。
失敗だ…」
そして、3人はとにかく走った。
侵入した女子トイレに向かって。
しかし、思わぬ人が待ち構えていた。
廊下では、生徒指導担当のタケナカ先生が仁王立ちで立っていたのだ。
これには3人ともしまったと思った。
それもそのはずだ。
タケナカ先生はこれまでに何回も3人を叱っていて、常習犯みたいになっているのだ。
しかし、タケナカ先生の怒り方は何回されても慣れることはない。
独特の威圧感を持ち合わせていた。
そして、隠れていると言われた。
「おい、そこにいるんだろう?
こそこそしていないで出てこい!!」
そう言われて、出て行かざるを得なかった。
出て行くと案の定言われた。
「またお前らか。何回目だ?
数えきれないな…それにしても今回は大胆な行動をしてくれたもんだな。
こっちにこい!」
そう言われて連れてこられたのは会議室だった。
もう、慣れすぎてまたかとヒカル達は思っていた。
タケナカ先生は椅子に座ると事情を聴き始めた。
「それで何でこんなことをしたんだとはもう聞かない。
多分お前らは興味本位とかいたずらしたかったとしか言わないからな。
だが、今回はさすがに親も呼び出しだな」
「マジですか?」
アーリーは聞いた。
「嘘をついてどうする?」
「親呼び出しとか俺後で母さんに殺されるぞ」
「そう思うならこんなことしないことだな」
タケナカ先生は冷静に言った。
「さて、保護者の方にこちらにきていただくまで時間もあるし反省文を書いたもらおうかな。
今回は原稿用紙10枚だ!!」
「そんな書ききれません!」
「アリーヤかならば書きながら自分のやったことを後悔しろ!そして二度とやらないと思いながら書けばいいんだ」
「んなめちゃくちゃな」
ヒカルは言った。




