潮騒
寄せては返す小波の音が聴こえた。
すぐ其処が海なのです。
ザパーン…耳に心地良い。
聴く、感じる、認識するとは、外界と繋がり生きている実感を持てます。
けれども、ああ…きっと私がいなくとも、この世界は続いていくのだろう。
私が居なくなれば、この世界は完成する気がする。
私は、私の居ない世界を想像してみた。
…
…
…
んん…素晴らしいかも。
でも、残念ながら、その時を私は堪能できない。
実に残念です。
…本当に世の中は、ままならないものだ。
んん…私が居なくなる?
でも、人類の一番の敵がいないこの世界では、私が突発的に亡くなることは…まずないでしょう。
人類滅亡前は、人類の敵は人類でありました。
今は、人類滅亡したから、平和が成し遂げられました。
人類同士で争うことは、もうないのです。
素晴らしい。
人類が成し得なかった、平和と平等が遂に、この世界に顕現なのでーす。
ジャジャーン!!
自分の口で効果音を、静かに囁くように呟く。
おめでとう、人類。
人の死亡原因にランクインしている車も、今は、もう動くことはない。
世の中は、静かでクリーンであります。
…すると、残る人類の敵は自然だけ。
…
自然とは、味方ではなく、本来、厳しい敵にほかならない。
暑い日差しを感じながら、僕は歩いていく。
眩しい空を見上げながら。
ああ…太陽がいっぱいです。




