街を歩く
街中を歩く。
誰とも会うことはない。
…だって人類は滅亡しましたから。
シンと静まり返った街中は、シュールな絵画の中に入り込んだ気持ちにさせる。
いやいや、現実だよ。
思わず座りこんで、地面のアスファルトに擦りつけるように指で触ったり。
ああ、俯いた顔を上げたら、もしかしたら、滅亡前の人が沢山歩いている光景があるかもしれないと想像したりする。
…いやいや、そんな馬鹿な話しはないよね。
僕は現実を知っている。
…
僕は、面を上げた。
…
…ほらね。
そこには、誰もいない光景が広がっていた。
両肩をすくめる。
分かっていた。
だって、人類は滅亡しましたから。
店々を観て歩く。
ウィンドウショッピングです。
うんうん、どれも素敵な商品です。
けれど、本当に欲しいものは置いてない。
持っていっても荷物になる不用品です。
本当に必要なものは、高くても買いたい。
ただ、街中に置いてあるものは、ほとんど要らないなぁ。
誰かに見せるわけでもないし。
これ程に物が溢れているのに、実に残念。
レジに置いてあるお金なぞは、最もたるもので今ではまるで意味がない。
…むむ、オマエはモウしんでいるぞ。
お札の顔に向かいジョークを放つ。
しかし、この印刷技術は大したものです。
お役目ご苦労様でした。
静かに手を合わせてしばし黙祷なのです。
お金という概念はしんでしまいました。




